Question
50歳で早期リタイアをしたいのですが可能ですか?
年齢:40代
職業:会社員
世帯年収:600万円~800万円未満
ペンネーム:ルージュ
50歳でリタイアする場合、65歳から公的年金が支給されるまでの生活費と、65歳以降公的年金で足りない生活費を見積もる必要があります。まず、65歳までの生活費ですが、毎月20万円を15年間使う場合、3,600万円(20万円×15年)必要となります。
65歳以降は公的年金がいくら受給できるかを想定し、差額を確認する必要があります。年金受給額は、保険料を納付してきた過去の収入の増減も加味されます。現在の年収は600~800万円とのことですが、仮に22歳から50歳までの28年間は平均的に月41万円稼いでいて、20歳から22歳、50歳から60歳までの12年間は国民年金だと仮定すると年間約150万円(月12.8万円)受給できる計算になります。月に20万円使いたいとしたら、毎月7.2万円を貯蓄から補填する必要がありますね。
現在の60歳以降の家庭の消費データを見ていると、年齢を重ねると支出額が減る傾向にあります。仮に80歳以降は受給年金だけで生活すると仮定し、7.2万円を65歳から80歳までの15年分だけ補填するとして約1,300万円。50歳から65歳までの生活費と合計すると、約4,900万円の準備が必要という計算になります。なお、実際のご自身の年収の実績に基づく受給額の計算は、「ねんきんネット」を活用することで試算することもできます。
今回は毎月20万円を預貯金などから捻出する想定で計算をしましたが、例えば毎月使う金額が5万円少ないか、リタイア後もアルバイトなどで5万円は稼ぐかする場合、同様の計算で必要な金額が約4,900万円から約3,100万円まで下がります。介護費用や葬儀費用などイレギュラーな事態に対応するための費用を考えると、500万円くらいの余力は欲しいところですが、かなえたい生活とセーブできる支出がどのくらいだと望むバランスになるのかを整理して数字に落とし込めると見通しを立てやすくなりますね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。