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国民年金基金とは?厚生年金と比較しながら詳しく解説
国民年金基金とは、老後に備えた公的な所得保障のひとつです。自営業者など国民年金の第1号被保険者が加入でき、厚生年金に入っている会社員(第2号被保険者)や、その扶養に入っている配偶者(第3号被保険者)には加入資格がありません。また、第1号被保険者であっても加入は任意です。厚生年金と比べてどんな違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
もくじ
・国民年金基金とは?
・加入資格をチェック
・掛金と支給額はいくら?
・節税効果もある
・厚生年金との比較
・国民年金第1号被保険者の人は検討してみては?
国民年金基金とは?
国民年金基金は、国民年金の上乗せ年金として、自由業者などの第1号被保険者が任意で加入する公的な所得保障です。
サラリーマンは国民年金に加えて、会社の厚生年金に入ります。いわゆる「二階建て」というもので、将来的に国民年金の老齢基礎年金と、厚生年金の老齢厚生年金の両方を受け取れるという仕組みです。
一方、自営業者は厚生年金がないため、長らく国民年金の老齢基礎年金しか受け取れませんでした。このサラリーマンとの年金額の差を解消することを目的に、平成3年に創設されたのが国民年金基金制度です。これよって自営業者も厚生年金に加入しているサラリーマンと同様の二階建てになったと言えます。ただし、厚生年金と違って国民年金基金への加入は任意のため、将来の年金受給額を増やしたい第1号被保険者のみが加入します。
国民年金基金には、地域型と職能型の2通りがあります。地域型基金は47都道府県にあり、その都道府県に住む第1号被保険者であれば誰でも加入が可能です。
職能型基金は、特定の職種に従事する第1号被保険者が加入します。歯科医師国民年金基金、日本税理士国民年金基金、漁業者国民年金基金、鍼灸マッサージ師等国民年金基金など、25の職種に分かれているのが特徴です。
加入資格をチェック
国民年金基金に加入できるのは、日本国内に居住する20歳以上60歳未満の第1号被保険者と、60歳以上65歳未満および海外に居住する国民年金に任意加入している人です。今はサラリーマンだから関係ないという人も、将来的に入る可能性はあります。ただし、国民年金保険料を免除されている人や、農業者年金の被保険者は加入できません。
国民年金基金は国民年金の本体に乗っている制度のため、国民年金の第1号被保険者でなくなったら加入資格を喪失します。就職してサラリーマンになった場合や、結婚してサラリーマンの扶養に入った場合は、国民年金基金を脱退しなければなりません。
地域型基金は他の都道府県に転居したときに、職能型基金は他の職業に転職したときに、加入資格がなくなります。ただし、引き続き第1号被保険者であれば、3ヶ月以内に手続きすることによって、同じ掛金で住所地の地域型基金に加入することが可能です。
掛金と支給額はいくら?
国民年金基金の掛金は、給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって決定します。人によって異なるため、公式サイトのシミュレーションで調べてみるとよいでしょう。将来の受給額も自分で決められます。
加入一口目は、終身年金のA型かB型のいずれかを選ぶ必要があります。A型は「15年保証期間付」の65歳~終身で、B型は「保証期間なし」の65歳~終身です。
ちなみに、34歳1ヶ月~35歳0ヶ月の女性が1口加入した場合、A型は月額1万4,850円、B型は月額1万4,200円の掛金で、将来の年金支給額を月2万円増やすことができます。
掛金の納付は口座振替によって行われます。4月から翌年3月までの掛金を前納すると、掛金が割引されるため、よりお得に活用したい人は前納がオススメです。
節税効果もある
生命保険会社の個人年金は年額4万円しか控除の対象にならないのに対し、国民年金基金の掛金は全額社会保険料控除の対象になります。
たとえば課税所得300万円の人が、国民年金基金に年額30万円支払っていたとします。この場合、所得税10%、住民税10%が軽減されるため6万円お得です。
たくさん控除を受けたいという人は口数を増やして掛金を増やすことができますが、掛金の上限は月額6万8,000円と決まっています。また、iDeCoに加入している場合はその掛金と合わせて6万8,000円となるため注意しましょう。
厚生年金との比較
厚生年金は保険料負担が半額
厚生年金最大のメリットは、保険料の半額を事業主が負担してくれるところです。これだけ聞くとサラリーマンが圧倒的に得をしているように感じますが、本来給与として支払われるべきものを厚生年金の支払いに回しているという考え方もできるかもしれません。
国民年金基金は掛金を決められる
厚生年金は給与に応じて自動的に月々の掛金が決まりますが、国民年金基金は自分で口数を増減させて掛金を決められるのが特徴です。
国民年金基金は支給金額がわかる
国民年金基金は将来もらえる金額が加入時点で確定しています。厚生年金は国民年金と同じくマクロ経済スライドの対象のため、将来の支給額が確定しません。将来の経済状況はわからないため、一概にどちらが得とは言えないでしょう。
国民年金第1号被保険者の人は検討してみては?
テレビCMでしばしば見かける国民年金基金ですが、第1号被保険者以外にはあまり縁がないでしょう。「フリーランスだけど国民年金基金には入っていない」という人は、掛金を自分で運用して積み立てる年金iDeCoと併用して、老後資金を備えつつ節税するのも選択肢のひとつです。
現在は第2号被保険者や第3号被保険者という人も、将来フリーランスになって第1号被保険者になる可能性があります。そのときは国民年金基金への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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