Question
ドル建て終身保険かNISAのどちらで教育資金を用意するか
年齢:30代
職業:公務員
世帯年収:1,500万円~
ペンネーム:あや
投資を含む「資産運用」という言葉は、資産の置き場所を適正にし、「保有の形を検討すること全体」を指します。投資で資金が必ずしも増えるとは限りませんが、一方で、預貯金のみで保有していても額面は守られるものの価値が保たれるとは限りません。そのため、額面を守る預貯金と、景気や物価の変動に対応するための投資を行い、変化に対応できる家計を目指すことになります。
投資を行うことで資金が増え、教育資金や住宅ローンの繰り上げ資金がはやく準備できれば好ましいですが、思うときに思うように増やせないことも多いことを踏まえて家計に取り入れる必要があります。
現在、教育資金の候補として、ドル建て終身保険とNISAをご検討とのことですが、教育資金の準備や蓄財などを目的とする場合、保険よりNISAを選択するのが無難と考えられます。
保険商品で貯蓄や投資を兼ねる場合、一定の利回りを約束されることなどが、通常の投資商品に比べ魅力的にも感じます。一方で、保険商品である限り、掛けた保険料のうち、一部は保障を得るための費用として使われるため、全ての保険料が投資や蓄財にまわりません。
また、ドル建てなどの外貨ベースの商品の場合、外貨での利回りは最低限の約束があるものの、為替レートの影響を受けます。ドルベースでは悪くない内容でも、円に戻したときに額面としては損をすることも考えられます。
保険商品の場合、加入(運用)期間が長くなることで、保障のための費用などを含め、挽回されることもありますが、投資や蓄財という側面においては、加入者の自由度は低い(早いタイミングでの解約が損になることも多い)と考えられます。
NISAやつみたてNISAなどを使って、自分の判断で売買ができる場合、もちろん損をする可能性もありますが、学費が必要となるより前のタイミングで資金が増やせる可能性もあります。
保障は既に十分とのことなので、保障と投資を兼ねる必要性は低いでしょう。今既にある預貯金や、あやさんのお給料から貯蓄していく予算の「資産の持ち方の1つの形」として、例えば5〜10%程度などでつみたてNISAを検討するのが取り組みやすそうです。慣れてきたら、割合を増やすことも検討されても良いですね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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