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注目を集めるメタバースとは何か?世界的企業が進出を目論むサービスをわかりやすく解説
メタバースは、多人数が参加して自由に行動できる、オンライン上の仮想空間です。最近ではVRの利用で、没入感を高められるようになっています。この記事では、仮想空間の会議室でのミーティングなど、メタバースの可能性を紹介します。
- メタバースの定義とは?
- 様々な企業が参入し注目を集めるメタバース市場
- メタバースでできること
- メタバースとVRは何が違う?
- メタバースの具体例
- メタバース普及への課題
- メタバースの関連の株式銘柄にも注目
メタバースの定義とは?
メタバースとは、ネットワーク上に作られた仮想空間を通して提供されるサービスのことを言います。1つの仮想空間に多くの人々が同時に参加し、自由に行動できるようになっています。メタバースを英語で書くと「Metaverse」。「meta(超)」と「universe(宇宙)」から作られた造語です。
ネットワーク上の仮想空間には、オンラインで世界中の人々が参加します。仮想空間の中では「アバター」と呼ばれる自分の分身が、他者とコミュニケーションを取ったり経済活動を行ったりします。まさに「もう1つの現実世界」が出現するのです。
・身近に存在するメタバース
メタバースという言葉自体は最近よく聞くようになったものですが、この定義に当てはまるサービスは以前から存在しています。身近なところでは任天堂が提供する、ゲームソフトの「あつまれ どうぶつの森」です。プレイヤーは様々な姿のアバターとなり、無人島で自由に活動します。そして他のプレイヤーが住む島に行ってチャットなどでコミュニケーションを取れるようになっています。
もう少し時代をさかのぼると、2003年に登場したLinden Labが提供するゲーム「Second Life(セカンドライフ)」もメタバースの1つ。仮想空間で土地を所有したり、経済活動ができたりします。
さらに時間をさかのぼると1990年代後半にもElectronic Artsの子会社Origin Systemsが提供した「ウルティマオンライン」のような「MMORPG」と呼ばれる、多人数が同時に接続するRPGゲームもありました。これもメタバースに近いものですが、ゲームシナリオが存在する点で違いがあります。メタバースでは、各自が自由に行動できるというのが特徴です。
こうして見ると、私たちはすでにメタバースの世界に触れているということになります。しかしこれからのメタバースには、新たな特徴が出てきています。それが「VR(バーチャル・リアリティ)」。最新のメタバースではVRを活用したものが多く登場しています。VRヘッドセットを装着することで、自分自身が「もう1つの現実世界」に入り込んだ感覚がよりはっきりと得られるのです。メタバースの可能性を大きく広げることになるでしょう。
様々な企業が参入し注目を集めるメタバース市場
・高い成長性
最近様々なメディアで言葉を見かけることが多くなったメタバースですが、注目されるきっかけとなったのは、2021年10月に、大手SNSのFacebook社が、社名を「Meta(メタ)」に変更したことによります。これまでSNS事業を中心に成長してきたFacebook社ですが、これからはメタバースの開発に注力する考えを示しています。こうした動きからメタバースが持つ可能性や、メタバース市場の高い成長性に目を向ける企業が増えてきたのです。
メタバースの市場規模については、様々な予測が出ています。例えば2021年10月に市場調査会社のEmergen Researchが公表した数字によると、世界のメタバース市場規模は2020年時点で476.9億ドル(約5兆5,000億円)。これが2028年には8289.5億ドル(約95兆円)へ大幅に拡大すると予想しています。
新型コロナウイルスの感染拡大は、オンラインによるコミュニケーションを定着させました。こうした背景もメタバースの市場拡大を、今後より高めるものと見られています。
・メタバース市場拡大により成長が見込まれる業種
メタバースに参入する企業の業種は、多岐にわたります。まずは、これまでソーシャルメディアやゲームを展開してきた企業の参入です。メタバースではVRヘッドセットを装着するので、これを製造するハードウェア関連の企業への需要も増えるでしょう。メタバースを活用したビジネスの展開では、ファッションや教育、金融など様々な方面からの参入が予想されています。メタバース上での決済について、暗号資産による取引が増えるのではないかという予測もあります。
