外貨預金の基礎を解説!投資初心者でも始められるの?

リリース日:2020/01/20 更新日:2024/10/11

円を米ドルやユーロなどに換金した上で外貨建てで預金する外貨預金。円建ての普通預金との違いはどのようなものでしょうか?ここでは、金利・為替レート・リスクの面から、外貨預金をするメリット・デメリットを紹介します。

外貨預金の基礎を解説!投資初心者でも始められるの?
  1. 外貨預金についておさらい
  2. メリット・デメリット
  3. どこの通貨がおすすめなの?
  4. 投資初心者にこそおすすめなのが外貨預金

外貨預金についておさらい

外貨預金についておさらい

まずは外貨預金とは何か、仕組みや費用についておさらいしていきます。

・外貨預金とは
外貨預金とは、あなたが持っている日本円を米ドルやユーロなど、外国の通貨へ替えた上で預金することです。また、外貨預金は銀行で取り扱っている商品で、実際の換金は銀行側で行います。

資産運用の1つとして活用できますが、株式投資やFXと違い運用中に市場をチェックしたり、頻繁に売買タイミングを計ったりする必要はありません。

・為替レートの影響を受ける
外貨預金の基本的な仕組みを理解する上で重要なポイントが、為替レートの影響を受けることです。普通預金の場合は為替レートの影響を受けませんが、外貨預金の場合は、日本円と外貨の価値(相対的な価値)が日々変わるため、日本円へ戻したときに預金額が変動していることもあります。

例1
外貨預金前:1ドル100円の為替レート、銀行へ100円預ける
外貨預金後:1ドル50円の為替レート、日本円へ換金・出金した際は手元に50円しか残らない

例2
外貨預金前:1ドル100円の為替レート、銀行へ100円預ける
外貨預金後:1ドル200円の為替レート、日本円へ換金・出金した際は200円受け取ることができる

このように円やドルなど通貨間の価値が変わると、外貨預金も増減します。そのため外貨預金を始めるときは、為替レートを意識した上で運用しましょう。

・外貨預金特有のTTSとTTB
外貨預金には為替レートの影響を受けると紹介しましたが、もう1つ覚えておくべき仕組みがあります。それはTTSとTTBと呼ばれる仕組みです。外貨預金の場合は、預け入れるときと引き出すときで適用される為替レートが変わります。そして預入時のレートをTTS、引き出し時のレートをTTBと呼びます。


●TTS:預け入れるときは1ドル100円
●TTB:引き出すときは1ドル98円

TTBは、TTSよりも円高(下落方向)で設定されるため、TTSを超える円安相場で引き出すことが大切です。

・外貨預金にかかる手数料
外貨預金は普通預金と違い、為替手数料がかかります。為替手数料は、預金を預けるときと引き出すとき、どちらの手続きの際にもかかるのが特徴です。

手数料額については、通貨によって変わりますし各金融機関でも設定が違っています。そのため、金融機関選びも外貨預金では大切です。

メリット・デメリット

メリット・デメリット

続いては外貨預金を始めるメリット・デメリットを紹介します。外貨預金は普通預金よりも高金利な反面、リスクもあるので、リスクとリターンを理解した上で始めましょう。

・高金利で運用できる
外貨預金は普通預金よりも高金利で運用できるケースが多く、利息収入も期待できます。例えば三菱UFJ銀行の外貨預金では、以下のように金利が設定されています。

ドル:0.1%
ユーロ:0.001%
オーストラリアドル:0.15%

また、一般的に新興国通貨の金利は比較的高めです。新生銀行では、次のような外貨も取り扱っています。

トルコリラ:2.0%
南アフリカランド:1.5%

・為替差益を得られる
外貨預金は利息収入の他にも、為替差益を得られるメリットがあります。為替差益とは、日本円と外貨の為替レートが変動することにより発生する差額のことです。

例えば以下のケースでは、利益が発生します。


1ドル100円のレート(TTS)で100円を預け入れる
1ドル200円のレート(TTB)まで円安になったところで、預けた1ドルを引き出す
利益は、200円-100円=100円

実際はドルがそこまで大きく上下することはありませんが、為替差益を得ることは可能です。外貨預金の場合は、外貨に対して円安になるほど利益は増える仕組みです。

円安とは、外貨より価値が下がること。たとえば1ドル100円から200円に変化する場合を指します。数字は増えていますが、これは対ドルの価値が下がっているということを示します。

・為替変動リスクが生じる
外貨預金のデメリットは、為替変動リスクを負うことです。前の項目で紹介した為替差益は、あくまで円安方向に価格変動している場合の仕組みです。円高方向に価格変動すると、以下のようなことが起こります。

1ドル100円(TTS)で100円預け入れる
1ドル90(TTB)まで円高になったところで引き出す
90円-100円=-10円、すなわち10円の損失

・ペイオフの対象外
ペイオフ(預金保険制度)とは、銀行へ預け入れた預金額1,000万円までが保証される制度です。また、銀行が倒産した日までに得た利息も保証されます。

しかし、ペイオフの対象口座は普通預金や定期預金などだけで、外貨預金は対象外です。そのため、銀行が倒産した場合、預け入れた外貨預金が返ってくる保証はありません。外貨預金を始める場合は、余剰資金(生活費などへ影響しない資金)で始め、複数の金融機関へ預けるなどリスク分散しておきましょう。




どこの通貨がおすすめなの?

どこの通貨がおすすめなの?

外貨預金および投資初心者の方は、まずドル/円やユーロ/円などメジャーな外貨から選ぶことをおすすめします。

外貨預金で大切なことは、為替レートの変動や、その原因となる政治経済などの情報を整理・判断することです。南アフリカやメキシコなど、普段の生活で情報を得る機会の少ない国の外貨預金をすると、情報を集めたり情勢を理解したりするのに時間がかかります。また、誤った判断をしてしまう可能性も高くなるでしょう。

アメリカやEUについては、テレビやインターネットのニュースなどでも頻繁に取り扱われていますし、経済ニュースでも為替レートや関連する出来事を報じています。そのため、情報を入手しやすく、分析しやすいでしょう。

投資初心者にこそおすすめなのが外貨預金

投資初心者にこそおすすめなのが外貨預金

外貨預金は投資初心者にもおすすめできます。投資には株式投資やFX、不動産投資など多数の金融商品がありますが、投資初心者には難しいものも多く、育児や家事・仕事で忙しい方にとってはハードルの高い内容です。

その点、外貨預金は株式投資などと違い、預け入れるだけですので手間がかかりません。あとは利息が付き、為替レートが有利になるのを待つだけです。まずは、少額の外貨預金を始め、為替相場や世界経済に関するニュースを見ながら、少しずつ投資の勉強をしていきましょう。

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本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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菊地祥
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(3級FP技能士)
菊地祥

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

専業ライターの菊地です。株式・投資信託8年目。もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。現在は2級取得を目指して勉強中です。お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。

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