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厚生年金基金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金などの企業年金を解説
年金制度の3階部分に位置している企業年金制度。国民年金や厚生年金といった公的年金とは違い、企業が管理しています。今回は、仕組みが複雑な企業年金について、その種類や特徴をわかりやすく紹介します。
企業年金には3種類存在する
企業年金制度は、年金制度の3階部分に相当します。そして企業年金には3種類の制度があり、それぞれ異なる仕組みです。
1. 厚生年金基金
2. 確定給付企業年金
3. 企業型確定拠出年金
最初に設立された企業年金制度は、厚生年金基金です。残り2種類の企業年金は、2001年から2002年にかけて新たに制度化されました。そして2020年現在主流となっているのは、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金です。
どの企業年金にも共通しているのは、企業が外部もしくは自社で設立・運用している制度という点です。国が運用管理している公的年金制度とは異なります。
厚生年金基金とは?
続いては厚生年金基金の特徴について紹介し、厚生年金基金がなぜ2020年現在主流となっていないのか解説します。
・1966年に創設された制度
厚生年金基金は、厚生年金保険法を改正して作られた企業年金制度です。厚生年金の上乗せ制度として1966年に創設されました。
元々は退職金の分割払いという考え方から始まった制度で、厚生年金とは別に年金給付を受けられるのが特徴です。
給付額は、老齢厚生年金の報酬比例部分(在職中の月収と厚生年金加入期間から計算)の一部と、厚生年金基金から支給される金額を合わせます。そのため厚生年金の給付額は、一部差し引かれた金額となります。
●厚生年金基金:厚生年金基金と老齢厚生年金の一部(代行部分)を合わせた金額が支給
●厚生年金:厚生年金基金の代行部分を差し引いた金額が支給される
・2020年現在は新規設立できない
厚生年金基金は2014年以降、新規設立できない状態となりました。現在は厚生年金基金の新規申請ができません。
そのため厚生年金基金の加入者数は、他2種類の企業年金よりも少ないのが特徴です。厚生年金基金以外の企業年金を設立した企業に勤める人は、厚生年金基金には加入できません。
確定給付企業年金(DB)とは?
ここからは、確定給付企業年金の仕組みや特徴を紹介します。企業が中心となって年金資産の運用管理を行う制度です。また、規約型と基金型に分かれている点にも注目してください。
・企業が年金資金の運用や管理を行う
確定給付企業年金は、企業が従業員と給付内容を約束した上で、毎月の給与から年金資産を差し引き、退職時に給付を行う制度です。
主な特徴としては、年金資産の拠出(従業員の給与から差し引いた資産)と基金の運用、金融機関へ年金資産の運用方針に関する指示、給付まですべて企業が担っている点でしょう。給付額は加入時にあらかじめ設定するので、退職後にいくら給付されるか確認できます。
・外部機関で積み立てる規約型
規約型確定給付企業年金は、企業と契約した保険会社や信託銀行が拠出金を運用する制度です。規約型という名称通り、企業は交わした規約に沿って年金資産を拠出します。従業員の給付時期や金額については、企業が指示する仕組みです。
実際の運用は外部機関が行い、運用結果によって資産は増減します。年金資産が減少した場合は、企業が補填します。そのため受給額は変わりません。
・企業が基金を設立する基金型
確定給付企業年金の基金型は、企業が年金基金を設立・運用する制度です。設立には厚生労働大臣の認可が必要で、従業員との同意の上で運用を開始します。
規約型との違いは、年金の請求先です。基金型の場合は、企業が特別法人として基金を設立し、基金が年金資産の管理と外部機関への運用指示を行います。年金は基金から受給する仕組みです。
ただし、運用前に将来受け取る年金額が確定している点は、規約型と共通しています。
企業型確定拠出年金(DC)とは
企業型確定拠出年金は、企業が毎月従業員から年金資産を集め、外部機関(信託銀行など)へ拠出します。掛け金は企業が拠出するので、給与の減額といったことはありません。
運用方針などは、各従業員が決めることができます。受給額は各従業員の運用方針によって変わるのが特徴です。そのため、企業は従業員に対して、運用法や運用商品に関する適切な説明を行わなければいけません。運用商品は、一般的に保険商品や定期預金、投資信託などです。
メリットは、確定給付企業年金より、給付額を増やせる可能性があることです。一方デメリットは、運用結果によって給付額が減少してしまうリスクもあることでしょう。
どれを選べば良いい?
企業年金を選ぶときは、運用方針を中心に考えるのが大切です。
厚生年金基金と確定給付企業年金は、加入者側で運用商品を決めることはできません。代わりに受給額は確定しているのがメリットといえるでしょう。
企業型確定拠出年金は、加入時点受給額は確定していません。しかし、運用商品の選択ができるので、自由度という点で優れています。
安定を重視して確定給付企業年金を選ぶか、それとも自己責任という前提で運用方針を加入者自身で決めるか、リスクと目指すべき給付額のバランスを考えながら決めましょう。
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。