メタバースのプラットフォームを提供する企業やそれを実現するハードウェアを製造する企業、またメタバース上でコンテンツやビジネスを展開する企業などがあり、これからの成長が期待されています。
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メタバースでできること
・アバターを使ったコミュニケーション
ひとつの仮想空間に多人数が参加し、自由に行動できるメタバース。活用法のひとつに「仕事」があります。たとえばメタバース上で会議を行うとしましょう。会議の参加者はそれぞれの分身となるアバターの姿で、仮想空間上の会議室に集まります。VRヘッドセットを装着して自分もアバターの姿でメタバースの会議室に入れば、まるで自分自身がその会議室の中にいるように感じられ、他の参加者とアバター同士で声により会話ができるのです。
メタバース上の会議室では、ホワイトボードを使うこともできます。1人のアバターがホワイトボードに書き込み、他の参加者がそれを見ることもできます。会話の音声は、そのアバターがいる方向から聞こえるなど、現実世界の再現度が高く、実際の会議と違いが感じられないレベルと言えるでしょう。オンラインによるテレワークでは、ビデオチャットを使用していましたが、これからはメタバースでの打ち合わせが可能となるのです。
・NFTや暗号資産を使った経済活動
メタバースの可能性としてもうひとつ注目されているのが、NFT(非代替性トークン)や暗号資産を使った経済活動です。仮想空間の中で、人々はアバターの形で存在します。そうなると需要が出てくるのが、帽子や眼鏡、靴といったファッションアイテム。自由に活動できるメタバースでは、様々なアイテムを作成してそれを売買するような市場が生まれると考えられます。こうしたメタバース上での売買取引における決済には、ブロックチェーンを使った暗号資産が利用されると見られています。
そしてアイテムなどのデジタル資産を唯一の本物として証明してくれるのが、ブロックチェーン技術を利用した「NFT(非代替性トークン)」と呼ばれる仕組みです。オリジナルのデジタルデータをコピーされたものではない「本物」と証明してくれます。現実世界でもNFTを使ったデジタルアートの取引が増えていますが、メタバース上での経済活動でも大きな役割を果たすことになるかもしれません。
メタバースとVRは何が違う?
「メタバース」と同時に用いられることの多い「VR」について、意味を明確に区別せず、混同して使ってしまいがちですが、ここで2つの語句の違いを確認しておきましょう。
「VR」とは、Virtual Realityの略で仮想現実のことを言います。例えば、VRゴーグルを装着すると、360度の映像に囲まれ、顔を向けた方向にあるものを仮想空間上で見ることができます。自分がまるでその映像の世界にいるような、没入感を得られると言われています。。
一方「メタバース」とは、ネットワーク上の仮想空間で提供されるサービスのことを言います。ひとつの仮想空間には多人数がアバターの姿で参加でき、互いにコミュニケーションが可能という特徴を持っています。
単にVRという時は、その仮想現実の中に、他の参加者は現れません。またメタバースは、必ずしもVRを使うとは限りません。VRを使ってメタバースに参加すると、よりその仮想空間が現実のように感じる没入感が得られるということです。
このようにメタバースとVRとは別の概念の語句となりますが、。今後VRの活用によりメタバースの利用価値がさらに高まるということになれば、2つの言葉が並べて使われることがより多くなるかもしれませんね。
メタバースの具体例
・Horizon Worlds
「Horizon Worlds(ホライゾンワールド)」は、Meta(旧Facebook社)が提供しているメタバースアプリです。 Metaの一部門であるFacebook Technologies が開発した「Oculus Quest 2(オキュラス クエストツー)」と呼ばれるVRヘッドセットを使用します。Horizon Worldsでは、アニメ風の世界が広がり、アバターの姿で他者とのコミュニケーションができ、またユーザーは様々なスペースを作り、自由に探索することもできます。
・Horizon Workrooms
「Horizon Workrooms(ホライゾンワークルーム)」は仮想空間上でVR会議ができるメタバースアプリ。こちらもMetaが提供し、VRヘッドセットのOculus Quest 2を使用します。自分のPCを仮想空間で使ったり、仮想空間上のホワイトボードを使ったりと便利な機能が搭載されています。また、発言者の方から声が聞こえる、アバターの表情やジェスチャーを使ったコミュニケーションが可能となるなど、チームワークを高めやすい空間となっているのが特徴です。
・VRChat(VRチャット)
