ロールオーバーとは?NISA口座利用者なら知っておきたいメリット・注意点

リリース日:2021/02/12 更新日:2024/07/24

2023年までの一般NISA口座の非課税保有期間は最長で5年間です。その期間が満了したら、保有している商品は課税口座(特定口座、一般口座)に払い出されます。非課税保有期間終了前に保有商品をロールオーバーすれば、非課税のまま保有し続けることができます。しかしロールオーバーにはメリットだけでなく注意点もあるため、必ずしもロールオーバーするのが正解ではありません。ロールオーバーとはどんな制度なのか、詳しく説明します。

  1. ロールオーバーとは
  2. ロールオーバーのメリット
  3. ロールオーバーの注意点
  4. ロールオーバーを忘れるとどうなる?
  5. NISAの非課税期間が延長に!

ロールオーバーとは

ロールオーバーとは、非課税保有期間が終わったNISA口座の商品を新たなNISA口座に移管し、引き続き非課税で保有することです。例えば、一般NISA(2023年までの制度)で2016年に購入した商品は、5年目の2020年末に非課税保有期間が終了します。この商品を引き続き非課税で保有するためにはロールオーバーが必要です。



ロールオーバーは1年間に買った商品をすべて移管するのではなく、任意の銘柄だけを選べます。非課税保有期間が満了した商品は自動的に課税口座に払い出されるので、すべてロールオーバーしないのであれば、手続きは不要です。

ロールオーバーのメリット

ロールオーバーのメリット

引き続き非課税口座で保有できる

ロールオーバーすれば、引き続き非課税の恩恵が受けられます。特に配当のある株は、メリットが大きいといえるでしょう。例えば、年1万円の配当が出る株を保有していた場合、課税口座では約2,000円の税金が引かれますが、NISA口座なら非課税です。5年間で約1万円の節税になります。

評価額が120万円を超えていてもロールオーバーできる

NISA口座で購入した商品なら、移管時に評価額が120万を超えていてもロールオーバーできます。さらなる値上がりが期待できる株なら、引き続きNISA口座で保有することで節税効果が高まるでしょう。




ロールオーバーの注意点

ロールオーバーのデメリット

下がり続けている株では非課税の意味がない

NISAで非課税になるのは値上がり益と配当益です。業績が悪化し、無配当で株価が下がり続けているような銘柄では、NISA口座の恩恵が受けられません。



それどころか、NISA口座での保有資産は損益通算ができない点に注意が必要です。課税口座であれば、A株でマイナス1万円、B株でプラス1万円になった場合、損益通算して0円ということで非課税にできます。一方、NISA口座のA株でマイナス1万円、課税口座のB株でプラス1万円の場合、損益通算ができず、B株のプラス1万円に課税され、約2,000円の税金がかかります。

NISA種別と金融機関によってはロールオーバーできない

ロールオーバーできるのは、同じ金融機関のNISA口座に限られます。「4年前はA証券で一般NISAを利用していたけれど、今はB証券でつみたてNISAをしている」という人は、そのままではロールオーバーできません。翌年のNISA口座をA証券の一般NISAに戻したうえでロールオーバーする必要があります。また、つみたてNISAで保有している商品は、そもそもロールオーバーすることができません。

新NISA口座へはロールオーバーできない

2024年からは新たなNISAが始まりますが、2023年までのNISA口座で買った商品を2024年以降のNISA口座にロールオーバーすることはできません。また、2024年以降の新NISA口座ではそもそも非課税保有期間が無期限になり、ロールオーバーを行う必要がありません。つまり、NISA口座の商品をロールオーバーすることが可能なのは2023年までということになります。

 

詳しい情報、最新の情報は金融庁のホームページでご確認ください。

ロールオーバーを忘れるとどうなる?

ロールオーバーの手続きをせずに期間満了を迎えると、保有していた商品は自動的に課税口座に移ります。移ってしまったあとに、やっぱりNISA口座で保有したいと思ったら、一旦売却してNISA口座で買い直しましょう。



もちろん、そのまま課税口座で保有しても構いません。NISAの枠を使わずに済むので、新たに別の商品を非課税で買付できます。



課税口座には、期間満了時の評価額で移管されます。例えばNISA口座で10万円で買った株が、期間満了時に12万円になっていたら、課税口座には12万円で移管されます。12万円ですぐに売ったとしたら、課税口座での利益は0円なので、税金がかかりません。つまり、10万円から12万円になった分は非課税なのです。

 

 

NISAの非課税期間が延長に!

現行のNISA制度は2023年で終了しますが、2024年からは新NISAがはじまります。新しいNISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」によって構成され、非課税保有期間は無期限となるため、そもそもロールオーバーの手続きが必要なくなります。また、年間投資枠、非課税保有限度額も拡大が予定されています。ただし、2023年以前のNISA口座で保有していた金融商品は新しいNISA口座にはロールオーバーできないなどの注意点もあります。

 

新しいNISAの最新の情報は金融庁のホームページでご確認ください。

楽天証券などの証券会社ではNISA口座の取引を行うことができます。楽天証券であれば、楽天ポイント楽天カードで投資信託などの購入もできます。ぜひチェックしてみてください。

 

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • ロールオーバーとは?

    非課税保有期間が終わったNISA口座の商品を新たなNISA口座に移管し、引き続き非課税で保有することです。

  • 2023年までのNISA口座の商品を2024年以降の新NISAの口座にロールオーバーできる?

    旧NISA口座から新NISA口座へのロールオーバーはできません。

  • つみたてNISAの商品はロールオーバーできる?

    つみたてNISAはロールオーバーできません。

  • つみたて投資枠のNISAにロールオーバーは必要?

    2024年からの新NISAでは非課税保有期間が無期限となるため、ロールオーバーは必要ありません。

  • 成長投資枠のNISAにロールオーバーは必要?

    2024年からの新NISAでは非課税保有期間が無期限となるため、ロールオーバーは必要ありません。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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