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実質実効為替レートをわかりやすく解説。確認方法や用語について
通常見かける為替レートは2通貨間の交換比率ですが、実質実効為替レートは、ある通貨を複数通貨と比較し計算した数値です。この記事ではある国の通貨の相対的な力を見たいときに役に立つ実質実効為替レートについて解説しています。
実効為替レートとは
実質実効為替レートという言葉を理解するために、まずは「実効為替レート」について理解していきましょう。
経済ニュースなどでは、1ドル100円や120円といった為替レートが報道されます。外貨建ての預金や保険を利用している人にとっては非常に大切な問題です。元の為替レートが1ドル100円だった場合に、1ドル80円になれば「円高」、1ドル120円になれば「円安」になったという言い方をします。これが現時点での交換レートであり「名目為替レート」です。
名目為替レートは比較する2国間の通貨の交換比率を表します。アメリカドルと日本円の通貨を比較した場合、アメリカに日本よりも経済的な好材料があるなどでドルの需要が高まれば、名目為替レートは円安ドル高になり、アメリカよりも日本に経済的な好材料があれば名目為替レートは円高ドル安に向かいます。
しかし、名目為替レートはあくまでもドルと円の2国間で比較しているにすぎません。
日本がアメリカよりも好景気で、円高ドル安が続いていたとしても、それは日本とアメリカの間で比較しているだけです。両国以外の世界中の国々の方がはるかに好景気になっていたような場合、世界全体で相対的に見れば日本はたいして好景気でないと考えることができます。
このように、日本とアメリカの2国間の名目為替レートを見ているだけでは、相対的な円の実力を把握することができません。そこで、ある通貨の相対的な実力を見るときは「実効為替レート」という指標を使います。
日本の実効為替レートを計算する場合、具体的には日本とその他の全通貨との2通貨間為替レートと貿易取引量などでウェイト付けをして算出します。これによって日本円の対外的な競争力を確認することが可能になるのです。
実質為替レートとは
仮に名目為替レートが1ドル100円から1ドル120円や80円になっていたとしても、一概にそれだけでは円安、円高と単純に判断ができないことがあります。その具体的な事例をご紹介します。
アメリカに旅行をする人が日本で円をドルに交換して、現地で現金払いの買い物をする場合の事例です。
仮にアメリカ現地で1本1ドルのジュースを購入する場合、名目為替レートが1ドル100円の時期に購入すれば実質100円で購入することになります。名目為替レートが1ドル80円なら、同じ1ドルのジュースでも、円換算での値段は80円です。
このように日本からアメリカに海外旅行に行き買い物をするときは、ドル円の名目為替レートは円高の方が有利であることがわかります。
しかし、名目為替レートの1ドル80円のときに、アメリカ国内でインフレ(物価上昇)が発生し、1ドルだったジュースが2ドルになった場合はどうでしょう?この場合、1ドル80円なので、ジュースを購入するのに実質160円を払うことになります。
名目為替レートは80円のままであるにもかかわらず、アメリカ現地で物価上昇が発生したため1ドル160円に円安になったときと同水準の負担をすることになってしまうのです。
今度は企業に置き換えてみましょう。円高は日本の輸出業にとっては一般的にはマイナス要因です。しかし、円高だったとしても、輸出先の国での物価上昇が発生していれば実質円安となり、円高でも競争力が生まれることがあります。
このように名目為替レートだけではなく、相手国の物価上昇率も考慮した実効為替レートを見ることで、より正確に通貨の相対的な競争力を見ることが可能になります。
実効為替レートのうち、物価上昇率を加味しないものを名目実効為替レート、物価上昇率を加味したものを実質実効為替レートといいます。
実質実効為替レートは、その他の通貨との相対的な実力を反映していることや、物価上昇率も加味して算出される指標であることがから、名目為替レートよりも通貨の対外的競争力の実体を色濃く反映している指標として利用されます。
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実質実効為替レートの確認方法
実質実効為替レートは、各国の中央銀行や国際決済銀行(BIS)が公表しています。円の実効為替レートを計算し公表しているのは日本銀行です。実質実効為替レートは毎月、名目実効為替レートは毎日公表しています。
参照元:日本銀行 実効為替レート
円安・円高の推移を読む
実質実効為替レートは、中・長期の予測をするときに役に立つ指標です。名目為替レートと実質実効為替レートを照らし合わせ、前者が著しく安い場合は「買い」、著しく高い場合は「売り」と見ることができます。
ただし、為替相場は急激な経済情勢の変化や要人の発言によって、短期的に大きな値動きが生じることがあります。あくまでも、実質実効為替レートは中・長期的にその通貨の実力の本質を見るための1つの参考指標としてお役立てください。
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