ヘッジファンドとは?意味や特徴、メリット・デメリットをやさしく解説

リリース日:2022/04/01 更新日:2024/07/24

ヘッジファンドは投資信託とよく似た特徴を持っていますが、公募形式ではなく私募形式でお金を集める点が異なります。個人投資家や機関投資家などが対象になっており、一般の投資家が日本の証券会社で投資信託のように購入することはできません。どんな特徴があるのか、ヘッジファンドの基礎知識について詳しくみていきましょう。

  1. ヘッジファンドとは、簡単にいうと何?
  2. ヘッジファンドと投資信託の違い
  3. ヘッジファンドはなぜプラスになる?
  4. ヘッジファンドのメリット
  5. ヘッジファンドのデメリット
  6. ヘッジファンドを購入するにはどうしたらいい?

ヘッジファンドとは、簡単にいうと何?

ヘッジファンドを簡単にいうと、「お金持ちだけが買える投資信託のようなもの」です。出資者から集めた資金で運用する投資ファンドという点は投資信託と同じですが、投資信託と違って限られた大口投資家しか出資できません。ヘッジファンドを購入できる投資家は適格投資家と呼ばれます。その基準ははっきり示されているわけではありませんが、一説には数千万円~数億円の年収や投資資産が必要になると言われています。

 

また、株や債券に限らず、あらゆる金融投資を試みるオルタナティブ投資ファンドの一つであるヘッジファンドは、いかなるときでも利益を出すことを目的とした絶対収益追求型。市場の大きな変動にも対応し、たとえ金融危機で金融市場が壊滅状態にあったとしても、たとえば農産物先物に投資して商品市場から利益を出すよう運用されます。ヘッジとは「リスクヘッジ」という言葉でわかるように、「避ける」という意味。複数の投資対象に分散させ、複数の運用手法を利用し、運用収益を上げるのが特徴です。

ヘッジファンドと投資信託の違い

ヘッジファンドと投資信託の違い

投資信託は一般的に広く公募されますが、ヘッジファンドは運用会社が私募形式で出資者を募ります。相手は富裕層や金融機関などの大口投資家。最低購入金額も一般人には出せないような金額に設定されます。公募形式の投資信託は目論見書や有価証券報告書などを発行する義務がありますが、ヘッジファンドは私募のため必要ありません。その分、厳しい規制を受けにくく、自由に運用戦略を設定できます。リスクの高い運用で高い投資リターンを狙うことも。

ヘッジファンドと投資信託の違い

また、ヘッジファンドは絶対収益を求める点が国内投資信託と大きく異なるところ。たとえばインデックス型投資信託は株価指数に連動した運用を行うため、株価が下がったときはそれに連動して投資信託の基準価額も下がります。しかしヘッジファンドはそのような状況下でもプラスになることを追求します。投資者にとってみれば、ヘッジファンドを持つことでマイナスを埋められる点がメリットです。

ヘッジファンドと投資信託の違い



ヘッジファンドはなぜプラスになる?

ヘッジファンドはなぜプラスになる?

そもそも市場が下落相場となっているときに、なぜプラスにできるのか、疑問に思われるかもしれません。ヘッジファンドは株式や債券だけでなく、先物取引や信用取引など、あらゆる投資手法を組み合わせて利益を追求します。積極的にショートポジションを活用し、価格が下がったところで買い戻す方式や、レバレッジを活用して、下落相場でも利益を得られるように運用しているのです。

 

投資戦略としては、たとえば株式の買い付けと同時に同額の株式指数先物を売却するマーケット・ニュートラル戦略や、さまざまな先物・オプションにレバレッジを掛けて投資するマネージド・フューチャーズ戦略、同等の商品の価格差を利用して利益を上げるアービトラージなどが挙げられます。投資銀行で使われているAIをヘッジファンドに応用する動きも。こうした幅広い手法を駆使して、どんな相場にも対応できるように運用するのがヘッジファンドの大きな特徴です。

ヘッジファンドのメリット

ヘッジファンドのメリット

ヘッジファンドのメリットを紹介します。

 

・プロに任せることができる

ヘッジファンドのファンドマネージャー(投資顧問)は、より専門的な知識を駆使して利益を求めます。資金の投資先に迷っている人には有益です。

 

・リスクを減らすことができる

ヘッジファンドは下落相場でも利益を追求するため、資産のリスク管理に役立ちます。複数の投資商品の一つとしてヘッジファンドを加えれば、投資リスクを低減できるでしょう。ヘッジファンドそのものが多様な金融商品に投資しているため、分散投資にもつながります。

ヘッジファンドのデメリット

ヘッジファンドのデメリット

一般投資家がヘッジファンドを購入するのは困難ですが、仮に購入した場合のデメリットやリスクについて説明します。

 

・流動性が低い

ヘッジファンドは株や投資信託のように広く売買されているものではないため、投資機会が限られるのみならず、いざ売りたいと思ってもすぐには現金化できません。解約できる時期が決まっていることもあり、換金性は低いです。

 

・情報が開示されない

有価証券報告書で内容が開示される投資信託と違い、ヘッジファンドは中身が公開されません。投資対象ファンドやその投資割合が閲覧できず、出資者にもわからないのです。ヘッジファンドによっては一部の銘柄を公開していることもありますが、投資信託と比べて判断材料は少ないでしょう。

 

・コストが高い

インデックスファンドは手数料(信託報酬)が低い傾向にあります。ヘッジファンドはインデックスファンドとは反対に利益を追い求めるため、その分手数料は高いです。主な費用としては運用手数料と運用報酬が挙げられます。運用手数料は運用資産に応じてかかるコストを負担するもの。運用報酬は運用成績でプラスになった分に応じて支払うもので、運用者への成功報酬ということになります。

 

・ヘッジファンドが破綻することも

ヘッジファンドは利益を追求するためにレバレッジを掛けた投資を行います。うまくいけば大きなリターンが得られますが、逆に投資元本を大きく割り込む恐れも。経営が傾いた企業が倒産するのと同様に、最悪の場合はヘッジファンドそのものが破綻に追い込まれる可能性があります。

ヘッジファンドを購入するにはどうしたらいい?

ヘッジファンドそのものを購入するのは不可能ではありませんが、投資単位は最低でも1,000万円以上、中には億単位のものもあり、かなりハードルが高いです。一般投資家がヘッジファンドを持ちたいと思ったら、ヘッジファンドに似た投資信託を購入するのが近道です。

 

楽天証券でも絶対収益追求型の投資信託の取り扱いがあります。また、下落相場で上昇するベア型の投資信託もあるため、自分でリスクヘッジを行うことも可能。投資信託なら少額から始められるので、まずはこちらを検討してみてはいかがでしょうか。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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