老後の資金っていくら必要?ひとりで2,000万円、夫婦で3,000万円!?

リリース日:2022/04/01 更新日:2024/09/18

老後のための資金を貯めようと考えたとき、実際のところ「いくら必要なのか」がわからなければ目標も立てづらいでしょう。1,000万円、3,000万円、5,000万円と諸説あり、高額すぎてピンとこない方も多いはず。そもそも老後資金が何なのかわからないままでは、漠然とした不安が付きまといます。この記事では具体的な老後資金の計算と、要領のいい貯め方についてまとめました。

  1. セカンドライフってどんな状況?
  2. 人生100年時代のセカンドライフ
  3. 具体的な必要額
  4. 効率的な老後資金の貯め方
  5. 深刻に考えすぎないで

セカンドライフってどんな状況?

セカンドライフってどんな状況?

セカンドライフとは仕事を辞めた後の人生のこと。以前はほとんどのサラリーマンが60歳で定年でしたが、近年では65歳が定年というサラリーマンも少なくありません。現役を退き、収入が減ってから必要になるのが老後資金です。

 

年金も受け取れますが、支出のすべてをまかなうのは難しいもの。総務省の平成29年家計調査によると、2人以上の高齢夫婦無職世帯について、1ヶ月の平均収入はおよそ21万円、平均支出はおよそ26万円。5万円の不足が生じます。1年間にすると60万円の不足で、この分だけ老後資金を切り崩すことになるでしょう。

 

高齢単身世帯では収入がおよそ11万円、支出が15万円なので不足分は4万円です。年間48万円の不足となります。

人生100年時代のセカンドライフ

人生100年時代のセカンドライフ

人生100年時代とも言われる近年、年金の支給開始年齢の引き上げが検討されています。支給額も減っているため、「自分たちがシニアになったとき、果たして年金をもらえるのだろうか…」と不安に思っている方も多いでしょう。

 

長く生きれば、それだけお金がかかるのは言うまでもありません。長生きするほど医療費もかかるため、「長生きすることがリスクになる」と言う人もいるほど。とは言え、寿命を自分でコントロールすることは不可能です。セカンドライフに向けて、着実にお金を貯めておくことが大切になります。




具体的な必要額

老後資金はいくら必要になるのでしょうか。先ほど説明したように、一人暮らしなら年間48万円、夫婦なら年間60万円の不足が生じます。仮に65歳まで働き、退職後すぐに年金をもらえるとして、100歳まで生きると老後は35年。一人暮らしなら1,680万円、夫婦なら2,100万円の不足です。これだけ見ると、そこまで大変な印象は受けないかもしれません。

 

しかしこれは、退職後すぐに年金がもらえるケースです。60歳で仕事を辞めて65歳まで年金がもらえないとなると、その分の生活費が必要になります。月にもらえる年金を単身世帯では11万円、夫婦世帯では19万円として計算しているため、5年分となると単身世帯で660万円。夫婦世帯では1,140万円が不足するでしょう。

 

これを踏まえると、一人暮らしに必要な老後資金は2,340万円、夫婦なら3,240万円です。だいたいの目安と言われる3,000万円というのは、このような計算から導かれています。

 

ただしこれは平均的な家計をもとに計算しているため、最低限必要な金額と考えるのがベター。定期的に旅行に行くなど、余裕のある暮らしをするにはさらにお金がかかります。さらに、突発的な入院費用や介護費用などは含まれていません。

効率的な老後資金の貯め方

効率的な老後資金の貯め方

老後資金を一気に貯めるのは難しく、長期的なスパンで考えることが重要です。たとえば現在30歳の人なら、60歳まではあと30年。1年に100万円を貯めれば、3,000万円に達成できます。具体的なゴールが見えると貯蓄もしやすいでしょう。

 

・給与が出たら貯蓄口座へ

残ったお金を貯蓄するのではなく、給与が出たらすぐに一定額を貯蓄口座に入れて、残りのお金でやりくりするようにします。給与天引きで貯蓄できる制度があれば、そちらを利用してみてください。

 

 

・貯蓄の一部を投資に回す

現在、預貯金ではほとんど利息がつきません。大手銀行の普通預金の金利は0.001%で、100万円預けても1年に10円しか増えないのです。投資にはリスクもあるので、ある程度は預貯金としてキープしつつ、資金の一部を投資に回しましょう。

投資信託ならコツコツ積み立てることができますし、個別株には配当や優待の楽しみがあります。少額から投資する方法もあるので、チェックしてみるのも良いかもしれません。

 

 

・iDecoを活用する

iDecoとは個人型確定拠出年金のことで、2017年からだれでも加入できるようになりました。すでに入っている年金にプラスして受け取ることができます。iDecoの特徴は、掛け金がすべて所得控除になること。たとえば月に1万円、年間12万円拠出するとしましょう。すると所得税が5%の人でも、住民税の10%とあわせて年間18,000円の節税になります。

 

 

・保険を見直す

生命保険のなかには積み立てを目的とした商品もあります。ほぼノーリスクで預貯金を上回る利回りが手に入ることも少なくありません。現在保険に入っている人は、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。必要以上の保険に入り、無駄な出費になっていることもあります。

深刻に考えすぎないで

老後資金を貯めるよう必要以上に不安を煽る論調も見られますが、実際にはそこまで深刻に考える必要はありません。将来は労働環境が変わって高齢者の働き口が増え、元気な高齢者は働きやすくなるでしょう。どうしても生活が立ち行かなくなれば、生活保護などのセーフティネットがあります。老後資金を貯めようとするあまり、現在の生活を疎かにするのでは本末転倒です。無理のない方法でコツコツ貯蓄を増やしていきましょう。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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