配当金を狙った投資は、売却益を狙う投資と比べると、取引タイミングに気を使わずに安定した利益を生むイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし注意点を把握せずに投資をしてしまうと、思わぬ損失に繋がってしまいます。
そこでここでは、配当金の基礎知識や配当金の大きな注目株、配当狙いの株式投資で注意したいポイントについて詳しくお伝えします。是非今後の株式投資の参考にしてください。

株式投資の利益には、株を保有していることで得られるインカムゲインと、株を売却することで得られるキャピタルゲインがあり、配当金はインカムゲインにあたります。株式の持ち分に応じて株式会社から利益の還元を受けますが、無配当の会社もありますし、業績によって配当がなくなったり減配されたりすることもあります。

配当金を受け取るためには、各社が定める権利確定日に株主名簿に登録されていなければなりません。権利確定日は決算日と同日である企業が多いですが、会社によって異なるため必ず確認しておきましょう。

なお権利確定日に株主名簿に登録されるためには、権利付き最終日に株を保有している必要があります。権利付き最終日は権利確定日の2営業日前です。例えば、3月31日が権利確定日であれば、3月29日が権利付き最終日となります。

配当金がいくらもらえるのか。これは誰もが気になるポイントですし、株式投資をするうえで非常に重要です。配当金を把握する際は、「配当利回り」と「配当性向」を確認しましょう。

・配当利回りとは
配当利回りとは、購入した株価に対して、1年間で受けられる配当金の額を示す数値です。配当利回りを求める計算式は、以下の通りです。

配当利回り（％）＝1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100

株価が低く配当金が多ければ配当利回りは大きくなり、株価が高く配当金が少なければ配当利回りは小さくなります。つまり、配当利回りの大きな株であるほど、小さな投資金額で大きな配当金を得られます。

・配当性向とは
配当性向とは、配当利回りと並んで、配当金から企業を評価する指標として投資家が注目する数値です。

純利益の中から、どれくらい配当金を支払っているのかを表す数値で、配当性向を求める計算式は以下の通りです。

配当性向（％）＝配当額（1株当たり）　÷　当期純利益（1株当たり）×100

配当性向の数値が高ければ、年間の利益に対して多くの配当金を株主に還元していることになり、配当性向が低ければ利益に対して配当金が少ないことを示します。

ただし、必ずしも配当性向が高ければ良い企業で、配当性向が低いと悪い企業ということではありません。利益を設備投資や事業拡大に回して、さらなる成長を遂げる企業はたくさんあります。そういった企業は、配当性向が低くなる傾向にありますので、その企業の展望なども考慮しながら投資判断をしましょう。

それでは、実際に配当金が多い国内の「高配当株」をご紹介します。

高配当の基準として、一般的には配当利回りが3％以上あることとされています。今回は、株式投資の経験が浅い方でも比較的投資しやすい投資額で、なおかつ規模が大きく安定した高配当銘柄をピックアップしました。

※2020年12月11日12：00時点

なお高配当銘柄は、証券会社のスクリーニング機能を利用すると簡単に検索できます。楽天証券の「スーパースクリーナー」には、配当利回り3％以上のおすすめを表示させる検索方法があります。初めての方もスムーズに銘柄を見つけられるでしょう。

アメリカでは、日本に比べ株式会社は株主のものであるという意識が強く、利益を株主に還元する傾向にあります。

日本の企業の多くが年1回もしくは2回の配当であるのに対し、アメリカの企業では年4回の配当を行う企業が多数あります。

また、50年以上に渡って配当を増やし続けている長期増配企業もあり、魅力的な市場といえるでしょう。