Question
生命保険と共済保険
※相談者プロフィール
お名前:ぎょっちゃん2ごー 様
年齢:50代
未既婚:未婚
子ども:あり
住居:持ち戸建(自己)
職業:経営者・役員
世帯年収:400万円未満
借入有無:あり
生命保険は不特定多数を対象とした営利を目的とした事業で、共済は地域や職業など対象を特定した非営利の事業という違いがあります。営利を目的としていないことから、同じ保証内容であれば、一般的には共済の方が保険料が安くなる傾向があります。
一方で、共済の中でも多くの方が検討する、全労済の「こくみん共済」、都民共済の「生命共済」などでは、死亡時に加えて入院や通院など医療への保障が予め組み込まれています。低価格で死亡も医療もある程度の備えができるという点ではメリットですが、必要としている保障が死亡のみの場合、民間生命保険で死亡保険単体で加入する方が保険料が安くなる場合もあります。
また、共済の多くは年齢による掛け金や保障内容の違いが細かく分類していない分、年齢が若いなど掛け金が安くなる条件を備えた人にとっては、生命保険の方が有利なこともあります。
生命保険会社が破綻した場合、責任準備金の9割を補償する、生命保険契約者保護機構がありますが、共済にはそうしたセーフティネットがない点も違います。
生命保険でも共済でも、万が一の際、貯蓄でまかなえない部分を補うだけ加入するのが、かけ過ぎを避けられおすすめです。葬儀費は一般的には200万円程度と言われていますし、医療費では自己負担の上限額が月約9万円などになる高額療養費制度もあります。
貯蓄や制度を使っても足りない分は保障を備え、貯蓄が増えていざという時の対応ができるようになれば、保険や共済を契約しない期間もあり得ます。保険や共済の加入が必要とは限らないことも選択肢に加えると、より自分の考えに合う判断ができます。
ぎょっちゃん2ごーさんご自身のがん保険についても、考え方は同様です。特にがん保険については、気にされているように、保障がずっと受けられる終身タイプを選択したとしても、がんに罹患しなければ保険金を受け取ることがない商品も多く、掛け捨てになりがちですね。 がんについても健康保険の適用範囲内の治療であれば、高額療養費制度の対象となるため、貯蓄でまかなえるようになっていたら、加入を見合わせることも選択肢の1つです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。