マーケットキャップとは|どんなときに用いられる用語か詳しく解説!

リリース日:2022/04/21 更新日:2024/09/10

マーケットキャップは、「Market Capitalization」を略した言葉で、「時価総額」のことです。市場における企業の規模を示します。日本・世界の時価総額ランキングを紹介します。

  1. マーケットキャップとは
  2. そもそも時価総額とは?
  3. 日本の時価総額ランキング
  4. 世界の時価総額ランキング

マーケットキャップとは

マーケットキャップとは

株式投資の情報、特に海外株式について調べていると「Market Cap」という用語を目にすることがあります。マーケットキャップと読むのですが、これは「Market Capitalization」を略したもの。日本語では「時価総額」となります。マーケットキャップは株式の時価総額について使われるほか、REITや暗号資産などの時価総額に対しても使われることがあります。昨今では、海外資産に投資する機会も増えているため、株価が「price」、当期純利益が「net income」になるなど、英語ではどのような表現になるのか知っておくと役に立つでしょう。

そもそも時価総額とは?

そもそも時価総額とは?

それではマーケットキャップ、つまり時価総額の意味について詳しく見ていきましょう。時価総額は、上場企業の規模を把握する、または投資先を評価する際などに利用できる重要な指標のひとつで、「企業の株価×発行済み株式総数」で算出することができます。現在の株価で、ある企業が発行した株のすべてを購入するとした場合の金額となり、市場における当該企業全体の価値と言い換えることもできます。

 

企業の株価は投資情報としてよく見かけると思います。発行済み株式総数は、株価とともに企業情報として記載されていることがあるほか、各企業のサイトにある「投資家情報(IR)」のようなページでも調べることができます。

 

企業の規模は売上高や利益、従業員数などから判断することもできますが、投資対象となる企業の規模を比較したいときには、時価総額がひとつの指標となるでしょう。経済ニュースでは、「大型株」「小型株」といった言い方が出てきますが、これは時価総額について述べたもので、株価指数のTOPIXに関連してよく出てきます。一方、「値がさ株」という言葉も耳にすることがありますが、これは単に株価の値が大きいことを意味しており、主に日経平均株価の値動きを説明するときによく使われるようです。

 

それでは株式投資を行う際に企業規模の比較に利用できる「時価総額」の日本と世界における上位各6社を、ランキングで見ていきます。




日本の時価総額ランキング

日本の時価総額ランキング

まず2022年3月16日時点の日本における、時価総額ランキングを見ていきましょう。データの出典元は「時価総額上位:株式/株価ランキング - Yahoo!ファイナンス」です。

 

・第1位 トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車は、日本を代表する自動車メーカー。トヨタグループでの販売台数は、世界でもトップクラスです。売上高でみても、その規模は世界最大級。企業ブランド力ランキングにおいても、上位に入っています。近年はEV化や自動化、コネクテッドなどを推進し、モビリティカンパニーへの変革を進めています。

 

トヨタ自動車の時価総額は約32兆5,000億円です。

 

・第2位 ソニーグループ株式会社
ソニーグループは電機メーカーを中心としつつ、多くの業種を抱え、多国籍にまたがる形で展開する複合企業です。イメージセンサーと呼ばれる電子部品で高いシェアを持つほか、ゲームや音楽の分野でもよく知られています。お金に関しては、ソニー銀行・ソニー生命・ソニー損害保険など、金融事業がグループの一部となっています。海外でのブランド力が強い企業です。

 

ソニーグループの時価総額は約14兆9,000億円です。

 

・第3位 日本電信電話株式会社
日本電信電話は、NTTグループの持株会社であり、通信事業をメインとした企業グループです。固定電話やインターネット回線のNTT東日本とNTT西日本、携帯電話事業のNTTドコモなどがグループに含まれています。大規模な研究所を持ち、通信分野における技術標準化などの研究を進めています。ちなみに日本電信電話の最大の株主となっているのは財務大臣。日本政府が約3割を保有しています。

 

日本電信電話の時価総額は約12兆7,000億円です。

 

・第4位 株式会社キーエンス
キーエンスは、自動制御機器や計測機器などの、製造・販売を行う企業です。海外での売り上げが56%と高く、数多くの国で事業を展開しています。本社があるのは、大阪市東淀川区。キーエンスの持分法適用会社(関連会社)には、日本語入力システムATOKで知られる、ジャストシステムがあります。

 

キーエンスの時価総額は約12兆7,000億円です。3位とは僅差でした。

 

・第5位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJフィナンシャル・グループは、日本の金融持株会社です。2005年に、三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJホールディングス(UFJHD)が合併して誕生しました。資産の大きさでは、世界でもトップレベルの規模となっています。主な企業グループとしては、三菱UFJ信託銀行、auカブコム証券、三菱UFJニコスなど金融関連の企業が数多く含まれています。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額は約9兆8,000億円です。

 

・第6位 KDDI株式会社
KDDIは、日本の大手電気通信事業者です。発足したのは2000年。ケイディディ(KDD)、第二電電(DDI)、日本移動通信(IDO)が合併してできた企業です。携帯電話事業を手掛けていて、ブランドとしてはau、UQ mobile、povoなどを展開しています。マネー関連では、auじぶん銀行を三菱UFJ銀行と共同で設立しています。

