株式投資の始め方|投資を始めるのにはいくら必要?初心者の方向けに証券会社の口座開設から手順をやさしく解説
ドイツ銀行の株価が好調!再建計画からのドンデン返しの理由に迫る
ドイツ最大の銀行、ドイツ銀行は企業のグローバル化を推進する過程で行員の統制ができず数々の不正事件に関与した歴史があります。ドイツ銀行の業績は直近ではどうなっているのでしょうか?ドイツ銀行の歴史と将来性を解説します。
ドイツ銀行って何?色々あったドイツ銀行のこれまで
ドイツ銀行はベルリンで1870年に設立されたドイツ国内最大の銀行です。ドイツという国の名前がついているので、日本銀行のような中央銀行をイメージしがちですが、ニューヨーク証券取引所やフランクフルト証券取引所に上場している民間の銀行です。
銀行の資産額をもとにした世界銀行ランキングでは、2019年末時点で資産額1兆4,563億ドルの世界第21位に位置します。みずほフィナンシャルグループやSMBCフィナンシャルグループといった日本のメガバンクに迫る資産規模を誇っています。
当初ドイツ銀行は、商業銀行としての役割を果たしていました。商業銀行とは個人からお金を集め、必要な企業などに融資をして収益を得るという日本でよく知られているスタイルの銀行のことです。
しかし、1989年に米ソの冷戦が終わって、東欧の旧共産主義諸国で急速に市場が拡大し、インターネットの普及により、経済のグローバル化が求められる中、ドイツ銀行もその流れに追随することになります。
ドイツ銀行はそれまでの商業銀行から、企業の資金調達支援やM&Aの仲介をする「投資銀行」としての活動に舵を切るようになりました。
ところが、これがドイツ銀行の運命を一転させることになります。米バンカーズトラストを買収し、投資銀行からの人材引き抜くなど、外部の人間を積極的に登用する過程で、徐々に人員の統制ができない体質となっていきました。ドイツ銀行は金融機関としては致命的な問題を次々と起こし、危機に陥っていきます。
・MBS不正販売事件
MBS(住宅ローン担保証券)という複雑な金融商品を顧客に充分な説明をせずに販売していたことで、ドイツ銀行はアメリカ司法省から140億ドルの支払いを要求されます。2016年に罰金と被害者救済金の合計72億ドル(当時の8,500億円)を支払うことで和解しました。
・パナマ文書問題
2016年に流出した「パナマ文書」により、ドイツ銀行の行員が税金の逃げ道となるオフショア会社(課税を回避する会社)の設立に関与していたことや、犯罪絡みの資金をドイツ銀行の口座に移す、いわゆるマネーロンダリング※に加担していたことが明らかになりました。
※資金の出所を複数移し替えることで、お金の出所を分からなくすること(ロンダリング=洗浄)
・LIBOR不正操作事件
2000年代にドイツ銀行とその子会社が銀行間取引金利(LIBOR)を操作し、不正に利益を上げていたという疑惑が、その後持ち上がります。ドイツ銀行と子会社は25億ドル(当時の3,000億円)の和解金を支払って刑事告発されるのを回避しました。
・業績は低迷が続く
顧客の不審を招く事件が次々と発生した結果、ドイツ銀行の業績は低迷し、2017年まで3期連続の赤字を記録します。事態を打開するべく、ドイツ銀行は当初拡大しようとしていた投資銀行業務から撤退し、2022年までに行員の2割にあたる約1万8,000人をリストラすることを発表しました。
その効果もあり、2018年は一旦黒字に転換します。しかし、リストラに必要な経費が膨らみ、2019年度決算は53億ユーロの赤字と、再度赤字経営に陥りました。
ドイツ銀行の決算は赤字でも株価が好調なワケ
破綻の危機と言われながらも、大リストラを敢行し復活を目指しているドイツ銀行を救済する投資会社が現れました。ロサンゼルスを拠点に活動するキャピタル・グループです。救済者が現れたことと、ドイツ銀行の最高責任者(CEO)の再建策が投資家に受け入れられたことで、株価は上昇に転じました。決算は赤字ですが、再建策の効果が現れはじめていることも評価されています。
・なぜ決算が赤字でも株価は好調になるのか?
