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医療費控除対象の交通費は?電車代はOKでガソリン代はNG!?
医療費控除は、診察代や薬代だけでなく、通院のための交通費も含めて申告することができます。ただし、対象外のものもあるので注意が必要です。医療費控除の対象になる交通費にはどのようなものがあるのか、詳しくご説明します。
確定申告で医療費控除をすると節税になる
医療費控除をすると、その年の所得税と翌年の住民税を減らすことができます。しかし、医療費控除は年末調整の対象にはなっていません。医療費控除を受けたいときは、自ら申告をする必要があります。たとえば、会社で年末調整をしている人が医療費控除を申告する手順は下記のようになります。
2019年12月(または2020年1月)
会社で年末調整を受けて所得税の還付、または徴収を受ける
2020年1月以降5年以内
医療費控除の申告をする
⇒2019年分の所得税のうち納め過ぎた分が還付される
⇒2020年に納める住民税額が少なくなる(2020年の住民税計算に間に合う時期に申告した場合)
医療費控除は、病院の通院費や薬代、入院代、不妊治療代等の合計額が10万円(年間所得額が200万円未満の場合は所得額の5%)を超えた場合に、超えた額について控除が受けられるというものです。
また、セルフメディケーション税制と呼ばれる医療費控除の特例もあります。
控除の対象になる交通費とならない交通費がある?
通院に必要な交通費についても、医療費控除の対象として認められることがあります。具体的にどのような場合に認められるのかを下記にまとめました。
【控除の対象になる交通費の例】
・隣町にある大学病院に行くための電車賃
・駅前の病院に行くためのバス代
・特別な事情があって公共交通機関を利用できない場合のタクシー代
・医師の指示により遠方の病院へ行く必要がある場合の新幹線代
・医師に往診を頼んだ場合の交通費
・ひとりで病院に行けない子どもに付き添った際の親の交通費
【控除の対象にならない交通費の例】
・自家用車で病院に行ったときのガソリン代
・自家用車で病院に行ったときの駐車場代
・バスでも行ける病院にタクシーで行った際のタクシー代
・入院中の家族のお見舞いに行った際の交通費(入院中の子どもの世話をする場合も含む)
まとめると、以下のようになります。
・自家用車を利用した際の費用は医療費控除の対象にならない
・通院のための公共交通機関の料金は対象になる場合が多い
・やむを得ない事情がある場合は、タクシーや新幹線などの高額な交通費も対象になる場合がある
医療費控除は、同じタクシー料金でも、無意味に利用したものなのか、それともやむを得ず利用したものなのかで、対象になるかどうかが変わります。「これは対象になるかな?」と迷ったときは、それがどの程度必要なものだったか、客観的に納得できるだけの理由があるかどうかで判断しましょう。
たとえば、陣痛が来てしまったのに自家用車で送れる家族がいないといった場合は、タクシーを利用しても問題ないといえるでしょう。また、急激に体調が悪くなったのが深夜で、公共交通機関が動いていないといった場合も同様と考えられます。
とはいえ、対象になる交通費かどうかは、判断が難しい部分もあります。迷ったときは、自分の家の管轄の税務署に電話をしてみましょう。「還付申告をしたいが、医療費控除のことで相談がある」と伝えれば、詳しい担当者がどのように処理すればいいかを教えてくれます。後から不安になったりと、「ここがおかしい」と言われたりすることがないよう、疑問はしっかり解消してから申告することが大切です。
交通費の領収書はなくてもいい!
タクシーや新幹線は領収書をもらうことができますが、通常の電車やバスを利用したときは、領収書をもらえない場合や、もらうのが大変な場合も多くあります。このような場合は、領収書がなくても、交通費を医療費控除の対象に含めることができます。交通費の金額とともに、「誰が」「いつ」「どこの病院へ」行ったのかがわかるようにしておきましょう。
医療費控除の一覧は、国税庁の確定申告書作成コーナーの「医療費集計フォーム」で作ることができます。Excelなどの表計算ソフトがないと使えないという難点がありますが、フォームを使うと医療費控除の申告が簡単に済ませられるので、ぜひ活用してください。
医療費集計フォームには、治療を受けた人、病院名、治療区分を入力します。治療区分とは、診察代なのか、薬局等で購入した薬代なのか、介護保険サービスなのか、その他なのか、という区分のことです。
交通費は「その他」に該当します。
なお、医療費集計フォームは日付別になっていないため、同じ人が同じ病院に何度もかかった場合、診察代をまとめて記載できます。交通費も同様になっていますが、内訳を質問されたときは答えられるようにしておかなければなりません。別の用紙に、いつ、どこの病院に行くために、いくら交通費がかかったのかをまとめておきましょう。
医療費控除が認められると、前述の通り、所得税が還付され、還付金が銀行口座に振り込まれます。還付金を受け取る口座としてはネットバンクが便利です。
また楽天銀行では、還付金が入金されると「取引通知メール」が届きます。入金されたことがすぐにわかりますから、「まだかな?」と何度も確認する必要がなくなります。還付金を受け取る指定口座には、このようなサービスのある銀行を指定するのがおすすめです。
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。