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ポートフォリオとは?投資における金融商品の組み合わせ例も解説
「ポートフォリオ」とは、「金融」・「教育」・「クリエイティブ」の3つの分野で使われる用語です。本記事では、その意味合いを理解し、活用することができるよう、分野ごとにわかりやすく解説しています。
そもそもポートフォリオとは
まず、ポートフォリオ(Portfolio)という言葉のそもそもの意味を確認しておきましょう。Portfolioは、Portafoglio(ポルタフォリオ)というイタリア語が語源になっていると言われており、Portaは「運ぶ」「支える」、Foglioは「紙」「紙幣」などの意味合いを持っています。
イタリア語では「紙幣を運ぶ」ことから「財布」を意味する言葉となりますが英語のPortfolioは「紙を運ぶ」ものという意味から転じて、「紙ばさみ」「書類かばん」という意味となります。
細かい話になりますが、書類を「綴じる」のではなく「まとめて挟んでおく」というニュアンスと理解しておくとよいかもしれません。書類かばんに入れて、いつでも書類を取り出せるイメージが近いでしょう。
3つの業界で使われるポートフォリオとは
ポートフォリオの本来の意味は「書類かばん」すなわち「書類をまとめて挟んで持ち運ぶことができる入れもの」となるのですが、現在では「金融・投資」「教育」「クリエイティブ」の3つの分野において、まとまった意味のあるものの集合体を指す用語として、使われるようになっています。それぞれの分野において、どのような使われ方をしているのかを見ていきましょう。
・「金融・投資」用語としてのポートフォリオ
金融・投資分野では、投資対象を特定の金融資産に集中させるのではなく、いろいろな金融資産に分散させること、または分散させた金融資産のパッケージのことをポートフォリオと呼んでいます。
投資家はリスクヘッジを目的として株式、債券、現金、預金、不動産、貴金属などといった複数の投資対象に資産を分散させて運用を行っています。その結果としての資産の組み合わせがポートフォリオです。ポートフォリオを見れば、どのような考え方で運用のリスクヘッジをしているのかが見えてきます。
リスクヘッジの考え方はよく「卵」と「カゴ」を使って説明されることがあります。卵をまとめて1つの大きなカゴに入れると、そのカゴが落ちた時に、全ての卵が割れてしまいます。一方で、それぞれの卵を小さなカゴにあらかじめ分けて入れておけば、たとえいくつかのカゴが落ちたとしても、別のカゴに入れてある卵は割れることなく無事となり、すべての卵が割れるという事態を避けることができます。
リスクヘッジを目的として、投資の対象を様々な金融資産に分散させることも「卵」と「カゴ」の関係と同じ考え方です。
例えば、投資対象を特定の金融商品「株式」に集中させたとします。もし株が暴落した場合、投資した資産の多くを失う可能性があります。金融市場に予想外の大きな変動が生じた場合のリスクを避けるため、株式だけでなく、債券、預金、不動産というように、バランスを考えながら、いろいろな金融資産に分散して投資するのがポートフォリオ投資の考え方です。
分散投資をする場合でも、どのような組み合わせであれば、最もリスクが少なくリターンが大きいか、最適な組み合わせを導く「ポートフォリオ理論」が、盛んに研究されています。
なお、厳密には具体的な金融商品の組み合わせを表したものを「ポートフォリオ」と言い、「国内株式」「外国株式」「不動産」といったように、おおまかに投資先を配分したものは「アセットアロケーション」と言います。
・「教育」用語としてのポートフォリオ
教育分野では、生徒が作成した各種のレポートや試験の答案、作品や創作物、クラブ活動や課外活動などの記録写真・動画といった学習成果をとりまとめてファイリングしたものをポートフォリオと呼びます。
教育ポートフォリオは学習進度を含め、その生徒の学校教育における様々な活動を記録したものであり、総合的に生徒を評価するツールの一つです。学校教育だけではなく、社会人の自己啓発などいろいろな教育現場で活用されている手法でもあります。
このポートフォリオ評価法は1980年代にアメリカやイギリスを中心に広まり、日本では1990年代に取り入れられました。その特徴は、単に教師が生徒を評価するのではなく、生徒も自ら自己評価をしていくことにあります。生徒自身が自分を客観的に評価しながら、ファイリングする情報を選択していく中で成長していくことが期待されます。
・「クリエイティブ」用語としてのポートフォリオ
クリエイティブの世界でポートフォリオといえば、自分がこれまでに創作したり関わったりしたデザインなどの成果をとりまとめた、いわゆる作品集のような資料のことを言います。自分の創作実績や創作傾向、能力を知ってもらうための営業ツールとして活用されます。これが最もよく見かけるポートフォリオの使い方かもしれません。
例えばグラフィックデザイナーの場合は、これまでに自分が創作した書籍の表紙、ポスターといったデザインをとりまとめたりします。また、WEBデザイナーであれば、自分が作成したWEBサイトのデザインをオンライン上で見ることのできるWEBポートフォリオともいうべきサイトを立ち上げ、プリントアウトした紙媒体の資料をあわせて用意したりもするようです。
このように作成したポートフォリオは、クリエイターやデザイン事務所が自分を売り込むための営業資料として使用されています。
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投資をする上でポートフォリオは必要?
