中国共産党は、中華人民共和国の政党。英語ではCCP（Chinese Communist Party）と呼ばれています。中国では中国共産党による事実上の一党独裁体制が敷かれています。これは、ヘゲモニー政党制といわれる状態。形式的には複数政党制なのですが、中国共産党以外は衛星政党にすぎず、真の反対党としては存在できない制度です。党員の数は2020年時点で約9,200万人、その家族を含めると2億7,000万人にもなります。

中国共産党の前身となるのは「マルクス主義研究会」で、1919年5月4日には、反政府・反日・反帝運動の五・四運動に参加していました。中国共産党が結成されたのは1921年7月。上海で、中国共産党第1次全国代表大会が開催されました。

その後、中国共産党は中国国民党と妥協路線を続けていました。しかし1945年に日本が第2次世界大戦で敗北すると、内戦に突入します。最終的に中国共産党は国民党を打倒し、1949年10月1日に中華人民共和国を建国。中華民国とそれを支える国民党は根拠地を台湾に移しました。

1966年からの文化大革命などの混乱を経て、1978年に鄧小平の指導体制が確立。それまでの革命路線から改革開放、現代化路線への転換が始まります。ただ1989年に天安門事件が起きた後は、党の独裁指導体制が再び強まりました。2002年に江沢民が胡錦涛に権力を移譲したときは、混乱を招く権力闘争のない平和的なものだったと評価されています。

2012年からは、習近平国家主席と李克強総理による体制が始まりました。GDPを2020年までに2000年の4倍とする、などの目標を掲げたことで注目されました。そして2021年に中国共産党は、創立100年を迎えることになるのです。

一帯一路の正式な名称は、「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード」。シルクロード経済ベルトは、中国からユーラシア大陸を経てヨーロッパまでつながる陸路を指しています。21世紀海洋シルクロードは、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸までを結ぶ海路を意味しています。「一帯一路」政策は、この2つの地域でインフラの整備や貿易を促進していくという計画です。2014年に開催されたアジア太平洋経済協力（APEC）で習近平国家主席が提唱しました。

「一帯一路」政策は発展途上国への経済援助にもなる、巨大なインフラ投資計画とみられていましたが、やがて問題点が指摘されるようになります。例えばインフラを整備する際、発展途上国が中国から融資を受けることがあります。しかし債務が大きくなりすぎて返済が困難になり、土地を取られるといったことが起こったようです。

・悪化する米中関係
米国がトランプ政権からバイデン政権へと移行するなか、米中関係の動向に注目が集まりました。トランプ政権時代からつづく米中の対立に変化があるかが焦点となっています。2021年に入り、米中関係を悪化させる問題となっているのが、中国当局による少数民族ウイグル族への人権侵害。これに対して米国は、EU・英国・カナダとともに対中制裁を発表しています。中国もこれに対抗する形で制裁を発表していて、米中関係は悪化の様相をみせています。

・香港・台湾との関係
香港は、1997年に英国から中国に返還されました。このとき導入されたのが、高度な自治を保障する「一国二制度」。香港の発展を支える制度でしたが、近年これが崩れる事態となっています。2019年には「逃亡犯条例」改正案をめぐる、大規模なデモが発生しました。2020年6月には香港での反体制活動を禁じる「香港国家安全維持法」が施行され、海外から懸念される事態となっています。

中国と台湾の対立も激化しています。中国と台湾は1949年に国共内戦が終わると、それぞれ政府を樹立しました。その後、中国は台湾の国際的な活動を制限する工作を続けてきました。その結果、台湾と正式な国交を結んでいる国は少数にとどまり、多くの国が通商関係や非公式な関係を持つという状況になっています。そうしたなか2021年に入り、中国は中国軍の戦闘機を飛行させるなど、台湾周辺での軍事行動を活発化させ、緊張が高まっています。

FAQ

1. 中国共産党とは？
   中華人民共和国の政党。中国では中国共産党による事実上の一党独裁体制が敷かれている。
2. 中国共産党の歴史
   中国共産党が結成されたのは1921年7月。その後、中国共産党は中国国民党と妥協路線をつづけ続けていました。最終的に中国共産党は国民党を打倒し、1949年10月1日に中華人民共和国を建国。
3. 中国共産党が掲げる「一帯一路」とは
   一帯一路の正式な名称は、「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード