3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
流行の逆を行く!米国株投資家もみあげさんに聞く、投資での幸せな環境の整え方
自分や家族の未来を守れるだけの資産を作るため、米国株投資を始めたもみあげさん。Twitterやブログで日々情報発信を行うほか、2020年には初の著籍も刊行しました。もみあげさんが米国株投資を始めた理由、投資初心者へのアドバイスについてお聞きしました。
投資を始めたのは、自分と家族の未来を守るため
マネ活編集部:今日はTwitterのフォロワーが3年半で15万人(※2022年7月時点)を超えたもみあげさんに、米国株投資についてのお話を伺います。まずは現在の活動を教えていただけますか?
もみあげさん:アメリカの中西部、比較的物価が平均的なエリアで駐在生活をしており、今年で8年目になります。本業はサプライチェーン関係、システム関係のマネジメントです。本業とは別に、個人的にTwitterでの毎日の米国株の状況のツイートや、ブログでの米国株の1日の状況のまとめ記事のアップ、銘柄分析などを行っています。あとは講座に呼ばれたりもしていますね。いずれも米国株の裾野を広げるような活動です。
マネ活編集部:もみあげさんが米国株投資を始められたのはいつ、どのようなきっかけだったのですか?
もみあげさん:始めたのは2018年9月頃です。きっかけは、初めてドル資産が手元にできたからでした。それまでの私は、お恥ずかしながら貯金がゼロだったんです。でも、お金に執着心があるわけではなく、無駄遣いをする生活を送っていたわけでもなかったので、仕事をして生活をしていただけで、ある程度のお金が貯まったんですね。
そのときに、「このままだと人生まずいんじゃないか?」と思ったんです。身内でお金が原因で苦労したりトラブルが起きたりしていたのを見聞きしていたこともあって、自分と家族を守れるくらいは資産を作っておくべきなんじゃないかと。
資産を運用することに目が向いたものの、何の知識もありませんでしたから、友人にどうしているか聞いてみたんです。すると、やっぱりみんな何かしら資産運用をやっていた。彼らの多くがやっていたのはいわゆる銀行預金なんですが、その利率が2%ちょっとあるというんですよ。日本とは大違いで驚きましたね。
それからいろいろと話を聞いていく中で、株式投資について知りました。米国株投資は年率が5%になることもあると聞き、銀行預金よりいいじゃんと惹かれましたね。それまでの私は株式投資といえば日本株のイメージしかなかったですし、バブルが崩壊して株価が弾けたくらいしか知識がなかったので、興味を持ったことで自分でもいろいろと調べ始めました。
マネ活編集部:知識がない中、投資に対して不安はなかったのでしょうか。
もみあげさん:ETF(Exchange Traded Fund)という日本語でいうところの上場投資信託が存在していること、そのETFから始めれば、もし暴落がきても基本的にはETFのパックから買っているから大丈夫だということ、これまでにも株価が下がっても戻っている歴史があること、を聞きました。そこから、自分でも調べて少しずつ不安感を消していった覚えがありますね。
一次情報・出来る限りバイアスのかかっていない情報を得るのが大切
マネ活編集部:何も知らない状態から、もみあげさんはどのように投資活動を行ってきたのでしょうか。
もみあげさん:「ウォール街のランダム・ウォーカー」や「敗者のゲーム」など、名著とされる書籍はちゃんと読みましたね。あとはブログです。実際にアメリカに住んでいて運用されている方のものを読んでいました。自分でブログを始めたのは2019年4月です。初めての投資なので、楽しみながら情報共有もしていきたいなという気持ちで始めたんですが、発信をすることでより真剣に勉強するようになりました。
マネ活編集部:今はどういった投資をされているのでしょうか。
もみあげさん:今はほとんどが債券ですね。以前は個別銘柄をメインに成長株投資をしていたんですが、1回すべて手じまいしました。そこからは、マーケットの状況がいいとき悪いときの両方でプラスにできるようにしたいなと思い、株式などの売買を一日で完結させるデイトレードや、2,3日から数週間の短い期間で売買をするスイングトレードをやっています。スイングトレードを始めたのは、短期間で売る人たちのことを知りたい、そのためには自分もできるようにならないとダメだなという思いがあったからです。
おそらく、今後マーケットが安定してくるようになったら、今度はしっかりポジションを固めた上で、ETFと個別株を半々くらいでやっていくでしょうね。使える資産のうちの5割をETFにし、4割を個別銘柄、残り1割をグロース株に使おうかなといった感じでしょうか。
マネ活編集部:投資を始められてから今までの間に、何か大変なことはありましたか?
もみあげさん:コロナパンデミックのときにもつらい減り方を経験しましたが、一番手痛い思いをしたのは、2021年1~2月に経験した急上昇と大暴落です。コロナパンデミックの下落は1、2カ月ほどで終わり、2020年後半にはコロナバブルが起こりました。その後、もともと1月には暴落するといわれていたんですが、実際には逆がきたんですね。そこで、いろんな銘柄にオプションでレバレッジをかけたりして、資産を2,000万円くらい増やしたんです。
しかし、1月が終わって2月になると急落がきて、ここで2,000万円くらい減らしてしまったんです。こんなになるのかと思いましたね。コロナバブルは金融資産バブルだったと思うのですがその威力を自分でわかっていなかった。このときはパニックになりましたね。
2022年7月の今もじりじり減っていて、底がどこかわからない感じは精神的につらいものがあります。
また、コロナバブルを経験し、情報発信者としてバイアスをかけてしまったなと反省もしています。例えば、「高配当株を買っておけば配当がもらえるよ」といわれていましたが、高配当株はパンデミックがきたときにめちゃくちゃ下がるんですよ。でも、発信者はその事実をオープンにはしない。私も似たようなことをしていたと思います。やっぱり、人は自分に都合が悪いことはなかなかいいたくないものですから。
それから、あらためて書籍を読み直したり一次情報を重視したりするようになりましたね。株式投資がどう回っているのか、もう一度真面目に考え始めたんです。Twitterでも情報収集をしていますが、信頼のおける人をリスト化して情報を追うようにしています。都合が悪いときにもいつも通りにユーザーへ情報発信している人を信用しようとも思いましたし、自分自身もそうあるべきだと強く感じました。
むしろ、いいときには注意喚起に繋がる悪いことを伝え、悪いときには投資を続ける後押しができるような考え方を伝えることが大切なんじゃないかなと思っています。本当は悪いときに始めるのがいいことだし、そういうときにこそ続けるべきだと思っていまして。世に広く出回る情報はバイアスがかかっていますから、どうしても振り回されてしまう。ですから、一次情報にこだわり、株式だけではなくマクロ経済や債券市場のことも勉強しました。
投資は衣食住+やりたいことを叶える手助けとなる手段
マネ活編集部:米国株投資の一次情報となると、英文を読めなければならず、初心者からするとハードルがぐんと上がってしまうと思います。初めて米国株投資をやってみようという初心者に向けて、アドバイスをいただけますか。
もみあげさん:まずはつみたてNISAを満額やりましょう。銘柄で全世界株式とS&P500で迷われる方がいるでしょうが、どちらでも構いません。
つみたてNISAは特別な情報が不要なんですよ。証券口座を開いて、申し込むだけでいい。アメリカ人は、年金や貯金の代わりにS&P500を非課税制度を用いてコツコツやっているんです。投資しているとも思っていない。いわば貯金感覚でできる投資なんです。ただ、貯金感覚でできるものではありますが、あくまでも投資でありリスク商品ではあるので、元本保証があるものではないという認識だけは持っておいてください。
あとは指数連動したETFを買うことと、ナスダックや高配当のきちんとしたものを買うことでしょうか。そうやって自信がついてきて個別株をやりたいとなったときに、「さあ、どうする?」でいいと思います。半年から1年くらいは、あまり難しい情報はいらないでしょうね。
一次情報を得る段階になったら、海外のブルームバーグとかウォール・ストリート・ジャーナルを読みましょう。私のTwitterもフォローしてもらえると嬉しいですが、やっぱりなかなかバイアスをゼロにするのは難しいですから。
マネ活編集部:最初はそこまで難しく考えなくていいんですね。ほかに何かアドバイスはありますか?
もみあげさん:余剰資産をすべて突っ込むギャンブルのようなことはしないこと。基本はコツコツと長期的に増やしていくことに向いているつみたてNISAやS&P500、インデックス投資にしましょう。リスクのあるグロース株などは、最悪半分に減ってもいいやと思える金額でやってほしいですね。
あとは、流行りに乗せられないこと。流行っているときではなく、米国株の下落相場などでみんなが投資をやめていったり、つらいなと思ったりするときこそ「続けましょう」と伝えたいですね。マーケットを追うのがつらければ見なくていい。でも、やめることはせず、きちんと続けてほしいです。
今は世界の情勢や市況などが先行き不透明で不安になりやすい時期ですが、今株を手放してももう遅いです。書籍や雑誌、中吊り広告、ネットニュースに、投資に関して今が買い時や売り時などの同じような文言が並び始めたら、それは流行っているということ。そのときには逆にいかないとダメだと思っています。私自身、流行りに乗ってしまってギリギリまでいった結果、手痛い思いをしているからこそ、そう思いますね。
ちなみに、さまざまな株が紹介されているときはブームが起こっているときです。逆に、そうではない悪いときに綺羅星のような強い株を見つけたら、それはものすごくチャンスを掴める株なのかもしれませんよ、というのは、経験談としてお伝えしたいですね。悪いときにこそ視野を広げておくと、そうした銘柄に出会えるかもしれません。
マネ活編集部:もみあげさんは2020年に著書の出版もされ、ますます影響力が増しているのではないかと思います。今後の活動についてお聞かせいただけますか。
もみあげさん:本を出したあとの2021、2022年はとんでもないジェットコースターのような日々を味わっていますから、メンタル的にも方針的にも、長期的に投資ができる環境作りに繋がる発信を心がけていきたいですね。先ほども申し上げたように、いいときにはあえて厳しいことを、悪いときには前向きに続けられる考え方を、と必要なことをきちんと発信したいです。投資が当たり前にやれて、きちんと資産形成ができるような手伝いをしたいなと思っています。
私は衣食住と自分のやりたいことが満ち足りていることが幸せで、その助けになるのが投資だと思っているんですよね。起業など、目的があっての投資は別として、単にお金持ちになりたいから投資するという考えで成功する人は100人に1人くらいしかいないと思うんです。それを今回あらためて痛感しています。家族含めて幸せになれる環境を整えるためのものが投資で、それが叶うならば十分だと思っています。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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