金融についての教育|2022年度から変わる学校教育。年齢ごとの授業内容とは

リリース日:2021/06/08 更新日:2024/10/30

生活する上で必要となる金融リテラシーを学ぶのが、金融教育。英国や米国に比べ日本が遅れている分野ですが、2022年から高校家庭科で学ぶことになります。金融リテラシーの意味や必要性を解説します。

  1. 今日までの金融教育の実施状況
  2. 「金融教育」では「金融リテラシー」を教えている
  3. 日本は遅れている!?世界の金融教育
  4. 2022年度からの金融教育はどう変わる?

今日までの金融教育の実施状況

近年、家計の管理や投資など、お金について学ぶことの重要性が指摘されるようになってきました。学校での金融教育はこれまでにも実施されているのですが、それでは不十分という意見が増えています。学校での金融教育について、教員を対象に行ったアンケートがあります。「金融経済教育を推進する研究会」が平成26年に公表した「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」の結果をみてみましょう。全国の社会科・技術家庭科・公民科・商業科を担当する教員が回答しています。

 

これによると、ほとんどの教員が「賢い消費者としての知識を身に付けるため」金融経済教育の必要性を感じていると答えました。しかしその一方で、金融教育にあてる時間は不足しているようで、約3割の教員が金融経済教育を実施できていない状態も明らかとなっています。さらに教育内容についても不満が出ています。金融に関する用語や制度についての解説が中心で、実生活とのつながりを感じられないという声です。より実践的な金融教育が求められているのです。

「金融教育」では「金融リテラシー」を教えている

「金融教育」では「金融リテラシー」を教えている

ひと口に「金融教育」といっても、なかなかイメージが湧かないかもしれません。「金融教育」とはどういうことなのか、詳しくみてみましょう。

 

最近よく聞くようになったのが「金融リテラシー」という言葉。リテラシーというのは、もともと言葉の読み書きができる能力を指しています。読み書きができれば、社会生活において様々な情報を理解し、また相手に伝えることも可能になります。金融リテラシーも同じこと。金融商品・サービスの情報を集め、自分で判断・行動する能力ということになります。

 

「金融教育」では、この「金融リテラシー」を教えているのです。現在の金融商品・サービスに関する情報を見渡すと、一昔前とは大きく状況が変わっているのが分かります。金融商品は高度化し、名前をみてもその内容がイメージできないこともあります。説明をよく読んで内容を理解する能力が必要なのです。また金融商品の種類が多くなったことも、大きな変化といえます。自分にあったものを選ぶのが、難しくなっています。これからの時代、金融リテラシーがなければ、生活に支障をきたす場面が出てくるかもしれません。




日本は遅れている!?世界の金融教育

日本は遅れている!?世界の金融教育

世界で金融教育が進んでいるのは、英国や米国。日本はやや遅れているといわれています。その原因の一端が、道徳心のありかた。お金にこだわるのはよくないとか、子どもの前でお金の話をするのは控えたほうがよいとかいう考え方があります。たしかにお金にこだわり過ぎるのは、あまり良い人生ではないと考える人がいるかもしれません。しかし生活上、必要な金融リテラシーを学んでおくことは、今後より良い人生のために必要といえるでしょう。

 

米国では1960年頃から学校で消費者教育が行われていて、1970年代には経済における実践的な教育もカリキュラムに組み込まれるようになっていました。小学校で小切手について学び、高校生になるとクレジットや投資について学ぶといった状況です。1978年からは401(K)プランと呼ばれる確定拠出年金の制度も導入され、企業の従業員に対する投資教育も不可欠となっています。投資が老後の生活を豊かにし、また経済全体を豊かにするという考え方が広がっているのです。

2022年度からの金融教育はどう変わる?

2022年度からの金融教育はどう変わる?

世界に比べ、やや遅れている日本の金融教育。2022年度からは、高校の授業で大きな変化が起こります。高校の新学習指導要領が2022年度から順次実施されるのに合わせ、家庭科で「資産形成」の視点に触れた授業が行われるようになるのです。高校の家庭科には「生活における経済の計画」という項目があり、そのなかに家計管理があります。収支バランスやリスク管理と並んで、預貯金・民間保険・株式・投資信託・債券等の基本的な金融商品の特徴(メリットやデメリット)を教えることになっています。これからは高校生のうちから、本格的なマネ活の知識が学べるようになるということです。

金融教育が変わることで、高校の教員も金融を学ぶ必要性が出てきました。これについては金融庁がサポートをおこなうようです。学校の先生を対象にしたイベントを開催し、つみたてNISAiDeCoといった税制優遇制度や、「長期・分散・積み立て」投資の効果などを教員が学べるようにします。

 

これからは子ども世代の金融教育が充実していきますが、親世代・これから親になるといった世代にとっても金融リテラシーは重要です。投資に関しては、まず楽天証券で口座を開設し、少額ずつ投資信託による積み立てを始めるというのが第一歩となるでしょう。楽天ポイントがもらえるキャンペーンが実施されていることもあります。

 

国内の株式と債券、海外の株式と債券をどう組み合わせるか、どんな投資信託を選ぶかは人それぞれです。自分のリスク許容度を考え、金融商品を選択する。そんな時に役立つのが金融リテラシーです。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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