デイトレーダーになるには|取引や口座開設方法など、基礎知識を解説

リリース日:2022/07/20 更新日:2024/09/11

投資信託などによる長期的な資産形成を継続していると、さまざまな金融商品に関心を持つようになると思います。FXやCFD、株式の信用取引など、市場には利益を出すためのチャンスが広がっていることがわかります。そうなると始めてみたくなるのが、短期的な取引の「デイトレード」。1日単位で、市場での取引から収益を得ることを目指す投資手法です。ここではデイトレーダーとしてスタートするための基礎的な知識を紹介していきます。

  1. デイトレーダーとは
  2. デイトレードのメリット・デメリット
  3. デイトレーダーに向いている人
  4. デイトレーダーが知っておきたい5つの方法
  5. デイトレードの始め方

デイトレーダーとは

デイトレーダーとは

デイトレーダーとは、1日のうちに、買いや売りのポジションを取り、清算までを完結させるスタイルの投資家のことです。例えば午前中に、ある株式の銘柄を買ったとしましょう。デイトレーダーの場合、遅くとも同じ日の午後には売却して利益を確定します。これがデイトレードと呼ばれる取引です。もちろん、損失になっている可能性もあるでしょう。しかし損失が出ているからといって、翌日以降もそのポジションを保有し続けるのであれば、それはデイトレードとはいえません。

 

デイトレーダーが売買の対象とする金融商品はさまざまで、株式だけでなく、FX(外国為替証拠金取引)やCFD(差金決済取引)などが利用されています。株式の場合は、買いではなく売りから入ることもできる信用取引が、デイトレードに向いているといわれています。FXであれば平日は24時間取引が可能で、ドル円やユーロドルなどの通貨ペアで売買します。CFDはFXと似たような取引の形ですが、現物での受け渡しではなく、反対売買によって出た金額の差で決済をする方法です。日経225・米国ダウ30などの株価指数、金・原油などの商品、株式など幅広い資産を売買の対象とすることができます。

 

1日のうちに、買った金融商品を売却したり売った金融商品を買い戻したりするなど、取引を完結させてしまうデイトレードですが、現在ではインターネットの普及により誰もが始めやすい環境となりました。PCやスマートフォンを持っていれば、市場の情報を簡単に閲覧でき、売買取引の注文を出すこともできます。

 

また、1990年代後半から始まった「金融ビッグバン」と呼ばれる制度改革により、手数料の自由化などが行われ、取引コストが下がることでデイトレードがさらに現実的なものとなりました。専業のプロだけでなく、会社員や主婦でもデイトレードが可能な時代になったのです。

 

金融商品への投資というと、投資信託を積み立てて、長期的に保有するというイメージが強いかもしれません。一般的には一度購入した投資信託は、数年から数十年にわたって保有することになります。一方、デイトレーダーが行うのは短期的な投資なので、数十年というスパンでの値動きではなく数時間、時には数分という短い期間の値動きから利益を得ようとするのです。そのため、長期的な投資とはまた違ったメリット・デメリットが存在します。

デイトレードのメリット・デメリット

デイトレードのメリット・デメリット

 

・デイトレードのメリット
デイトレードの場合、同じ資金を繰り返し投資できるため資金効率がよいと考えられます。例えば100万円の資金がある場合、長期投資であれば一度投資信託などを購入すると、数年間は投資信託としてそのまま持ち続けます。一方、デイトレードだと、ある日売買に使った100万円は、当日のうちに清算するため次の日の売買にも使えます。

 

また、デイトレードは1日のうちに取引を完結させるため、夜眠っている間にポジションを持つことはありません。ポジションを保有している間は、市場の情報や値動きに集中することになるでしょう。そのため、眠っている間に暴落してしまう、といった心配をせずに済みます。

 

・デイトレードのデメリット
デイトレードのデメリットは、手数料の支払いが多くなることです。手数料が発生する場合、取引回数が多くなるほどそのコストが重荷となるでしょう。取引手数料が無料となっていることもありますが、例えばFXやCFDなどではスプレッドと呼ばれる売値と買値の差額がコストとなります。デイトレーダーの口座選びでは、取引手数料などのコストに注目することが必要となるでしょう。

 

もうひとつ知っておきたいのは、デイトレーダーとして継続的に利益を出し、成功している人はそれほど多くないということです。デメリットやリスクをきちんと理解し、始めることが大切でしょう。お金の管理としては、長期的な資産形成を続けながら、さらに余剰資金があれば少額で短期の取引にチャレンジするのがよいと思われます。デイトレーダーとして成功する素質があれば趣味から副業、専業へと展開していくかもしれません。




デイトレーダーに向いている人

デイトレーダーに向いている人

1日で完結する金融取引を毎日のように繰り返すデイトレーダーは、市場や経済への関心が高い人に向いていると思われます。値動きを左右するような情報は刻々とネット上に流れてくるので、こうした情報に目を通して、取引に活かしていく作業が苦にならない人に向いているでしょう。

 

短期的な取引においては、経済情報よりもチャートやテクニカル指標を重視する考え方もあります。金融商品の値動きや、それを数値的に分析した指標を根拠に取引をするということです。この場合でも、取引中はチャートや数字を見続けることになります。モニターを見ながら取引のチャンスを待つことが楽しいと感じる人もいれば、苦手と感じる人もいるでしょう。向き不向きの分かれ目になりそうです。

 

またどの投資にもいえることですが、デイトレードも毎回利益が出るというものではありません。損失を出すトレードが増えると、精神的な負担を感じることもあるでしょう。トータルでプラスになればよいとはいえ、損失の苦痛が大きいと長続きしない可能性もあります。損を出したとしても、前向きにトレードを繰り返せるような考え方が必要かもしれません。

デイトレーダーが知っておきたい5つの方法

デイトレーダーが知っておきたい5つの方法

(1)まずは買いや売りのタイミングを、チャートから判断する方法を知っておくとよいでしょう。例えば、長期の移動平均線を短期の移動平均線が下から上へクロスし抜ける「ゴールデン・クロス」と呼ばれる現象が起きた際は、買いのタイミングといわれています。逆に、長期の移動平均線を短期の移動平均線が上から下へクロスし抜ける現象は「デッド・クロス」と呼ばれ、こちらは売りのタイミングとなります。
※移動平均線:一定期間における終値の平均値を折れ線グラフで表したもの

 

(2)チャートを見るのに慣れたら、次に知っておきたいのが「テクニカル指標」です。トレンド、つまり値動きの方向性を知るための「ボリンジャーバンド」や、買われ過ぎ・売られ過ぎの状況を見極める「RSI」「ストキャスティックス」などがあります。いくつかのテクニカル指標を組み合わせることで、より市場の状況を読み取ることが可能となるでしょう。

 

(3)テクニカル指標と並んで市場の値動きを知るのに重要なのが、経済のファンダメンタルズといわれる金利などの経済指標です。外国為替市場や株式市場では、各国の金利動向が、お金の流れを左右する要素のひとつとなっています。各国の中央銀行が発表する政策金利などをチェックして、値動きを予測します。金利動向と関連の深い、GDPや雇用、物価に関する統計についても、発表されるタイミングなどに注意したいところです。

 

(4)経済のファンダメンタルズに注目するのであれば、その動向のヒントとなる要人の発言にも気を配るとよいでしょう。中央銀行のトップが講演を行うとなれば、どのような発言が出るかによって、株価や為替が大きく動く可能性があります。また個別株式の場合は、企業の決算や各種の発表をチェックしましょう。決算の内容や、その変化につながる新商品・サービスの発表、合併や買収などが値動きの材料となります。

 

(5)また実際のデイトレードでは、買った後・売った後、どの時点で利益確定や損切を実行するかも重要とされています。値動きが反転する可能性を信じて損失を拡大させてしまうと、取り返しがつかない状態になるかもしれません。利益や損失が一定の割合になるタイミングやテクニカル指標でのシグナルなどを参考に、ルールを決めておくことになるでしょう。

デイトレードの始め方

デイトレードの始め方

デイトレードを始めるには、まずは情報の収集として、デイトレーダーで成功している人のブログなどをチェックしてみるとよいでしょう。どれくらいの資金を投入しているのか、1日の利益はどれくらいになるのか、上手くいった場合年収はどれくらいになるのかなどがイメージできます。また、成功例だけでなくデイトレードでの失敗についても、前もって知っておきたいところです。さまざまな投資手法を公開しているサイトもあるので、まずは勉強することが大切です。

 

PCやスマートフォンなど、インターネットで取引できる環境の準備も必要です。デイトレードをオンラインで行うには、専用のアプリを使うこともあります。現在使っている機材のスペックで快適に動作するか確認しておきましょう。

 

あとは証券会社に口座を開設して入金することで、デイトレードをスタートできます。証券会社を選ぶ際には、株式の信用取引やFX、CFDなど希望する金融商品がそろっているかチェックしましょう。取引手数料やスプレッドなど、コストの安さも重要です。また、FXやCFDでは手持ちの資金の何倍もの取引ができるレバレッジの利いた取引が可能です。その分、リスクも大きいので、デイトレードに使うのは余裕資金のみとし、生活費や緊急用の貯金、資産形成のための資金などを確保したうえで始めるようにしましょう。

 

楽天証券では、長期的な資産形成に向いた投資信託だけでなく、デイトレードにぴったりの金融商品もラインナップしています。FXやCFD、株式の信用取引など、収益のチャンスが広がるかもしれません。

このテーマに関する気になるポイント!

  • デイトレーダーとは?

    1日のうちに、買いや売りのポジションを取ってから清算までを完結させるスタイルの投資家のことです。

  • デイトレードのメリット・デメリットは?

    資金効率がよく、持ち越しのリスクがないというメリットがありますが、取引回数が多く手数料などのコストが増えるというデメリットがあります。

  • デイトレーダーに向いている人とは?

    市場の値動きや情報に関心があり、損失を出しても前向きにトレードを続けられるタイプの人が向いているでしょう。

  • デイトレーダーが知っておきたいこととは?

    チャートの見方やテクニカル指標の活用方法、金利など経済指標に関する理解、利益・損失の確定方法などが必要な知識となります。

  • デイトレードの始め方は?

    PCやスマートフォンなどのインターネット環境を用意し、証券会社に口座を開設して入金すると、デイトレードを始められます。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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