Question
現在の貯蓄をもとにいくら住宅資金にあてるべきか -
年齢:40代
職業:公務員
世帯年収:400万円~600万円未満
ペンネーム:かんちゃん
現在、住宅ローンの金利が低く、また年末住宅ローン残高に応じた減税(住宅ローン控除)があることを考えると、必ずしも頭金を入れる必要性は高くないと考えられます。かんちゃんさんの場合は、既に手元にまとまった資金があるため、本当に住宅に充てて大丈夫な予算が見えたタイミングで、一部先行して返済を行う「繰上返済」を検討されるのでも良さそうです。
住宅ローンを組む際、支払う利息を少なくするため王道的な方法は、頭金を入れる、返済期間を短くする、などがあげられます。
こうした方法は、住宅ローン金利が高い時により効果を発揮しますが、住宅ローン金利が低い場合、これらの取り組みによって、手元のまとまった資金を手放すことのデメリットの方が上回る可能性も出てきます。
一方で、頭金を入れることや返済期間を短くすることは、セカンドライフにおける金銭的な負担を残さない効果もあります。例えば、1,500万円を金利0.5%、35年返済とした場合、月々の返済は約3.9万円で20年後の残高は約670万円です。金利の条件が同じで33年返済とした場合、月々の返済は約4.1万円で20年後の残高は約620万円になります。返済期間が短いと、月の負担は重くなりますが、20年後に残る残高は少なくなるため、60代での完済の目処がつきやすくなります。
住宅購入の月々の支出はローンの返済だけでなく、固定資産税や、将来の修繕に備えた積み立て(マンションの場合は修繕積立金、管理費など)などもかかります。ローンの返済額+2〜3万円程度の月々の負担が問題なく行える範囲での、できるだけ短い返済年数を検討されることも重要でしょう。
一般的には、例えば500〜1,000万円程度が手元にあれば、たいていのライフイベントには対応できると考えられます。そのため、それを上回る金額を頭金として入れることも選択肢の1つですが、例えば頭金ゼロで返済をスタートし、住宅ローン減税が終了する10年や13年経過のタイミングで、使わずに済みそうな資金を繰上返済に充てるのも有効な選択肢といえそうです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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