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所得税とは。難しいこと抜きでわかりやすい解説と計算法
消費税と並んで身近な税となっている所得税。税収に占める割合も高くなっています。ここでは課税対象となる所得の分類や、非課税になる所得の存在、確定申告で必要となる計算方法などを簡単に説明しています。
所得税とは
税金は大きく分類すると、所得にかかるもの、消費にかかるもの、そして資産にかかるものがあり、所得にかかる税はさらに個人にかかるものと、法人にかかるものとに分けられます。所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。
日本の場合、これらの税収の占める割合がどのようになっているかご存じでしょうか。財務省が公表している、税収に関する資料のなかに「所得・消費・資産等の税収構成比の推移(国税+地方税)」というデータがあります。これを見ると、令和元年度の税収に占める割合がもっとも高いのが消費課税(33.4%)。そして2番目に多いのが個人所得課税で、31.3%です。以下、法人所得課税(21.7%)、資産課税等(13.6%)とつづきます。
所得税を徴収する仕組みには、2つの種類があります。ひとつが源泉徴収方式で、もうひとつが申告納税方式です。源泉徴収方式は、給与や報酬などを支払うものが、それを支払う際に税金分を差し引いて納税する方式。給料やボーナス、退職金、公的年金・個人年金保険、利子・配当、証券会社などの特定口座(源泉徴収口座)における上場株式譲渡など、さまざまな報酬の支払いに適用されます。
申告納税方式では、確定申告の手続きをしてから納税します。課税期間をその年の1月1日から12月31日までとして、その間の収入や支出などから所得を計算し、まず税務署に提出。納めるべき所得税の金額を確定します。所得税の確定申告をおこなう期間は、課税年の翌年の2月16日から3月15日までです。
どこからどこまでが所得税の範囲?
所得税は、すべての所得にかかるというわけではありません。課税される所得と、非課税になる所得とがあります。まずは、課税される所得の分類について見てみましょう。
所得はその性質によって、10種類に分けることができます。まず会社に勤めていると関係してくるのが、(1)給与所得と(2)退職所得です。毎月の給料や、退職する際の一時金などが該当します。株や預貯金を保有していることで得られるのは、(3)利子所得や(4)配当所得。株や不動産を売却して利益が出ると、それは(5)譲渡所得と呼びます。FXや先物取引による利益は、(6)雑所得に分類されます。不動産を貸し付けることで得るお金は、(7)不動産所得です。
そのほか、農業や製造業、サービス業など事業から得るものは(8)事業所得、山林を伐採したり譲渡したりして得たお金は、(9)山林所得となり、生命保険の満期一時金や確定拠出年金の脱退一時金など、臨時的で偶発的な収入は(10)一時所得と呼ばれるものに該当します。それぞれの所得について、必要経費の範囲など計算方法が法律で定められているので、申告する際には確認が必要です。
非課税となる所得
それでは所得税がかからない所得についても、いくつかピックアップしてみたいと思います。まず宝くじの当せん金には税金がかかるかどうか気になる方が多いと思いますが、宝くじやサッカーくじの当せん金は非課税です。身近なところでは、給与所得者が受け取っている通勤手当の一部には税金がかかっていません。
公的な制度を見ると、障害年金や遺族年金は非課税。また健康保険や国民健康保険、共済組合などからの保険給付も税金がかからない所得となっています。損害保険金や損害賠償を受け取ったときも非課税です。そのほか児童手当や生活保護で支給されるお金なども、非課税の所得となっています。
最近では、フリマアプリでの収入がある人も多いでしょう。これには課税される場合と非課税の場合とがあります。原則としては所得税がかかり、金額によっては確定申告が必要です。ただし「生活用動産」といって、自宅で使用している衣類や家具などを売った場合は、非課税所得に分類されます。
所得税の計算方法
最後に所得税の計算方法を、シンプルに順を追って確認しておきましょう。
(1)まず「収入金額」から、必要経費や給与所得控除などを差し引いて「所得金額」を計算します。
(2)次に「所得金額」から、「所得控除額」を引くと「課税所得金額」となります。「所得控除額」とは、基礎控除や扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除などのことです。
(3)そして「課税所得金額」に所得税の税率を掛けたものが、「所得税額」となります。税率は超過累進税率となっていて、課税所得が高くなるにつれて上がっていきます。
ここまでで所得税は計算できていますが、実際に納税する額を把握するためにはもう少し考慮すべき要素があり、確認が必要です。
(4)「所得税額」からは住宅ローン控除や配当控除など、税額控除できる分があれば差し引きます。
(5)確定申告する前に源泉徴収された分があれば、ここからさらに引くことができます。これで「申告納税額」までが計算できました。この金額を納税することになります。もしこの数字がマイナスであれば、銀行の口座などへ還付を受けることができます。
消費税と並んで身近な存在となっている所得税。税収に占める割合も高くなっています。正しく計算して納税することが大切です。自分で計算できれば、払い過ぎのチェックや節税の可能性を探るなど、より積極的な税とのかかわり方も可能となるでしょう。
なお2020年以後の所得税を計算する際には、基礎控除や給与所得控除などの数字が改正されるので注意が必要です。制度変更のニュースに関心を持つことも、マネ活のひとつと言えるでしょう。
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参考サイト
・財務省|所得・消費・資産等の税収構成比の推移(国税+地方税)2020.2.13
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a03.htm#a03
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。