ヘッジファンドとは?投資信託との違いや一般人が投資する方法を解説!

リリース日:2020/12/18 更新日:2024/07/26

投資に関する情報によく登場するヘッジファンド。海外の富裕層向けといったイメージがあります。ここでは投資信託と比較したヘッジファンドの特徴と、日本から投資する方法や日本のヘッジファンドなどについて解説しています。

  1. ヘッジファンドとは
  2. ヘッジファンドと投資信託の違い
  3. ヘッジファンドの歴史と現状
  4. ヘッジファンドの主な手法
  5. 富裕層がヘッジファンドを選ぶ理由
  6. 一般人でもヘッジファンドに投資できる?
  7. ヘッジファンドのリスク
  8. 日本生まれのヘッジファンド

ヘッジファンドとは

ヘッジファンドとは

ヘッジファンドは投資ファンドのひとつです。投資ファンドというのは、複数の投資家から資金を集め、運用して得た利益を分配する仕組みのこと。この意味では、投資信託もヘッジファンドも同じグループに分類されます。

 

投資信託には様々な運用上の制限がありますが、ヘッジファンドでは比較的自由な運用が可能。先物取引や信用取引などを組み合わせることで、市場が上がっても下がっても利益を出せるような運用手法を用います。投資信託と比較して、積極的に利益を追求するスタイルが特徴です。

ヘッジファンドと投資信託の違い

それではヘッジファンドと投資信託の違いを、詳細に見てみましょう。

 

投資ファンドの募集形式では、公募投資信託と私募投資信託という区別があります。公募投資信託は、50名以上の投資家に対して募集をするファンドです。これに対して私募投資信託は、2名以上50名未満の少数投資家や特定の機関投資家のみが対象。私募投資信託の方が、より顧客のニーズに合わせた、自由な商品設計が可能となります。

ヘッジファンドの歴史と現状

富裕層に限定して提供される投資商品は、アメリカでは1920年代から存在していました。ヘッジファンドという言葉が使われ始めたのは、1950年頃のことです。大きく注目されたのは、1990年代のインターネットバブルの時代。21世紀には様々な投資戦略のヘッジファンドが参入し、全世界で約200兆円の運用資産を集めるまでになっています。

 

ただ運用成績を上げられない時代には解約する投資家も増え、閉鎖となるヘッジファンドも出てきます。最近では、コロナ禍で運用成績があまり良くないヘッジファンドもあるようです。ヘッジファンドは利益が期待できる分野へ集中して投資することがありますが、例えば石油事業に注目していたヘッジファンドでは、コロナ禍での輸送需要急減で大きく利益を減らしています。

ヘッジファンドの主な手法

ヘッジファンドの主な手法

ヘッジファンドはそれぞれの投資戦略によって、利益を追求していきます。その手法をいくつか紹介しましょう。まず「レラティブ・バリュー」。相対的に割高・割安となっている証券を探して、その価格差を利用して利益を出します。例えば国・業種・規模が共通する2つの企業において、株価が割高・割安と価格差が生じているとします。高い方を売り(ショート)、安い方を買う(ロング)ことで、価格差の縮小により利益が生まれるという手法です。

 

もうひとつは「イベント・ドリブン」。この手法では、企業の合併や倒産、事業再編、自社株買いなどのイベント(事件)に注目します。株価に影響を与える事件が起きると、理論的な株価と実際の価値が乖離することがあるためです。ヘッジファンドは、割安・割高を見極めて投資します。ヘッジファンドはこうした戦略により、投資のチャンスを探しているのです。

富裕層がヘッジファンドを選ぶ理由

富裕層がヘッジファンドを選ぶ理由

ヘッジファンドは市場が上げても下げても、利益を追求するところに特徴があります。富裕層がヘッジファンドを選ぶ理由としては、まず高い運用成績が期待できるところにあると言えるでしょう。ヘッジファンドの場合、年率でのリターンが20%、30%となることもあります。一般的な投資信託よりも、大きな利益が期待できるのです。

 

またヘッジファンドは、金融危機などで市場全体が大きく下げる局面でも利益を出そうとします。もともとヘッジ(hedge)は、リスクを回避するという意味を持つ言葉です。市場の下落リスクに対応する手段として、選ばれている場合もあるでしょう。

一般人でもヘッジファンドに投資できる?

海外のヘッジファンドに投資する方法はいくつか考えられます。

 

・個人投資家が海外のヘッジファンドに投資する方法
まず国内の証券会社で、海外のフィーダーファンド(投資信託)を購入する方法があります。フィーダーファンドは、運用資金を他のファンドに投資する投資信託です。個人投資家が購入できるフィーダーファンドが海外のヘッジファンドに投資していれば、間接的にヘッジファンドに投資できるというわけです。

 

その他、外資系証券会社の日本支店を通じて海外のヘッジファンドに投資する方法や、投資顧問会社を利用していれば、そこを通じて投資できる場合もあります。

ヘッジファンドのリスク

ヘッジファンドで気を付けたいことのひとつが、解約に時間がかかるということです。一般的な投資信託では、換金の申し込みをしてから4営業日程度でお金が振り込まれます。ヘッジファンドの場合、一般的に45日前までに解約を通告する必要があるので、流動性のリスクがあると言えるでしょう。

 

またヘッジファンドは信用取引やオプションなど、レバレッジといって資産の何倍もの金額を投資している場合があります。運用がうまくいかなければ損失が膨らみ、破綻に追い込まれる可能性も考えられます。

日本生まれのヘッジファンド

日本生まれのヘッジファンド

ヘッジファンドというと海外のものという印象があるかもしれません。実際は、日本にもJapan Act(ジャパンアクト)、BM CAPITAL(ビーエムキャピタル)、ストラテジック・キャピタルなど多くのヘッジファンドが存在します。それぞれ運用手法は異なりますが、注目したいのは「アクティビスト」と呼ばれる運用手法。いわゆる「物言う株主」と呼ばれるものです。株式を一定程度取得し、投資先企業の経営陣に提言して、企業価値の向上を目指します。株主総会でアクティビストが株主提案をすると、ニュースになることもあります。

 

ヘッジファンドの特徴として、市場が上げても下げても利益を出せるというものがありました。市場が下げているときに利益を追及するという点では、一般的な投資信託にも同様の商品があります。楽天証券投資信託検索機能を利用して、「ベア型」の投資信託を探してみましょう。ベア型とは、相場が下落しているときに利益が出るように設計されている投資商品。市場の下落局面でも、リターンを期待できる投資信託が見つかります。すでに日本の株式市場に広く投資する投資信託を保有していて、長期的な下落が見通せる場合など、ベア型の投資信託で損失をおぎなうといった活用ができます。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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