配偶者控除と配偶者特別控除。その違いと2018年の改変内容

リリース日:2019/08/16 更新日:2019/08/16

2018年から、配偶者控除や配偶者特別控除の要件が変わったのをご存知でしょうか? 節税につながる控除ですが、自分で申告しないと受けることができません。どのような人が対象なのかチェックしておきましょう。

配偶者控除と配偶者特別控除。その違いと2018年の改変内容
  1. そもそも「配偶者」に該当するのはどんな人?
  2. 配偶者がいると受けられる控除とは
  3. 配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは
  4. 103万円の壁、150万円の壁、201万円の壁とは
  5. 2018年の改変によって得する人と損する人とは

そもそも「配偶者」に該当するのはどんな人?

そもそも「配偶者」に該当するのはどんな人?

配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる「配偶者」というのは、法的に婚姻関係にある人のことです。男性がパートナーの女性を「配偶者」として控除申告することもできますし、反対に女性が申告することもできます。ただし、どちらか一方しか「配偶者控除」を申告することはできません。

 

会社員の夫→所得が一定以下の妻…OK(会社員でも可)
会社員の妻→所得が一定以下の夫…OK(会社員でも可)
会社員の夫⇔会社員の妻…NG(双方申告は不可)
彼→彼女 または 彼女→彼…NG(事実婚や内縁、同棲、恋人同士は不可)

 

まとめると、上記のようになります。

 

なお、ここでは年末調整を例にとっているため「会社員」としていますが、配偶者控除や配偶者特別控除は、自営業や経営者の人でも利用することができます。その場合は、確定申告のときに申告しましょう。

配偶者がいると受けられる控除とは

残念ながら、「配偶者がいる」という事実だけで所得税や住民税の控除を受けることはできません。控除が受けられるのは、「所得が一定の範囲以下の配偶者がいる」場合だけです。

 

このときの所得とは、「控除を受ける年の所得」です。たとえば、配偶者が育休中で一時的に所得金額が低いという場合でも、配偶者控除や配偶者特別控除の要件に収まる所得金額であれば、控除を受けることができます。

 

同様に、年の途中で就職した場合も、その年の所得額が一定以下であれば配偶者控除を受けられます。具体的な金額については、次の項目で見てみましょう。

配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは

配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは

配偶者控除と配偶者特別控除は、「配偶者の所得の額」によって区別されます。具体的な金額は下記の通りです。

 

配偶者控除

【配偶者控除を受ける条件】

・配偶者の所得が38万円以下(給与所得だけの場合、年収103万円以下)
・本人(控除を受ける人)の所得が1,000万円以下(給与所得だけの場合、年収1,220万円以下)

 

【配偶者控除の額】

・13万円~48万円の所得控除(本人の所得額と配偶者の年齢によって控除額が決まる。70歳以上の場合、老人控除対象配偶者となり、控除金額がアップする)

 

配偶者特別控除

【配偶者特別控除を受ける条件】

・配偶者の所得が38万円を超えていて、123万円以下(給与所得だけの場合、年収201万5,999円以下)
・本人(控除を受ける人)の所得が1,000万円以下(給与所得だけの場合、年収1,220万円以下)

 

【配偶者特別控除の額】

・1万円~38万円の所得控除(本人の所得額と配偶者の所得額によって控除額が決まる)

103万円の壁、150万円の壁、201万円の壁とは

103万円の壁、150万円の壁、201万円の壁とは

配偶者控除や配偶者特別控除は、配偶者の所得金額と本人の所得金額によって受けられる控除額が変わります。

 

・本人の所得金額

本人の所得金額が1,000万円を超えた場合、配偶者の所得額にかかわらず、どちらの控除も利用することができません。所得金額1,000万円というのは、給与所得だけの場合の年収に換算すると、1,220万円です。

 

また、所得900万円(年収1,120万円)、950万円(年収1,170万円)のふたつのラインを境に控除額が減少します。

 

・配偶者の所得金額

配偶者控除の対象となるのは、配偶者の所得金額が38万円以下の場合です。38万円を超えると配偶者特別控除の対象になります。所得金額38万円は給与所得の年収にすると103万円にあたるため、「103万円の壁」とも呼ばれています。

 

ただし、配偶者の所得が38万円を超えても、所得85万円(給与収入のみの場合年収150万円)までの配偶者特別控除額は配偶者控除の額と同一です。実際には「103万円の壁」は存在していないとも言えます。むしろ、意識すべきは「150万円の壁」でしょう。

 

配偶者の年収が150万円を超えると、控除が適用されなくなるわけではありませんが、控除額が段階的に減っていきます。最終的に、123万円(給与所得のみの場合年収201万5,999円)を超えると配偶者特別控除の対象外となります。これが「201万円の壁」です。

 

具体的な控除額の一覧は下記の通りです。

配偶者控除

配偶者特別控除

2018年の改変によって得する人と損する人とは

2018年の改変によって得する人と損する人とは

2018年に配偶者控除と配偶者特別控除の要件が変わったことで、損をする人と得をする人が出てきます。

 

・損をする人=高年収で配偶者が働いていなかった人

たとえば、年収1,200万円で配偶者が専業主婦をしていた会社員の場合、これまでは38万円の控除を受けられていましたが、2018年からは26万円に控除額が減額されました。さらに、本人の年収が1,220万円を超えている場合は一切控除が受けられないため、所得税や住民税の金額がアップすると予想されます。(実際の税額はその年ごとの年収やその他の控除によって変わるため、必ず上がるとは限りません)。

 

・得をする人=本人の年収が1,220万円以下(給与所得者の場合)で、配偶者の年収が141万円超~201万円以下(給与所得者の場合)の人

2017年までは、配偶者の年収が141万円以下でないと配偶者特別控除の対象になりませんでしたが、2018年からは対象が拡大されて201万円までになりました。そのため、この条件に当てはまる人は新たに配偶者特別控除の対象になっています。忘れずに申告をしましょう!

平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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