IMF(国際通貨基金)とは?アフターコロナの世界経済の見通しをやさしく解説

リリース日:2021/06/29 更新日:2024/09/10

IMFが2021年4月に発表した世界経済見通しによると、2021年の経済成長率は6.0%となる見込みです。日本では、緊急事態宣言も出される中、このまま経済は順調に上向くのでしょうか。世界経済の見通しについて解説します。

IMF(国際通貨基金)とは?アフターコロナの世界経済の見通しをやさしく解説
  1. IMF(国際通貨基金)とは?
  2. IMF(国際通貨基金)の主な役割
  3. 「世界経済見通し」とは?
  4. 世界経済見通し2021年春季レポートから読み解けること
  5. 今後の世界経済のゆくえ
  6. 外国株式なら楽天証券

IMF(国際通貨基金)とは?

IMF(国際通貨基金)とは?

IMFとは、International Monetary Fundの略称で、1944年にアメリカで開かれたブレトン・ウッズ会議で創設が決定され、1947年3月に運営が開始された国際機関です。現在の加盟国数は190カ国に達しています。

 

IMFには年1回行われる年次総会や年2回開催される国際通貨金融委員会といった会合があり、日本からも日銀総裁がこれらの会合に参加しています。

IMF(国際通貨基金)の主な役割

IMFの主な目的は、国際金融の安定、国際通貨協力の推進です。

 

IMFにはサーベイランスという制度があり、常に加盟国の経済状況をモニタリングしています。国際的な収支がひどく悪化した加盟国に融資をするとともに、改善策の提言をするなどして、国際貿易の促進や為替の安定などに貢献しています。

 

IMFの融資対象となるのは、経済的な危機に直面した国または直面しそうな国です。現在の最大借り入れ国は、ギリシャ、エジプト、パキスタン、ウクライナとなっています。

また、加盟各国のより良い経済制度構築のため、税制、経済政策、金融システムの監督・規制などの分野で支援することもIMFの役割です。支援とは主に上記分野に携わる人材の能力開発を意味し、IMFが政策に焦点を当てた研修を通じて、経済政策担当者を育てていきます。

参照元:IMFの能力開発

さらに、IMFは世界的な経済の見通しや金融市場、国家財政の動向などを分析し、定期的にレポートを発表しています。IMFが定期的に発表している主なレポートは以下のとおりです。

 

●世界経済見通し
●国際金融安定性報告書
●財政モニター
●対外セクター報告

よくニュースでIMFの名前は聞くけれど、具体的に何をしているのかまでは知らなかったわ!でもどれも大事なことよね



「世界経済見通し」とは?

「世界経済見通し」とは?

IMFが発表するレポートの中でも、サーベイランス活動の一環として、世界経済を分析したレポートを「世界経済見通し(World Economic Outlook)」といいます。通常1月、4月、7月、10月に発表され、世界全体の経済だけでなく、アジアやヨーロッパ、その他新興国、発展途上国などについても詳しく分析します。

世界経済見通し2021年春季レポートから読み解けること

世界経済見通し2021年春季レポートから読み解けること

IMFの「世界経済見通し」が、2021年4月に発表されました。そのレポート内容を簡単にまとめてみます。

 

・2021年経済成長率は6.0%と予測
レポートは、2020年の世界経済の成長率をマイナス3.3%と推定した上で、2021年はプラス6.0%まで回復し、2022年は4.4%に成長のペースを緩めるとしています。

 

これは、2020年10月に発表された「世界経済見通し」をやや上方修正したもの。2020年後半から世界各国がロックダウン解除後から新たな働き方に適応し、予想を上回る経済の回復が見られたことや、追加の財政支援、コロナワクチン普及による景気回復が見込めるようになったため、このような判断となりました。

 

2008年のリーマンショックに端を発する世界的な経済危機と比べると、今回のパンデミックが残す傷跡はより小さいものとなる可能性が高いと分析しています。

 

・先進国と新興国の格差拡大
2020年に予想したほど経済的ダメージは大きくないとはいえ、それはすべての国に当てはまるわけではないようです。

 

パンデミック以前から問題を抱えていた発展途上国にとっては、コロナ不況のダメージも大きく、その影響も長期にわたるとしています。

 

特に深刻な影響を受けるのは、そういった国々の中でも、若者、女性、比較的学歴が低い労働者など。今回のパンデミックが所得の格差を広げることになるとレポートは指摘しています。

今後の世界経済のゆくえ

今後の世界経済のゆくえ

IMFの「世界経済見通し」からもわかるように、世界経済全体としては、景気は回復していくと考えられます。特にアメリカや中国は2021年中にGDP(国内総生産)がパンデミック前の水準に回復し、今まで以上に世界経済を引っ張っていく重要な役割を担うことになるでしょう。

 

ただし、経済大国といわれる一部の国と発展途上国との格差は大きくなっていく可能性が高まっており、今後国際的な支援の拡大が重要な検討課題となるでしょう。

 

もちろん、コロナワクチンの効果や変異株の拡大状況によっては、予想とまったく異なる情勢になることもあります。IMFのレポートも現時点での見通しに過ぎないことはいうまでもありません。

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FAQ

  1. IMF(国際通貨基金)とは?
    国際金融の安定、国際通貨協力の推進を目的とした国際機関です。
  2. IMF(国際通貨基金)は何の略?
    International Monetary Fundの略になっています。
  3. IMF(国際通貨基金)はいつ作られたもの?
    1944年にアメリカで開かれたブレトン・ウッズ会議で創設が決定、1947年3月に運営開始しました。
  4. IMF(国際通貨基金)に参加している国の数は?
    2021年6月現在、190カ国です。
  5. IMF(国際通貨基金)のサーベイランスとは?
    加盟国の経済状況をモニタリングし、収支がひどく悪化した加盟国に融資をするとともに、改善策の提言をして、国際貿易の促進や為替の安定を計る制度です。

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この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
Tsun

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

現役の生命保険営業マン。FP2級資格を保有し、個人のライフプラン、マネープランから適切な保険の組み立てを提案しています。個人的にはFXでのデイトレードを得意とし、現在も積極的に運用中。

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