Question
新築戸建ての頭金を投資に回すべきか迷ってます。
【プロフィール】
・家族…夫 30歳、妻(自分)30歳、息子 0歳
・貯金…1,500万円・支出…24万円(食費 3.5万円、住宅 3万円、医療費 1万円、水光熱費 1万円、通信費 1万円、移動費 2.5万円、日用雑貨 1万円、交際費 1万円、趣味・お小遣い 2.7万円、その他雑費 0.9万円、保険 6.4万円(4万円は個人年金))
【購入予定の物件】
・予定価格…4,000万円
・頭金…1,000万円
・住宅ローン…フラット35 、30年間
年齢:30代
職業:専業主婦
世帯年収:600万円~800万円未満
ペンネーム:シバタ
頭金を入れたり繰上返済することで期待される効果は利息の軽減効果や、フラット35であれば金利が低くなるといったメリットがあります。
手元に現金を残し多めの融資を受けることは、急にお金を要したとき住宅ローン以上に高い金利の借り入れを行うことを避けられたり、運用して増やせる可能性、ローンの残高に応じて受けられる住宅ローン減税の額が大きくなることなどにつながります。
これらの金銭的な効果がどの程度になるのか、整理してみると判断しやすくなるかもしれません。下記の前提条件を元に比較してみます。
・フラット35は購入価格の9割以下の借り入れだと金利が低くなります。今回は仮に9割以下だと1.11%、9割超だと1.55%で借りられると仮定します。
・住宅ローン減税は年末ローン残高(最大4,000万円)の1%が10年か13年減税になる制度です。借り入れが1,000万円少ないと1年に10万円、減税効果が低くなります。なお、自分が払っている所得税や住民税以上に減税は受けられません。
①全額住宅ローンにする場合(4,000万円、1.55%、30年、月約13.9万円)
総支払額約5,004万円
②頭金1,000万円を入れる場合(3,000万円、1.11%、30年、月約9.8万円)
総支払額4,529万円(実質4,659万円※)※住宅ローン減税が最大130万円減るため
③14年目に1,000万円繰上返済(4,000万円、1.55%、30年、月約13.9万円)
総支払額4,777万円
①と②の差は住宅ローン減税が減ることも含めると345万円程度になります。仮に1,000万円を手元に置いておくことで345万円以上の利益が出るのであれば、頭金を入れない方が得策ということになります。
①と③の差は約227万円です。頭金を入れずにスタートして、住宅ローン減税を最大限受けてから繰上返済するという選択もあります。最初から頭金を入れていた場合との差額は②と③の比較となり118万円。1,000万円を手元に置いておき13年で118万円以上増やせそうであれば、やはり後から繰上返済でも良さそうです。
ちなみに、返済年数を変えず頭金を入れると月の返済額が約13.9万円から9.8万円に下がっています。月の負担額が13.9万円で無理がないのであれば返済年数を20年と短くすることもでき、この場合(④)の総支払額は約4,347万円。住宅ローン減税が減ることを差し引くと実質約4,477万円相当と考えることができます。総返済額は④が一番少なくはできますが、現在の住宅費が月3万円であることを踏まえて月の返済額が無理にならないバランスを模索することが大切です。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。