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年末調整書類の書き方をわかりやすく解説!扶養控除や転職時の申告方法も
年末調整書類は複雑で、書き方がわかりにくいものです。そもそも、一体なんのために提出するのかもわからないという人もいるかもしれません。そこで、年末調整書類の意味と書き方を簡単にまとめました。
- 年末調整とは
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方
- 給与所得者の保険料控除申告書の書き方
- 給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の書き方
- 転職をした場合の申告方法
- 控除額の計算方法
年末調整とは
年末調整は、会社に勤めている人のその年の所得税と翌年の住民税を決めるために行うものです。毎月引かれていた源泉所得税の合計額に過不足があれば、その額を還付または徴収することで調整がなされます。年末調整時に、控除対象となる支出や情報を正しく申告すれば、税金を減らすことにつながります。申告を面倒だと思わず、節税のための仕事だと考えて取り組みましょう。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方
扶養控除等(異動)申告書は、給与所得者の扶養や本人の状況について申告するものです。
記入するのは、源泉控除対象配偶者(所得85万円以下の配偶者で、本人の年収900万円以下の場合のみ)、生計を一にする両親や義両親、子ども、同居している兄弟姉妹等です。定期的に仕送りをして生計を支えている別居の両親などがいる場合、年収によっては扶養親族として申告できることもあります。
また、障害者(本人・扶養家族)や勤労学生(本人)、寡婦・寡夫・特別の寡婦(離婚して子どもがいる人、配偶者と死別した人など)などもこの用紙で申告します。
注意する点は、同居している親は「同居老親等」に、その年の年末時点で19歳以上23歳未満の子どもは「特定扶養親族」にチェックを入れるということです。
また、16歳未満の子どもは扶養の欄ではなく、一番下の「住民税に関する事項」欄に記入してください。
国税庁|給与所得者の扶養控除等(異動)申告書サンプル:
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h31_01.pdf
給与所得者の保険料控除申告書の書き方
生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除の4つの枠から構成されています。
・生命保険料控除
秋ごろに生命保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を見ながら記入し、証明書を添付します。なお、「生命保険料のお知らせ」は証明書とは別のものです。項目が細かくわかれていますが、すべて証明書に書かれている内容を転記するのみですから、確認しながら進めましょう。記入を終えたら、計算式に当てはめ結果を記入します。
・地震保険料控除
秋期に「地震保険料控除証明書」が発送されるので、そちらを見ながら記入しましょう。生命保険料控除と同様に、式に当てはめて控除額を計算します。なお、火災保険は保険料控除の対象外です。
・社会保険料控除
会社で天引きされている厚生年金や健康保険を書く必要はありません。家族の年金を支払った場合などに記入します。年金を支払った場合は、国民年金保険料控除証明書が送られてくるので添付しましょう。前納している場合はかなり早いタイミングで届くこともあるので、無くさないようにしてください。国民健康保険料については、添付の必要はありません。
・小規模企業共済等掛金控除
iDeCoなどについて記入します。こちらも証明書が自宅に届くため、そちらを見ながら書きましょう。提出時には証明書を添付します。
給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方
本人の年収が1,000万円以下で配偶者の所得が123万円以下の場合、配偶者控除もしくは配偶者特別控除が受けられます。
用紙を埋めていくことで、対象になるかどうか、また、控除金額がどれほどになるかがわかるようになっているので、ひとつひとつ書き込んでください。
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の書き方
この申告用紙は、会社で配布されるものではありません。対象の住宅ローンを組んだ初年度に確定申告をすることで、税務署から該当年度分がまとめて送られてきます。なくしてしまった場合は、税務署に早めに連絡して再発行してもらいましょう。
住宅借入金等特別控除申告書に書くべきことは、用紙の下部の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」欄と、年末近くに銀行から発送される「年末残高証明書」に記載されています。
住宅借入金等特別控除の対象になるのは、住宅の借入金を含む場合のみです。そのため、記入するのは「A欄(住宅)のみ」か「A欄(住宅)とB欄(土地)」または「C欄のみ(住宅と土地をまとめて購入していて金額を分けられない場合)」となります。どこに記入するのかは、用紙下部を参照しましょう。
また、借り換えをした場合や、住宅の一部を店舗として利用している場合などは計算方法が難しくなり、必要な用紙を別途用意しなければならない可能性があります。会社の年末調整担当者に一度問い合わせをしておくとスムーズです。
この申告をするためには、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書と年末残高証明書の2通を添付する必要があります。どちらが欠けても申告はできません。
転職をした場合の申告方法
その年のうちに転職をした人は、前職分の収入も合わせて年末調整をすることができます。自分で確定申告をするのは面倒ですから、合わせて計算してもらいましょう。年内に転職をした場合、前職の源泉徴収票が送られてきますから、それを会社に提出すれば申告は完了です。特に用紙を記入する必要は通常ありません。年内に複数回転職している場合は、すべての会社の源泉徴収票を提出します。前職の源泉徴収票がなかなか送られてこないというときは、前の会社に連絡をして早急に送ってもらいましょう。
控除額の計算方法
実際の控除額は、これらすべての書類の内容をチェックし、そこから求められる所得控除の額を所得額から引いて求めます。転職している場合は、前職の年収や社会保険料も合わせて計算します。
ただし、住宅借入金等特別控除だけは、所得額から引くのではなく、税額から直接控除する税額控除です。そのため、年末調整の項目の中でも、特に節税効果の高い控除となっています。
詳しくは楽天銀行の住宅ローン公式ページから確認できます。変動金利と固定金利の違いや住宅ローンシミュレーション機能が使えるなどの特徴についてもチェックしておいたほうが良いでしょう。
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。