このように投資の世界では、現在の会社の業績は悪くても、第3者からの支援があったり、経営方針が株主にとって説得力のあるものであったりすれば、投資家の期待感が先回りして株価に良い影響を与えることがよくあります。
・好材料織り込み済み銘柄には要注意
ただし、市場の「好材料織り込み済み」という状態には注意が必要です。「好材料織り込み済み」とは、株価にとっての好材料や期待感がすべて反映されつくしていて、これ以上良くなる要素がない状況のことです。
「好材料織り込み済み」の銘柄を今から購入しても手遅れです。好材料はもう出尽くしているので、株価のさらなる上昇はあまり期待できません。プロの投資家は一般の人よりもはるかに早く情報を手に入れて、投資をスタートしているのでなかなか勝ち目はありません。
・投資経験が浅い人や忙しい人はETFで分散投資
投資経験が浅いうちは、1企業の株価の動向を追いかけるよりも、特徴の異なる業種に分散して投資をすることを心がけることが大切です。しかし、特徴の異なる業種に分散して投資をするためには、それぞれの株式や投資商品の特徴を知っておかなければなりません。投資経験がまだ浅い場合や、多くの株式や投資商品を比較する時間がない人は、すでに多くの商品に分散投資をしているパッケージ商品、ETFを利用するとよいでしょう。
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今、海外ETFを買うことのメリットと注意点
今、世界中の多くの企業が新型コロナウイルスの影響で大きく業績を落としています。ただし、現在も株価は回復傾向にあり、有効なワクチン開発の動向や新たにアメリカ大統領に就任するバイデン氏の方針にもよりますが、株式市場が上昇基調に転換する可能性は十分あります。
コロナ終息後の経済回復を見越して、広範囲に投資ができる海外ETFを購入しておくと、将来的な収益が期待できるかもしれません。
・ETFとは
ETFとは上場投資信託(Exchange Traded Fund)の略で、市場で取引される投資信託のことです。日経平均株価やTOPIXといった指数に連動した運用成果を目指す商品が多くなっています。
例えば、日経平均225連動型のETFは、日経平均株価の値動きと同じ値動きを目指す投資信託です。日経平均株価の動きに連動した運用成果を目指すため、日経平均株価を構成する225社またはそれに近い組み合わせで商品を選び、分散投資しています。このほかにも、さまざまな指数に連動した運用成果を目指す投資信託が、国内外に存在しています。
ETFの注意点は市場の急変や資産総額が小さくなった場合は、運用を中止して繰り上げ償還されることがあります。繰り上げ償還されると、投資信託の運用自体が終了し、その時点で損益が確定します。繰り上げ償還時点での運用状況によっては、損失が発生する可能性があるので注意が必要です。
また、海外ETFは海外商品なので、上場している取引所の通貨で取引されます。円で決済する場合は為替レートの影響にも注意が必要です。損失が発生する可能性があることは十分留意しておきましょう。
ドイツ銀行が今後期待できるのであれば、ドイツ銀行単体に投資したいと思うかもしれません。しかし、1つの企業の株式しか所有していない場合、その企業の業績が思わしくない期間が続いたときに大きなストレスになります。海外企業への投資は情報量が不足しがちで、国内株式よりもリスクが高い傾向があることを心得ておきましょう。
このようなリスクを軽減する有効な方法の1つがETFを利用した分散投資です。1つの銘柄が不調でも他の銘柄でカバーできるETFを持つことで、全体として投資のリスクをおさえることができます。海外ETFなら、リスクを分散しながら海外の株式やその他の投資商品に投資でき、海外株式への投資の入り口として最適です。楽天証券でも海外ETFを購入することができます。運用実績を比較し、より良いETFを見極めるようにしましょう。
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