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サラリーマン大家さんの資産管理会社って?メリットとデメリットは?
一定以上の所得のあるサラリーマン大家さんは資産管理会社を設立することで節税できます。この記事では「資産管理会社って何?」というところから解説。資産管理会社のメリット・デメリットを確認しましょう。
資産管理会社とは
会社と聞くと社長が複数の社員を雇い、事業を行う組織をイメージすることでしょう。しかし、サラリーマン大家さんの資産管理会社は個人の資産を管理するために設立するもので、大規模な事業を行うわけではありません。これまで個人で営んできた事業を法人化することで、節税や相続対策につなげるのが狙いです。
資産管理会社を作るのは一部の大富豪と思われがちですが、ある程度不動産収入が多くなればサラリーマン大家さんにも有利にはたらきます。これは、一定の所得を超えると所得税よりも法人税のほうが安くなるためです。さらに個人の所得と管理会社の所得を分散させることで、税率を低く抑えられます。
資産管理会社の形態には株式会社と合同会社の2つがあります。どちらが有利ということはありませんが、運営コストは合同会社のほうが低いです。
資産管理会社の3つの種類
仮に、サラリーマン大家さんが自分の持っている不動産を管理するために資産管理会社を設立したとしましょう。資産管理会社には3つの種類があります。
・直接保有型
不動産を資産管理会社の所有にして管理・運用する方式です。不動産の運用で生じた利益はすべて資産管理会社の収益となり、そこから役員報酬が支払われます。大家さんの家族を会社の役員とすることで、所得の分散を図ります。
・管理委託型
不動産の持ち主は個人のままで、管理と運用のみ資産管理会社に委託するタイプです。不動産オーナーは、手数料として家賃収入の5%程度を資産管理会社に支払います。残りの家賃は従来どおり大家さんの所得になるので、所得分散の効果は限られます。
・転貸(サブリース)型
不動産の持ち主は個人のままで、資産管理会社が借り上げて管理・運用する方法です。入居者からの家賃はいったん資産管理会社に入り、その一部が大家さんに支払われます。家賃の取り分を調整することで、所得を分散させて税金を低く抑えます。
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資産管理会社のメリット
資産管理会社のメリットを詳しくみていきましょう。
・節税効果
一般的に資産管理会社を設立する最大の目的は節税です。大前提として、不動産から収入があった場合、個人にかかる税金で大きな割合を占めるのが所得税、法人の場合は法人税です。所得税の最高税率は所得金額4,000万円超で45%、これに住民税を合わせると55%。一方、法人税の最高税率は所得800万円超で23.2%。これに地方法人税や住民税、事業税率や地方法人特別税率を加えた実効税率は30%~35%程度ですから、法人で収入を受け取ると、実に20%以上の節税になります。
・相続対策
資産管理会社は相続にも有利です。個人で相続をすると、相続した資産はすべて相続税の対象になってしまいます。資産管理会社を設立し、配偶者や子供を役員に就任させれば、毎月の役員報酬という形で資産を少しずつ移転できるので、相続税対策として有効です。役員報酬を支払うことで資産管理会社の利益が減少し、法人税が軽減できるメリットもあります。
さらに、不動産を資産管理会社の持ち物にしておくと、相続の対象となるのは資産管理会社の株式です。不動産の遺産分割にはトラブルがつきものですが、資産管理会社の保有なら株式の分割で済むので、争いを避けられます。
資産管理会社のデメリット
節税や相続対策に大きなメリットがある資産管理会社ですが、覚えておきたい注意点もあります。
・会社を起ち上げるための手間や費用がかかる
資産管理会社を作るには手続きが必要です。登録免許税や定款印紙代、定款・登記簿の謄本手数料など、株式会社なら30万円程度、合同会社なら10万円程度かかるでしょう。専門家に手続きを代行してもらうためにはその代金もかかります。
・ランニングコストや事務的負担
資産管理会社という法人を維持するにはコストがかかります。個人事業よりも経理が煩雑になるため、これまで自分でやっていた人でも税理士など専門家の手を借りることになるかもしれません。その報酬がランニングコストとして必要です。
さらに、資産管理会社ではたとえ赤字でも毎年7万円の法人住民税がかかります。こうしたランニングコストや法人住民税の負担を考慮しても節税効果で得になるのか、十分に検討したほうがよいでしょう。
・副業規定に引っかかるおそれも
サラリーマン大家さんの場合、本業の会社の規定もチェックしておく必要があります。不動産投資だけならOKという会社でも、資産管理会社の役員となると規定に引っかかってしまうかもしれません。
まずは軌道に乗ってから
資産管理会社が有利だからといって、まだ十分に利益を上げていないサラリーマン大家さんが気軽に手を出せるものではありません。まずは個人で経験を積み、安定した利益を出せるようになってから資産管理会社の設立を検討するとよいでしょう。
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