住宅ローン減税(控除)はどういう仕組み?損しないための方法とは

リリース日:2018/11/15 更新日:2024/10/08

「住宅ローンを借りると税金が安くなる」ということをご存知でしょうか?最高でなんと「500万円」もの減税が受けられるため、利用しない手はありません。住宅ローン減税の仕組みと、簡単な利用方法についてご説明します。

住宅ローン減税(控除)はどういう仕組み?損しないための方法とは

もくじ

・住宅ローンが控除される「住宅ローン減税」はどういう制度?

・新築を買う場合の住宅ローン減税

・リフォームをする場合の住宅ローン減税

・5ステップで完了!住宅ローン減税の手続き

住宅ローンが控除される「住宅ローン減税」はどういう制度?

住宅ローンが控除される「住宅ローン減税」はどういう制度?

「住宅ローン減税」あるいは「住宅ローン控除」は通称となり、正しくは「住宅借入金等特別控除」と言います。一定の条件を満たす住宅を購入したり、リフォームをしたりしたときに組んだ住宅ローンの年末の残高に応じて、その年の所得税が控除されるという制度です。控除限度額や割合は年によって異なり、平成33年までは下記の通りになっています。

 

・平成26年4月1日~平成33年12月31日の間に新しく住み始めた住宅の年末の住宅ローン残高の1%を10年間控除する(控除対象となる住宅ローンの年末残高は最高4,000万円まで)

・ただし、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅に該当する住宅の場合、控除対象となる住宅ローンの年末残高は最高5,000万円まで

 

つまり、ローン残高5,000万円×1%=50万円が10年間で、最大500万円の控除が受けられるということです。ただし、住宅ローン減税が利用できるのは、控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下の人に限られます。

 

税金の控除には、「税額控除」と「所得控除」の2種類があります。「税額控除」は、算出された税金を直接控除する方法で、「所得控除」は税金を算出する根拠となる所得額からの控除を行う方法です。減税メリットは、直接税金が差し引かれる「税額控除」の方が大きく、住宅ローン減税は「税額控除」となっています。利用するかしないかで毎年の税額が大きく変わるため、損をすることがないように概要を知っておきましょう。なお、所得税から控除しきれなかった分は、一定の範囲内で住民税から控除されます。

新築を買う場合の住宅ローン減税

新築を買う場合の住宅ローン減税

新築住宅を購入した方のうち、住宅ローン減税の対象となるのは次の条件を満たす場合です。

 

・床面積が50平方メートル以上あり、その2分の1以上を自分が住むスペースとして利用していること

・契約時の住宅ローンの返済期間が10年以上であること

・親や知人からの借り入れ金ではなく、金融機関もしくは勤務先(利息が0.2%以上であることが条件)からの借り入れであること

・新築、あるいは購入した日から6ヶ月以内に住み始め、年末時点で引き続き控除を受ける本人が該当物件に住んでいること(すでに亡くなっている場合は、亡くなった日まで住んでいたこと)

 

「自分自身が住むための住宅」を「金融機関で10年以上の住宅ローンを組んで購入」し、「今も引き続きそこに住み続けている」という条件は、おそらく多くの方に当てはまるのではないでしょうか。しかし、家の大部分を店舗として利用しているという方や、自分自身が住むために購入したがその後転勤になって今は住んでいないという方は注意が必要です。

 

住宅ローン減税の対象は、あくまで住宅として利用している部分のみ。家を居住以外の用途にも使用している場合は、居住部分の割合を求めたのち、住宅ローン減税の金額を按分(あんぶん)することになります。

 

転勤などで転居した場合も同様の考え方で、住んでいない期間は控除対象外です。ただし、控除期間内(10年以内)に再入居した場合は再び控除を受けることができます。住居の使い方に応じてルールがあるため、控除を受ける際はきちんと内容を確認しましょう。

リフォームをする場合の住宅ローン減税

リフォームをする場合の住宅ローン減税

リフォームをした場合も、下記の条件に当てはまれば住宅ローン減税を受けることができます。

 

・工事費用が100万円以上で、半額以上が自分自身の居住スペースについての工事にかかる費用であること

・契約時の住宅ローンの返済期間が10年以上であること

・親や知人からの借り入れ金ではなく、金融機関もしくは勤務先(利息が0.2%以上であることが条件)からの借り入れであること

・一定の要件を満たす大規模な工事やバリアフリー工事、省エネ工事などであること

・増改築した日から6ヶ月以内に住み始め、年末時点で引き続き控除を受ける本人が該当物件に住んでいること(すでに亡くなっている場合は、亡くなった日まで住んでいたこと)

5ステップで完了!住宅ローン減税の手続き

住宅ローン減税は受けるには、どのような手続きが必要なのでしょうか。平成30年3月3日に3,000万円で新築住宅を購入した会社員Aさんを例に、住宅ローン減税の適用条件と手続き方法について確認してみましょう。

 

  1. 10年以上の住宅ローンを組んで、自分が住むための住宅を購入

住宅ローンの名義人は、Aさん自身である必要があります。連帯債務者がいる場合は、それぞれの債務額に応じて住宅ローン減税の額が決定します。

 

  1. 住宅購入から半年以内に物件に入居

半年を過ぎると住宅ローン減税の適用外となってしまうため注意しましょう。

 

  1. 同年の12月31日まで継続して居住

途中で引っ越しをすると適用外となります。

 

  1. 住宅ローンに必要な「年末残高証明書」が銀行から届く

年末残高証明書が発行された後で繰り上げ返済を行った場合は、再度正しい金額が記載された証明書を発行してもらう必要があります。

 

  1. 確定申告を行う

住宅ローン減税を受ける初年度は、確定申告を行わなければいけません。これが終わると、翌年からは勤務先の会社で行う年末調整で、住宅ローン減税を受けられるようになります。

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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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