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財形年金貯蓄ってどんな制度?メリット・デメリットを分かりやすく解説!
給与天引きで資産形成ができる財形貯蓄制度。財形年金はそのうちのひとつで、老後資金を準備するためのものです。給与天引きで貯蓄できるメリットに対し、途中で引き出せないというデメリットも。財形年金の特徴を詳しく解説します。
- 財形貯蓄についておさらい
- 財形貯蓄制度の種類
- 財形年金貯蓄制度の概要
- 財形年金貯蓄のメリット
- 財形年金貯蓄のデメリット
- 財形年金貯蓄、気になるあれこれ
- 財形年金のメリット・デメリットを把握して利用しよう!
財形貯蓄についておさらい
財形年金とは、財形貯蓄のひとつです。財形貯蓄とは給与からの天引きで行う貯蓄制度で、財形貯蓄制度が導入されている事業所の勤労者が利用できます。
勤労者は必ずしも正社員だけでなく、アルバイト、パート、派遣社員でも継続した雇用が見込まれ、積立期間を満たすのであれば利用できます。また、民間企業だけでなく、国家公務員、地方公務員、船員も含まれます。
財形貯蓄制度の種類
財形貯蓄には一般財形、住宅財形、財形年金の3種類があります。複数の種類を併用することもできます。ただし、一般財形は複数契約できるのに対し、住宅財形と財形年金はそれぞれ一人一契約です。
・一般財形
使用目的が限定されていないのが特徴。ライフイベントやレジャー、もしものときの入院費用など幅広く使えます。原則3年以上の期間、定期的に積み立てることが条件ですが、貯蓄開始から1年経てばいつでも自由に払い出し可能です。「特に目的はないけれど、財形制度があるからとりあえず貯めておこう」という人に向いています。
・住宅財形
満55歳未満の勤労者が対象。資金の使いみちは住宅の建設、住宅の購入、工事費が75万円を超えるリフォームに限定されています。積立期間は5年以上。財形年金と合わせて、元本550万円まで利子等が非課税になるのが大きな特徴です。住宅の建設・購入・リフォーム以外の要件で払い出すときには非課税の特典が受けられませんが、災害や疾病などやむを得ない理由があれば非課税になります。
・財形年金
満55歳未満の勤労者が対象。年金なので、受け取り期間は満60歳以降の5年以上20年以内(保険商品については終身のものも)と定められています。積立期間は5年以上。住宅財形と合わせて、貯蓄残高550万円までの利子等が非課税になります。
参照元:厚生労働省 財形貯蓄制度
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財形年金貯蓄制度の概要
ここからは、財形年金について詳しく説明していきます。
・利用できる人
財形貯蓄制度が導入されている企業の勤労者で、満55歳未満の人が利用できます。
・積立方法
毎月の給与や夏・冬のボーナスから天引きされます。積立額は自分で決めることができます。
・非課税優遇措置
財形年金の非課税枠は、預貯金と保険で異なります。
預貯金 元本(預入額+元加利息)550万円まで
保険 払込保険料385万円まで
これは住宅財形と財形年金を合わせた金額です。住宅財形では保険も払込累計550万円まで非課税なので、財形年金の保険料が385万円を超えた場合、残りの165万円は住宅財形の非課税枠として使うことができます。
財形年金貯蓄のメリット
財形年金にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
・給与から天引きされるので貯めやすい
財形貯蓄全般に言えることですが、給与から天引きで自動的に貯蓄できるのが大きなメリットです。給与をもらってすぐに貯蓄用の口座に移すのは貯蓄の鉄則と言われています。はじめからそのお金はなかったものとしてやりくりすれば、無駄づかいの心配がありません。しかし、貯蓄用の別口座に移すのはなかなか面倒なもの。財形貯蓄なら会社を通じて申し込めるので、仕組みづくりが簡単です。少額ずつでも貯めておくと、将来的にまとまった金額になるでしょう。
・利息が非課税になる
財形年金と住宅年金合わせて元本550万円までの利息が非課税になります。本来なら20.315%の税金が引かれてしまうので、その分の節税ができます。
・財形住宅融資制度が受けられる
財形貯蓄を積み立てている勤労者限定の住宅ローンが利用できます。融資限度額は、財形貯蓄残高の10倍以内で最高4,000万円まで、住宅の建設・購入・リフォームに要する費用の90%以内となっています。
・引き出しにくいので貯めておける
引き出しにくいのはデメリットでもありますが、ついつい引き出して使ってしまうことがないのはメリットです。
・会社から奨励金がもらえることも
事業主によっては、財形貯蓄制度を利用している勤労者に対して給付金(奨励金)を支払ってくれることがあります。給付金は一時所得となり、50万円までは非課税と税制的にもお得です。もし給付金が上乗せされるのであれば、利息以上の利益が得られます。
財形年金貯蓄のデメリット
財形年金にも以下のようなデメリットがあります。
・資産を増やしにくい
金利が低く設定されている場合が多く、財形年金貯蓄だけではほとんどお金が増えません。財形年金だけに老後の資金を頼るのではなく、iDeCoやつみたてNISAなどほかの方法も併用したほうがよいでしょう。
・60歳にならないと受け取れない
財形年金貯蓄は満60歳以上で、5年以上の期間にわたって受け取ることが要件です。たとえ早期に退職しても、受け取れるのは60歳になってからです。仮に55歳で退職して、すぐに財形年金を受け取ろうと思うと途中解約になり、過去の利息に課税されます。
・転職したときに続けられないことも
財形貯蓄は財形貯蓄制度を取り入れている事業主のもとでのみ利用できます。転職先に財形制度がないと、続けることができません。
・自由度が低い
iDeCoやつみたてNISAは自分自身で金融機関を選び、投資信託などの運用先を決めることができますが、財形年金は職場で取り扱いのある金融機関の商品に限られます。
財形年金貯蓄、気になるあれこれ
財形年金貯蓄について、気になる点をチェックしていきましょう。
・財形年金貯蓄はどうやってはじめたらいい?
