付加年金|お得なのにあまり知られていない制度をチェック!

リリース日:2020/05/08 更新日:2024/10/28

自営業者にとって、老後の資金づくりは大きな問題です。2019年の給付水準が続く場合、国民年金だけで生活を維持するのは困難です。少ない負担で老後に備えることができる「付加年金」について説明します。

付加年金|お得なのにあまり知られていない制度をチェック!
  1. 実はお得!?付加年金とは
  2. 付加年金を利用できる人
  3. 付加年金+繰り下げ需給で老後を乗り切る
  4. 国民年金基金を利用するという方法も
  5. 付加年金を利用するときの注意点

実はお得!?付加年金とは

実はお得!?付加年金とは

付加年金とは、毎月の国民年金保険料に400円をプラスすることで、将来受け取れる年金額をアップできる制度です。200円×付加年金を納めた月数分が、毎年の年金額にプラスされることになります。たとえば、40年間付加年金を納め続けた場合は、200円×12カ月×40年=9万6,000円ですから、毎年の年金額が9万6,000円アップするということになります。

実際に納めた金額は、400円×12カ月×40年=19万2,000円ですから、2年で元が取れる計算ですね。つまり、65歳から年金を受給した場合、67歳まで年金をもらい続ければ、支払った分は回収できることになります。日本の平均寿命は、2018年の時点で、男性81.25歳、女性87.32歳ですから、損をしないで済む確率はかなり高いといえるでしょう。

 

付加年金を含む年金保険料を36カ月以上支払った人が、年金を受け取ることなく亡くなったとき、遺族は死亡一時金を受け取れます。死亡一時金の額は、加入月数によって12万円~36万円までと幅がありますが、付加年金分も上乗せされ、その額は一律8,500円となっています(付加年金についても、36カ月以上納付していた実績が必要)。
付加年金を利用できるのは、国民年金の第1号被保険者と呼ばれる人です。該当するのは、学生、自営業者、無職の人などです。会社員や主婦などは利用することができません。厚生年金がない自営業の人にとって、付加年金は非常に魅力的で手軽な将来への備えだといえるでしょう。

付加年金を利用できる人

付加年金を利用できる人

付加年金を利用できるのは、国民年金の第1号被保険者と呼ばれる人と、任意加入被保険者のみです。該当するのは、学生、自営業者、無職の人などで、20歳以上60歳未満です。会社員や主婦などは利用することができません。また、国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者であっても、以下の場合は付加年金を利用することができません。

①国民年金保険料の免除・猶予を受けている人

②国民年金基金加入者

③65歳以上の歳以上の任意加入被保険者

厚生年金がない自営業の人にとって、付加年金は非常に魅力的で手軽な将来への備えだといえるでしょう。

付加年金+繰り下げ需給で老後を乗り切る

付加年金+繰り下げ需給で老後を乗り切る

自営業者の人は、会社員と違って退職金を受け取ったり、厚生年金を受け取ったりすることができません。その代わり、「定年がない」、「年齢が上がっても役職定年や再雇用などで収入を減らされることなく、働いた分だけ稼げる」という大きな強みも持っています。

この強みを生かせば、65歳ではなく、70歳まで働いて稼ぐことも十分可能でしょう。少し働くペースを落としたとしても、70歳まで毎月の生活費を賄える程度の収入を維持できれば、「年金の繰り下げ需給」も無理なくできます。

年金を繰り下げ受給すると、その分年金額が増額します。この増額は付加年金分についても同様に行われるため、付加年金と繰り下げ需給を併用すれば、受け取れる年金額は大幅にアップするのです。70歳まで繰り下げて受給した場合の増額率は42.0%です。2018年を例にとって考えた場合、40年間付加年金を納めた人が繰り下げ需給した場合の年金額は下記のようになります。

(78万100円(国民年金の満額支給額)+9万6,000円(付加年金分))×1.42(繰り下げ需給加算)=124万4,062円

普通に国民年金だけを受け取った場合にくらべて、年間46万円以上のプラスになりました。70歳まで働いて繰り下げ需給することと付加年金を掛けることで、自営業者の年金額もここまで上げられるのです。

国民年金基金を利用するという方法も

国民年金基金を利用するという方法も

自営業者が利用できる年金の制度には、国民年金基金もあります。国民年金基金は、加入者の性別と年齢に応じた掛金を通常の保険料にプラスして支払うことで、将来の年金月額を1万5,000円以上アップできるというものです。アップする金額は掛ける口数によって決まります。

ただし、国民年金基金には、付加年金相当が含まれているため、付加年金と併用することはできません。また、国民年金基金とiDeCoの加入金額は、合計で月額6万8,000円までです。すでにiDeCoを利用していて新たに国民年金基金に加入したい場合は、どちらにいくら掛けるのか、バランスを考える必要があります。

なお、これは付加年金も同様です。付加年金を利用する場合のiDeCoの掛金は、上限が月額6万7,000円となります。

付加年金を利用するときの注意点

付加年金を利用するときの注意点

お得な付加年金ですが、利用するときに、いくつか覚えておいた方が良い注意点もあります。

・国民年金の受給資格を満たさなければ受け取ることができない

付加年金は、あくまでも国民年金に付加しているものですから、そもそも国民年金の加入期間が短く、受給資格がない人は受け取ることができません。また、65歳よりも前に亡くなってしまった場合も、付加年金を受け取ることはできません(その代わり遺族が死亡一時金を受け取れる場合があります)。

・それだけで老後に備えるには金額不足

付加年金は、少ない負担で老後の年金額をアップできる制度ですが、40年間掛けたとしてもプラスされるのは年額9万6,000円ですから、それだけで老後に備えるには不安があります。繰り下げ需給や小規模企業共済、iDeCoなど、その他の方法と合わせて利用しましょう。

付加年金は、納めた月数が多ければ多いほど将来のメリットも大きくなります。「やってみよう!」と思ったら、できるだけ早く納付を始めましょう。市役所の窓口で簡単に申し込めますから、ぜひ相談に行ってみてください。

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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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