最近では、コロナウイルスや天災、各国の政治の影響により相場変動が大きいことに加え、相場の先行きが不透明であることから、投資においてポートフォリオが重要視されています。なぜ投資するうえでポートフォリオが重要なのでしょうか。本章では、投資の際にポートフォリオを組むことで得られるメリットを紹介します。
・投資資産の管理が容易
様々なリスクを見越して複数の金融商品を購入したとしても「何を」「どれくらい」保有しているかを理解できていなければ、リスク分散の意味を成しません。
専業のデイトレーダーなどでない場合、投資においては金融資産を中長期目線で保有するほうが利益が出る可能性が高いという観点から、数年から数十年単位で金融資産を保有することが一般的のようです。一つの資産で運用している間にも新たな金融商品に投資を行うと全体における各資産の比率は変化し、資産運用の難易度も高くなっていきます。
投資ポートフォリオを設定しておくことで、現在保有している金融商品がどれだけあるかを一目で管理できるため、リスクを最小限に抑えた投資・運用を目指す方は、必ずポートフォリオを設定しておきましょう。
・リスクリワードが明確になる
投資ポートフォリオを設定する目的はリスクヘッジです。リスクヘッジをするためには、リスクリワードが明確である必要があります。リスクリワードとは、1回のトレードにおける「リスク(損失)」と「リワード(報酬)」の比率のこと。この比率は金融資産ごとに異なります。
投資ポートフォリオが作られていれば、資産配分が一目でわかるため、保有資産のリスクに対してどれくらいのリワードになるのかが、はっきりします。
リスク回避を意識しすぎては、リワードが期待できません。一方、リワードの期待値のみを追っていては、リスクが大きくなり、ポートフォリオを設定する本来の目的を見失います。中長期的に投資運用していくためには、リスクリワードを明確化し、バランスの良い投資ポートフォリオを設定することが重要なのです。
投資をする上で重要なポートフォリオとそのポイントは?
金融・投資分野におけるポートフォリオとは、リスクヘッジを目的とした金融資産の組み合わせであることは最初に見てきました。ほかにも、ポートフォリオの作成は、大きな収益を目指すのか、損失を最小限とする安心志向とするのかという、投資の方向性に大きく関わってきます。
大きく利益を出すには、リスクは大きくても大きなリターンを期待できる金融資産の配分を大きくすることになり、一方で、損失を抑えて安全に運用したい場合は、リターンは小さくてもリスクの低いものを中心に選ぶことになるでしょう。本章では、初心者向けに具体的な例で考えてみます。
・初心者向けローリスク・ローリターンの投資例
(1)リスクやリターンをともに抑えた安定的な投資を目指す場合
リスクとリターンをともに抑えた堅実な投資を目指すときは、比較的価格の変動幅が小さくリスクが低い資産に分散投資するポートフォリオが合っていると言えます。具体的には、国内債券の比率を大きくして、残りも比較的リスクの低い国内株式や国内REIT(不動産投資信託)などに投資します。
一例をあげると以下のとおりです。
・国内債券:60%
・国内株式:20%
・国内REIT:20%
運用期間を比較的長めに取ることができる場合は、目標利回りは3%程度と小さく設定するのが現実的です。この目標であれば、リスクの高い新興国の投資信託などに投資する必要はありません。国内債券を中心にローリスクの安定的な投資を目指しましょう。
(2)資産を分散して確実にリターンを得たい標準的な投資の場合
値動きによるリスクをある程度抑えつつ、リターンを得る機会を広くしておきたい場合は、できるだけ様々な金融資産に広く分散投資するとよいでしょう。
一例をあげると、以下のとおりです。
・国内株式:10%
・国内債券:30%
・先進国株式:10%
・先進国債券:10%
・国内REIT:10%
・先進国REIT:10%
・新興国債券:10%
・新興国株式:10%
上記のように、ローリスクの国内債券から、ハイリスクの新興国株式まで多岐に渡っているポートフォリオもありえます。これで年率3〜5%の利回りを目指すのがまさにスタンダードな分散投資といえ、無理のないやり方で目標達成に近づくことができるかもしれません。
・上級者向けハイリスクハイリターンの投資例
(1)ハイリターンを目指して積極的にリスクをとる場合
かなりのリスクを覚悟してでも、大きなリターンを取りにいくのであれば、外国の株式を中心とするポートフォリオがよいでしょう。新興国はもとより、先進国の株式も比較的変動幅が大きく、大きなリターンが狙える可能性があります。
一例をあげると以下のとおりです。
先進国株式:50%
新興国株式:50%
(2)ある程度積極的にリターンを目指して海外資産にも投資する場合
上記パターンはかなりの積極投資といえますが、そこまでリスクを負わず、5〜8%と高めの利回りを目標に設定するならば、やはり大きなリターンが期待できる先進国や新興国の株式に比重をおいたポートフォリオが合っているでしょう。
一例をあげると以下のとおりです。
・国内株式:10%
・先進国株式:30%
・先進国債券:20%
・新興国債券:10%
・新興国株式:30%
上記のように、ハイリスクハイリターンの金融資産を中心に幅広く分散投資するポートフォリオが考えられます。ただし、繰り返しになりますが、このような投資はリスクも高いということだけは肝に銘じておいてください。
このテーマに関する気になるポイント!
- ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、主に金融・教育・クリエイティブの3つの分野に使われる用語です。投資では「金融商品の組み合わせ」の意味で使用されることが多いです。 - 金融投資ポートフォリオって?
金融投資ポートフォリオとは、金融商品の具体的な組み合わせを指します。どの商品をどれくらい保有するか検討することを「ポートフォリオを組む」「ポートフォリオを作成する」などと表現します。
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