「VRChat(VRチャット)」は、米国VRChat社が運営する、ソーシャルVRプラットフォームです。OculusシリーズのVRヘッドセットを使う他、WindowsのPCでプレイできるデスクトップ版も利用可能です。VRチャットでは、自分や他のユーザーが作成したアバターが使えます。様々な景色のワールドがあり、VRイベントも多数開催されています。他のユーザーと会って話すための「インスタンス」と呼ばれる部屋も作成可能です。
メタバース普及への課題
経済産業省は2021年7月に「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」の報告書を公表しました。その中でメタバースのような仮想空間を「多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築される仮想の三次元空間」と定義し、そこで生じる課題を挙げています。
課題となっているのは仮想空間上での法的な問題。たとえばメタバース上では、NFT技術を活用したアイテムやアートなど、様々なデジタル資産の売買が可能です。これまでにもゲーム内の土地が約1億6,000万円で売買されたり、武器の外観を変更するアイテムが約1,400万円で売買されたりした事象があるそうです。そうなると所有者の権利や消費者の保護をどうするかといったことが問題となります。メタバース上でのお金のトラブルも増えるかもしれません。
メタバースの関連の株式銘柄にも注目
これからの成長産業として期待されているメタバースですが、これを投資の対象として見ることもできます。メタバース関連の企業として挙げられるのは、米国で半導体の開発・販売を行うNVIDIA(エヌビディア)。この企業は、仮想空間内での共同作業を可能とするプラットフォーム「Omniverse(オムニバース)」を展開しています。
またRoblox(ロブロックス)も独自のメタバースを展開する企業です。Robloxのメタバース内には、スポーツブランド大手のNIKEが「NIKELAND」を開設し、ビジネスでの利用を始めていて、こちらもメタバース関連企業として注目されています。
日本にもメタバースに関連した企業が数多くあります。たとえばソニーグループは、PlayStation VRなどVR機器の開発にも携わる企業です。ソーシャルゲームプラットフォームのGREE(グリー)は、メタバース関連への投資を進めると発表しています。ほかにもVR関連のデバイスを開発する企業や、メタバースへの参入を公表している企業が増えているというのが現状です。メタバース関連のハードやソフト、プラットフォーム、仮想空間上でのビジネス展開など各企業の動向に注目したいところです。
暗号資産やNFTを活用したビジネスにも活用可能な「メタバース」の世界は市場全体の高い成長が予想されています。ITやテクノロジー、ゲームなど様々な業種が参入しているので、関連する企業への投資を検討してみるのも良いでしょう。
老後資金などの大部分は、広く分散投資する投資信託などで保有する方法がありますが、資産の一部で成長市場に投資することにより、さらなる資産の積み増しにチャレンジするのも1つの考え方。楽天証券でメタバース関連への投資を始めてみるのも良いでしょう。
このテーマに関する気になるポイント!
- メタバースとは?
「多人数が参加可能で参加者がその中で自由に行動できる、インターネット上に構築される仮想空間を通して提供されるサービス」のことです。 - メタバースの市場規模は?
2020年時点で476.9億ドル(約5兆5,000億円)、2028年には8289.5億ドル(約95兆円)になるとの予測があります。 - メタバースでできることは?
アバターでのコミュニケーションや、仮想空間にある会議室でのミーティング、NFTや暗号資産を使ったデジタル資産の売買などが可能となります。 - メタバースとVRは何が違う?
メタバースは多人数が参加できる仮想空間を通して提供されるサービス。VRは自分がまるでその映像の世界にいるような、没入感を得られる仮想現実のことです。 - メタバースの具体例は?
Horizon WorldsやHorizon Workrooms、VRチャットなどがあります。 - メタバース普及への課題は?
デジタル資産の所有権や、売買を行う上での消費者保護など法的整備の必要性が指摘されています。 - メタバースの関連の株式銘柄は?
米国ではメタバースプラットフォームを展開するMetaやNVIDIA、Robloxなど。日本ではVRデバイスを開発するソニーグループや、ソーシャルゲームプラットフォームのGREEなどが挙げられます。
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