 

KDDIの時価総額は約9兆2,000億円です。

世界の時価総額ランキング

世界の時価総額ランキング

2022年3月16日時点の世界における、時価総額ランキングを見ていきましょう。データの出典元は「Companies ranked by Market Cap - CompaniesMarketCap.com」です。

 

・第1位 Apple(アップル)
Apple(アップル)は米国の多国籍テクノロジー企業です。スマートフォンのiPhone、タブレットのiPad、パソコンのMacなどで知られていますが、このようなハードウェアだけでなく、App Storeでのデジタルコンテンツ販売や、iCloudなどクラウドサービスの提供も行っています。また、VRや自動運転車といった分野での展開も期待されています。2022年1月3日、米国株式市場における年初の取引で、一時初の時価総額3兆ドル越えを記録しました。

 

アップルの時価総額は約2兆6,000億ドル。この時点では3兆ドルを割っています。ドル円の為替レートは約118円(※2022年3月16日時点)なので、日本円に換算すると、約307兆円。日本の時価総額ランキング1位を誇るトヨタ自動車の約32兆5,000億円と比較すると、その規模の大きさがわかります。

 

・第2位 Saudi Aramco(サウジアラムコ)
Saudi Aramco(サウジアラムコ)は、サウジアラビア王国の国有石油会社で、主に石油・ガスの生産、販売などを行う企業です。保有する原油の埋蔵量・生産量・輸出量は世界最大規模となっております。サウジ証券取引所に上場したのは2019年12月。一時期、アップルを抜いて時価総額世界一となったこともあります。

 

サウジアラムコの時価総額は約2兆2,000億ドル。日本円に換算すると、約260兆円となります。

 

・第3位 Microsoft(マイクロソフト)
Microsoft(マイクロソフト)は米国に本社を置く、ソフトウェアの販売・開発を行う企業です。パソコン用OSのWindows、オフィス向けソフトウェアのMicrosoft Office、家庭用ゲーム機のXboxがよく知られています。2010年からは、クラウドサービスのAzureも提供を開始しています。

 

マイクロソフトの時価総額は約2兆1,800億ドル。日本円に換算すると、約257兆円となります。

 

・第4位 Alphabet(アルファベット)
Alphabet(アルファベット)は、Googleを含む多様な業種を抱える米国の多国籍企業です。Googleがこれまで行っていた事業を再編する形で、2015年に作られた企業です。保有する事業はテクノロジーや生命科学、研究など。グループの中でよく知られているGoogleは検索事業のほか、モバイル用OSのAndroidや動画プラットフォームのYouTubeなどを展開しています。

 

アルファベットの時価総額は約1兆7,600億ドル。日本円に換算すると、約208兆円となります。

 

・第5位 Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)
Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は、米国に本社を置く多国籍テクノロジー企業です。オンライン小売を始めとして、クラウド、デジタルストリーミング・サービスなどの提供を行っています。1995年にオンライン書店サービスを開始して以来、急速に成長しました。世界の時価総額ランキングではここまでに、アップル・マイクロソフト・アルファベット(Google)・Amazon.comが登場していますが、これにMeta(Facebook)を加えた5社が、IT企業におけるGAFAM(ガファム)やビッグファイブと呼ばれています。

 

アマゾン・ドット・コムの時価総額は約1兆5,380億ドル。日本円に換算すると、約181兆円となります。

 

・第6位 Tesla(テスラ)
Tesla(テスラ)は米国の電気自動車メーカーで、主な事業内容は、電気自動車および関連製品の開発・製造・販売、クリーンエネルギー事業などとなっています。CEOのイーロン・マスク氏は、SNSでの発言で注目を集めることが多く、暗号資産ビットコインの価格変動に影響を与えていると言われています。

 

テスラの時価総額は約8,600億ドル。日本円に換算すると、約101兆円となっています。

株式投資では、どのように投資先の企業を選ぶかが重要です。初めは株価に注目するかもしれませんが、それだけで判断するのは難しいでしょう。そこでさまざまな数字を見ることになるのですが、時価総額もそのひとつです。企業全体の価値や規模を見て、比較することが可能になり、時価総額の大きな企業を選択したり、逆にまだ規模の小さい企業に投資してみよう、などと判断したりできるようになるのです。時価総額に着目した株式投資を、楽天証券で始めてみてはいかがでしょうか。

このテーマに関する気になるポイント!

  • マーケットキャップとは?

    「Market Capitalization」を略した言葉で、日本語の「時価総額」にあたります。

  • そもそも時価総額とは?

    「企業の株価×発行済み株式総数」で算出される数字で、株式市場における企業の価値や規模を表します。

  • 日本の時価総額ランキングは?

    2022年3月16日時点の時価総額は大きい順に、トヨタ自動車、ソニーグループ、日本電信電話、キーエンス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、KDDIです。

  • 世界の時価総額ランキングは?

    2022年3月16日時点の時価総額は大きい順に、Apple、Saudi Aramco、Microsoft、Alphabet、Amazon.com、Tesla です。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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