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ドルコスト平均法でリスクを背負わずに投資スタート、メリット・デメリットとは?
長期的な積立投資を行う際に、有利といわれるドルコスト平均。どのように実行するのか、ナンピンとの違いは何なのか、メリットデメリットはどうなっているのか解説しています。また、FXを例にシミュレーションをします。
ドルコスト平均法をわかりやすく解説。ナンピンとの違いとは
ドルコスト平均法は、金融商品を継続的に購入する際に採用される投資手法です。一度にまとめて購入するのではなく、複数回に分けて、しかも一定額ずつ購入していきます。一定額ずつ買うというのがポイントで、一定口数ずつ買うこととの区別が必要です。
購入する金融商品として想定されるのは、株式や投資信託、外貨など、価格が変動するものが対象となります。金融商品の価格が高いときには、少ない口数しか買えません。その一方で価格が安いときには多くの口数を買うことができます。長期的に継続していくと、平均購入単価を下げる効果が期待できる投資手法なのです。
たとえば投資信託の積立投資をするとしましょう。毎月1万円で、ある投資信託を買えるだけ買うとします。投資信託の価格が一口100円の月は、100口買えますが、一口200円に値上がりしている月には50口しか買えません。逆に一口50円に値下がりしている月に買えるのは、200口です。安いときにたくさん買い、高いときには少しだけ買っていることがわかります。
ナンピンとの違い
似たような投資手法に、ナンピンと呼ばれるものがあります。漢字で書くと、「難平」です。こちらも平均購入単価を下げることを目的とした投資手法です。ある金融商品を購入し、その後価格が下がったとします。価格が下がったところで、さらに買い増しすることで平均購入単価を下げるというものです。
たとえば、1株1,000円の株式を10株買うとしましょう。1万円の投資です。その後株価が500円まで値下がりしました。2万円で40株買い増します。これがナンピン買いです。合計すると3万円投資して、50株買ったことになります。1株当たり600円です。最初のままだと、1株1,000円以上に値上がりするまで利益が出ませんが、ナンピン買いした後では、1株600円を超えれば利益が出ます。
ドルコスト平均法とナンピン買いは似ていますが、違いがあります。ナンピン買いは、投資対象の価格が下がったときにだけ買い増します。価格が上がったときには、買いません。むしろ利益確定の行動をとるでしょう。一方のドルコスト平均法では、投資対象の価格変動に関わらず買い続けます。長期的な積立投資において、平均購入単価が下がるからです。
メリット・デメリット
長期的な積立投資において、メリットを発揮するのがドルコスト平均法です。定期的に一定額を買い続ける、その単純さが一つのメリットと言えるでしょう。投資対象の値動きを予測することはしません。そしてドルコスト平均法の一番のメリットは、平均購入単価が下がる効果が期待でき、将来的に利益が出やすくなることです。
しかし、投資対象の値動きを予測し短期的な利益を狙うような場合には不向きです。何らかの情報を得て、ここが底値だという確信があっても、決まった額以上は購入できません。ここが天井なので売却すべき、と思っても売却しません。情報や予測をもとにタイミングを狙って売買をしたいケースでは、ドルコスト平均法の採用はデメリットとなるでしょう。
もう一つのデメリットは、仮定の話となります。20年間投資するとしましょう。投資対象の価格が、20年間上昇し続けるということもあり得ます。その場合、ドルコスト平均法で買っていくよりも、最初にまとめて買ってしまったほうが有利です。
ドルコスト平均法で買っても、最初にまとめて買うよりは平均購入単価が高くなるでしょう。とはいえ、これは結果論と言えます。将来の値動きが予測できない状況では、デメリットと言い切ることはできないかもしれません。
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FXでのドルコスト平均法のやり方。ドルコスト平均法を使った投資シミュレーション
ここでFXによる外貨投資を例に、ドルコスト平均法のシミュレーションをしてみたいと思います。
・シミュレーション1
米ドルを3回に分けて、1万円分ずつ買う場合を考えます。これはドルコスト平均法の買い方です。最初に1ドル110円のとき1万円分買いました。90.91ドル買ったことになります。
2回目は1ドル105円で95.24ドル。3回目は1ドル115円だったので、86.96ドル買いました。(値は小数点第3位を四捨五入)。合計すると3万円投資し、273.11ドル手元にあります。1ドルあたりの平均購入単価は、3万円÷273.11ドルで、109.85円です。
・シミュレーション2
比較対象として、米ドルを3回に分けて100ドルずつ購入するケースも見てみましょう。
投資信託で言えば、3回に分けて100口ずつ買うことにあたります。これはドルコスト平均法とは言えません。最初は1ドル110円のとき100ドル買ったので、1万1,000円の投資をしました。同様に、1ドル105円のときに1万500円、1ドル115円のときは1万1,500円の投資をしました。合計すると3万3,000円投資して、300ドルを手にいれたことになります。
1ドルあたりの平均購入単価は、3万3,000円÷300ドルで、110円。同じ値動きでも、ドルコスト平均法を採用したほうが平均購入単価も低くなるのがわかるケースです。
このようにドルコスト平均法は、安値で多く買い、高値に少なく買う手法です。長期的な積立で平均購入単価を下げれば、利益が出やすくなるでしょう。
将来的に資産を取り崩すときにどのようにすればいいのかを決めるときにも、この発想が役立ちます。取り崩しには定率取り崩しと定額取り崩しが考えられますが、それらをどう使い分けるかという投資の出口戦略まで考えておくと、マネープランの全体像を明確にすることができるでしょう。
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