IPO(新規公開株)とは?上場前の値上がりしやすい株式を買う方法や注意点をわかりやすく解説

リリース日:2021/05/19 更新日:2024/08/28

IPOとは、新たに未上場会社の株が証券取引所に上場することで、一般的な投資家も株主になれるようになります。新規公開株は上場後に大きく値上がりすることもあり、多くの投資家に人気があり、購入は抽選となることもあります。ここでは、IPOを購入するまでの流れやIPO投資の特徴、注意点などについて解説します。

  1. IPO(新規公開株)とは
  2. IPO(新規公開株)への投資は儲かる?
  3. IPOを購入するまでの流れ
  4. IPOを購入するときにチェックしたいポイント
  5. IPO投資の特徴
  6. IPO投資の注意点
  7. 企業がIPOを利用する効果は?
  8. オーバーアロットメントとは
  9. オーバーアロットメントの特徴と注意点

IPO(新規公開株)とは

IPO(新規公開株)とは

IPOとは、「Initial(初期) Public(公開) Offering(募集)」の頭文字を取った言葉で、新たに株を証券取引所に上場することで、株式は一般の投資家にも売り出されます

 

株式会社には、上場している企業と上場していない企業があります。証券取引所に上場している企業は、株式市場で投資家が株を買ってくれることにより資金調達をすることが可能です。上場すると新聞や「会社四季報」などにも掲載されるようにため、会社の知名度が上がります。また上場をするには証券取引所による審査もあるため、社会的信用も高まるのも、上場する利点のひとつでしょう。

IPOを購入するためには証券会社で申し込みをし、人気の株の場合は購入抽選に当たったり、証券会社から配分されたりしないと買えないこともあります。

IPO(新規公開株)への投資は儲かる?

IPO(新規公開株)への投資は儲かる?

IPOで株が売り出される価格を「公募価格」といいますが、公募価格よりも市場での初値が高くなることもあります。

しかし、IPO株のすべてが市場で高く売れるわけではありません。2023年にIPOの募集が行われた会社の数は96社でした。このうち上場後に初値が公募価格を上回ったのは67社でした。このことから、2023年にIPO投資で利益が出せた銘柄は69.8%ということがわかります。




IPOを購入するまでの流れ

IPOを購入するまでの流れ

IPOを購入する方法をご説明します。

IPOのスケジュールを確認する

近年のIPOは年間90社前後になっています。上場する時期も異なるため、つねにIPOの募集があるわけではありません。こまめに情報をチェックしておく必要があります。

証券会社に口座を開設する

IPOに申し込むには、証券会社に口座がないと申し込めません。また、IPOによって取り扱いのある証券会社が異なります。IPOを取り扱う会社は、幹事証券会社といいます。幹事証券会社のなかでも主幹事証券会社はほかの証券会社に比べて割り当てられるIPOの数が圧倒的に多いため、IPOは主幹事証券会社で申し込むほうが配分される可能性が高いです。主幹事証券会社になれる証券会社は限られているので、取り扱い実績の多い証券会社にあらかじめ口座を開設しておくと良いでしょう。

ブックビルディングに申し込む

IPOを購入したい場合、ブックビルディングに申し込む必要があります。ブックビルディングとは証券会社が投資家の需要状況によって株の公募価格を決定する方式です。楽天証券の場合、ブックビルディングで申し込める株数は参加時点の預かり資産の範囲内です。また、IPOには申込上限株数が決まっており、その上限を超えて申し込むことはできません。

購入申込をする

ブックビルディングによって公募価格が決定し、その後の株の配分があればIPOが購入できます。購入を申し込むタイミングは証券会社によって異なり、抽選前に購入を申し込む会社もあれば、抽選を行った後に購入を申し込む会社もあります。ここで購入申込を忘れるとIPO株を購入できなくなってしまうため、注意しましょう。

詳しくは楽天証券でも解説しています。

IPOを購入するときにチェックしたいポイント

IPOを購入するときにチェックしたいポイント

IPOを購入する前に確認すべきポイントを押さえておきましょう。

利益が出る見込みのあるIPOか?

IPOは必ず利益が出るわけではありません。できれば公募割れを起こしそうな銘柄は避け、大きな利益が得られる銘柄に投資したいでしょう。悩んだときはIPO予想サイトの意見を参考にし、情報収集をすることもひとつの方法です。しかし、市場の値動きは上場時の状況によっても異なる場合があり、上場前にプラスになるかマイナスになるかを確実に知る方法はありません。

IPOの抽選方法は?

IPOは証券会社によって配分方法が異なります。抽選の場合、主には申込口数単位での抽選か、申込者単位での抽選かの二種類です。前者の場合は多く申し込んだほうが有利になりますが、資金の少ない投資家には不利になります。申込者単位のほうが平等ではありますが、こちらは大勢が申し込むことで当選しづらくなるという側面もあります。

いつまでにお金を用意すれば良いの?

