Question
自身の保険の見直しと子供の保険について -
年齢:30代
職業:会社員
世帯年収:400万円未満
ペンネーム:あーちゃんママ
保険は基本的に、起こる確率は低いけれども起きたときには社会保障や貯蓄で対応できない(金銭的な影響が大きい)シーンに備えるために使うのが合理的です。起こる確率が高いものについては、通常保険料も高くなるため、自分で預貯金で蓄えていた方が、保険が対象とする事象以外にも資金を使えて柔軟性があがります。起こる確率が低く、金額が少ない事象も、その少ない金額を準備できていれば、毎月保険料を負担しなくても対応できることになります。
一方、起こる確率が低く、経済的な損失が大きい事象は、起こるかどうかわからないことのために大金を用意して備えることになるため、預貯金で準備するのは現実的ではありませんし、起きたときだけ大金を準備できるため、保険の特徴が効果的に生きてきます。
一般的に保険で貯蓄を兼ねたり、給付があるタイプの商品は合理的ではないと考えられています。
給付の原資は自分が支払う保険料であり、保険商品である限り、支払う保険料全ては貯蓄に回らず、保障を得るための費用として使われるためです。
これらの考え方を反映すると、お子さんが病気になった時に必要な金額を預貯金でまかなえるようであれば、お子さんに対する医療保険の必要性は高くなさそうです。
都道府県民共済の総合保障1型の場合、入院1日2,500円や、後遺障害で最大330万円などとなっています。入院をしたときに1日2,500円を受け取れることが、現在の家計状況的に助かるようであれば、続けても良さそうですが、支払っている保険料を積み立てることで、近い備えができるかもしれません。
一方で、お子様がいるご家庭であーちゃんママさんなど、親御さんが万が一、働けなくなったり、亡くなってしまったりした場合、以降の収入が途絶え、生活が立ちゆかなくなったり、教育費が捻出できなくなる可能性があります。これは、起こる確率は高くありませんが、起こったときの金銭的な影響が大きい事象にあたるため、子育て世帯の親に対する死亡保障や、収入保障、所得補償(死亡ではなく収入が減った場合に給付)は積極的に検討したいところです。
親の年収×3+子供の人数×1,000万円程度が死亡保障の目安と考えられ、既に貯蓄できている金額分は少なめに加入するという考え方もあります。
会社員でいらっしゃる場合、あーちゃんママさんご自身についても医療保険よりは死亡保険の方が必要性が高いことが多いでしょう。医療については、医療に関する自己負担が月9万円程度などの上限を定められている高額療養費制度や、4日以上仕事を休まざるを得なかったときに給付される傷病手当金と預貯金が100〜200万円程度あれば、対応できるシーンは多そうです。預貯金がそれに満たない間だけ医療保険を続け、貯蓄ができたら医療保険を整理するなども選択肢になりそうです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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