Question
住宅購入のタイミングについて
年齢:30代
未既婚:未婚
子ども:なし
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
ペンネーム:匿名希望
消費税増税前と増税後ではいくつかの制度変更があります。
1つ目は住宅ローン減税の拡充で、消費税率10%で取得した場合、従来の10年間の減税期間が3年間延長されます。
2つ目はすまい給付金の拡充で、消費税率10%で取得した場合、給付額が最大30万円から最大50万円に増えます(年収によって給付額は異なる)。
3つ目は次世代住宅ポイント制度で、条件を満たす物件を消費税10%で購入した場合、最大35万円分の製品と交換できるポイントが付与されます。
消費税が8%から10%に引き上げられる2%の差は、これらの3つの制度で概ねカバーされそうです。
金額的に大きな違いが生まれるのは、親や祖父母から住宅取得時に資金援助を受ける場合の贈与税非課税の枠で、現在の700万円から2,500万円と大幅にアップします。親世代などからの資金をまとまった金額効率的に贈与をされたいという希望がある場合、消費税10%での取得の方が有利なケースもありそうです。
一方で、消費税率が低いうちに取得してしまいたいと考える人が多いと、物件価格自身が上昇し、消費税率が10%になると需要が減り物件価格自身が落ちる可能性があります。消費税率以上に物件価格そのものの変動幅の方が大きな可能性もあります。なお、中古物件を個人から購入する場合、消費税はかかりません(中古でも売り主が不動産会社の場合、建物部分に消費税がかかります)。
後悔しない物件購入を目指す場合、適用される税率以上に、自分が納得できる物件や融資条件を選べるタイミングで出会えることの影響が大きいといえます。適用される税率の影響は、制度面でも十分にカバーをされるため、税率よりも適切な価格の物件を、無理ない計画で購入できるかどうかを重視して選ぶのがよさそうです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。