IPOに申し込みをする時点で購入資金を拘束する証券会社もあれば、抽選に当たって初めて資金が拘束される証券会社もあります。申し込んだ証券会社の資金拘束時期を事前に確認し、IPOの購入に必要な資金が不足することがないよう、あらかじめ口座に入れておきましょう。

IPO投資の特徴

IPO投資の特徴

IPO投資の特徴をいくつか紹介します。

購入時の手数料がかからない

通常、株式を購入するときは基本的に証券会社に取引手数料を支払う必要がありますが、IPO投資の場合、株式購入時の手数料がかかりません。ただし、売却には手数料が発生します。

成長が見込める企業に投資できる

新規上場できる企業は、主幹事証券会社の審査を経て基準を超えた企業のみです。審査では、「継続して成長する見込みがあるか」「社内管理体制が整っているか」といったことが見られるため、高成長が期待できる企業が集まっています。IPO投資では、そのような企業に投資できるため、大きな利益が出せることもあるでしょう。

IPO投資の注意点

IPO投資の注意点

IPO投資を始めるときの注意点を紹介します。

配分されなければ購入できない

IPO投資の注意点のひとつは「配分されなければ買えない」ことです。IPO株を買いたい投資家は多く、抽選の場合、人気の銘柄の抽選倍率は高くなりがちです。また、IPO株でも必ず値上がりするわけではないことにも注意する必要があります。株を買うときには情報を集め、値上がりが期待できる銘柄なのか、人気はあるのかどうかなどを見て、どの銘柄に投資するか判断する必要があるでしょう。

公募割れする可能性がある

投資家からの需要がなければ、上場後の初値が上場前の公募価格を下回ってしまうことがあります。

 

ただし、初値では公募割れしても、中長期的には成長して利益が出るものもあります。IPOへの投資では、必ずしも短期で利益が出るわけではないことを理解し、中長期で見てその企業が成長する見込みがあるか見極めることもひとつの戦略です。

企業がIPOを利用する効果は?

新規上場を行う企業は、IPOを利用することで広く資金を集めることができますIPOによって企業の知名度や信頼度も上がるため、企業のブランドイメージの向上や採用力アップにも繋がります。

 

また、上場の審査に通るためには、コンプライアンスの遵守や正確な財務報告を実現する社内管理体制の強化が必須なため、上場には多くの労力とコストが必要になります。企業が上場を目指す場合、その過程で社会的な信頼を高めると同時に社内体制を整えることにもなるでしょう。

一方で、上場し株式を公開することによって、経営の自由度が狭まる可能性があります。企業は経営において株主の意向を無視できなくなり、また継続的に資金調達していくためには、IRなどといった投資家へのアピールも必要となります。

オーバーアロットメントとは

オーバーアロットメントとは、ブックビルディングでのIPO株の需要が想定以上になったときに、IPO株の追加販売を行うことをいいます。オーバーアロットメントを行う場合、証券会社は発行会社の株主から株式を借り、それをIPO株として追加します。

オーバーアロットメントの特徴と注意点

オーバーアロットメントの特徴と注意点

投資家から見たオーバーアロットメントの特徴や注意点を見ていきましょう。

特徴1:株価の乱高下を防いでくれる

オーバーアロットメントは、IPOでの想定以上の需要による供給不足を改善する措置です。事前にオーバーアロットメントを行うことにより、上場後の株価の急騰・急落を抑えることに繋がるでしょう。

特徴2:需要が高まっていることを確認できる

オーバーアロットメントが行われる株は、多くの投資家が注目しているということです。上場前に注目銘柄を見つける目印としても活用できます。IPOを取り扱う証券会社では、オーバーアロットメントの状況について発信しているので、手軽に確認できます。

特徴3:IPOの当選確率が上がる

IPOの購入希望者が多くなり抽選となる証券会社の場合、抽選で当選した人しか株を購入できません。オーバーアロットメントが実施されると、売り出される株式の数が増えるので当選確率が上がります。しかし追加で売り出される数にも上限があるため、それでも購入希望者が多かった場合は抽選となります。

注意点:上場後の売り圧力が高まる可能性がある

オーバーアロットメントが行われるIPOは、株式に注目が集まりIPOでの公募価格に対して上場時の初値が数倍に跳ね上がることもあります。その場合、投資家の多くは高騰した初値で売ろうとするため、上場直後に株価が急落してしまうことも珍しくありません。

 

IPO株の売り出し株数を増やすオーバーアロットメントは、人気IPO株の当選確率を上げるため投資家にとって魅力的な制度です。しかし、その後株価が急騰・急落する可能性もあるので、投資をする際には冷静な判断が必要になるでしょう。

オーバーアロットメントの実施状況は、各証券会社のサイトで確認できます。楽天証券では、IPOの抽選方法が完全平等抽選であり、取り扱い銘柄も豊富に用意されています。IPOの紹介ページでは、現在売り出されているIPO株の一覧とその詳細などを確認できます。

 

※この記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • IPOとは?

    IPOとは、新たに未上場会社の株が証券取引所に上場することで、一般的な投資家も株主になれるようになります。

  • IPO投資の特徴は?

    購入時の手数料がかからないこと、成長が見込める企業に投資できることなどがあります。

  • IPO投資の注意点は?

    配分されないと購入できないことや、公募割れする可能性があることなどが挙げられます。

  • オーバーアロットメントとは?

    オーバーアロットメントとは、ブックビルディングでのIPO株の需要が想定以上になったときに、IPO株の追加販売を行うことをいいます。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

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