勤務先にすでに財形貯蓄が導入されている場合は、勤務先を通じて申し込みます。
財形貯蓄が導入されていない勤務先については、財形制度を導入するところからはじめなければなりません。これには賃金から控除するための労使合意が必要です。
・財形年金貯蓄は中断できる?
積立の中断はできますが、最後の給与からの天引きによる預入日から、次の預入がないまま2年が経過すると、非課税措置が受けられなくなります。
・海外転勤をする場合はどうなる?
海外に1年以上居住することになると、出国中、非課税での積立を継続することができません。出国する日までに所定の手続きを行うことで、最大7年間非課税措置を受けたままで積立を中断できます。
・産休や育休を取得する場合はどうなる?
産休や育休の場合、所定の手続きを行えば休業中に2年を超えて中断しても非課税での積立を継続できます。
・財形年金貯蓄は途中で払い出しや解約はできる?
財形年金は年金以外の払い出しが認められていません。やむを得ず払い出しをすると、全額が解約されます。預貯金の場合は払い出しから5年間さかのぼり、その間に生じた利子のすべてに20.315%が課税されます。保険商品の場合は一時所得となり、解約時の差益から50万円控除し、残りの差益の2分の1に課税されます。
なお、災害、疾病、寡婦または寡夫になったという理由で、一定の条件を満たした場合での払い出しであれば非課税になります。
・財形年金貯蓄は途中でほかの金融機関の財形商品に預け替えできる?
財形年金と住宅財形は保有期間に関わらず、ほかの金融機関の財形商品に預け替えることはできません。ちなみに3年以上保有している一般財形は、ほかの金融機関の財形商品に預けかえることができます。
・転職したときはどうなる?
退職から2年以内に転職すれば、新しい会社で財形貯蓄を継続することができます。新たな勤務先で同一金融機関の取り扱いがない場合には、別の金融機関に預けかえて継続できます。
転職先で財形貯蓄制度を導入していない場合や、個人事業主になった場合は財形貯蓄を継続できません。一定期間が過ぎると課税扱いで払い出しされます。
・定年が延長した場合に積立を続けることができる?
65歳まで継続雇用・再雇用されることになった場合、条件を満たせば年金積立を延長できます。
具体的には「退職する前に積立期間が延長できること」「給与天引きや払込代行による預入・払込が継続してできること」を満たす必要があります。この場合、550万円の非課税限度額を超えないように注意しましょう。
・会社が倒産したらどうなる?
財形貯蓄は会社を通じて申し込むものですが、勤労者本人の名義で積み立てられるものなので勤務先が倒産しても影響は受けません。財形貯蓄制度を導入している職場に転職して財形貯蓄を続けることもできます。
財形年金のメリット・デメリットを把握して利用しよう!
財形年金は給与天引きで自動的に貯蓄できるという魅力がある一方、自由度が低いというデメリットがあります。財形年金だけにすべての資産を偏らせることなく、ほかの方法も併用しながら資産運用していくとよいでしょう。
財形年金と併用したい制度に、つみたてNISAやiDeCoがあります。つみたてNISAは長期の資産形成に適した投資信託の中から自分で選んで積み立てることが可能。iDeCoは運用先を自分で選べるうえに、拠出金が全額所得控除になるという税制上のメリットもあります。楽天証券では楽天ポイントで投資信託を購入することもできるので、楽天ユーザーはぜひ検討してみてください。
また、楽天銀行と楽天証券の両方に口座を開設して連携(マネーブリッジ)させると、普通預金金利が年0.18%(税引前、税引後年0.143%)になり、この時点で財形年金の預貯金より有利です。もちろん財形年金には普通預金にないメリットもありますが、財形年金に多額の資金をつぎ込む前に、このような金利が高めの普通預金を検討するのもよいでしょう。
※マネーブリッジの優遇金利「年0.18%」(税引前、税引後年0.143%)の適用は普通預金残高300万円以下の部分のみです。
普通預金残高300万円を超える部分に関しては「年0.12%」(税引前、税引後年0.095%)の金利が適用されます(2024年10月時点)
このテーマに関する気になるポイント!
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財形年金制度とは?
財形貯蓄制度のひとつで、60歳以降に5年以上の年金として受け取るものです。満55歳未満の人が契約することができ、元本550万円まで(保険は385万円まで)の利息が非課税になります。
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財形年金のメリットは?
給与天引きで自動的に積立ができるので、意識せずにお金を貯めることができます。勤務先から給付金や奨励金が受け取れることもあります。
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財形年金のデメリットは?
原則として60歳まで払い出せません。自由度が低く、貯めたお金がほとんど増えないのもデメリットです。
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たしかに、財形年金にとらわれずに色んな手段を検討してみることも大事よね!