Question
三つ子の出産や育児で受けられる特別な制度ってあるの?
年齢:30代
未既婚:既婚
子ども:あり(妊娠中)
職業:会社員
世帯年収:800万円~1,000万円未満
ペンネーム:紅葉
新しい命を迎えられたとのこと、おめでとうございます。少しでもゆっくりとお過ごしになれると良いですね。
出産、育児にまつわる制度を三つ子である場合として整理してみます。
まず、気にされている「出産育児一時金(1児につき42万円)」ですが、子どもの人数分支給されます。紅葉さんのご家庭の場合、126万円が想定されます。また、自治体や勤務先によっては出産育児一時金の上乗せや「出産祝い金」などが別途支給されるケースもあるため、会社、居住地の自治体ホームページなどをチェックしてみましょう。出産祝い金などは第3子以降金額が大きくなる自治体も多いです。
「産休」については、1人を生む場合は出産予定日の前6週間と、出産後8週間、とることができます。双子や三つ子などの多胎児の場合は出産予定日の前14週間と、出産後8週間(産後は1人と変わらない)、取得することが可能です。産休をとっている間は、給与の概ね2/3にあたる金額の「出産手当金」を受給できますが、こちらは通常子どもの人数とは関係ありません。これらについても、会社などで独自のより手厚い制度を設けている場合もあります。
中学生までの子どもを育てる家庭に支給される「児童手当」は子どもの人数に応じて金額が決まります。所得制限に該当する家庭では子ども1人について月額5,000円ですが、所得制限に該当しない場合は次のようになっています。
・0~3歳 月額15,000円/人
・3歳~小学生 第1子・第2子:月額10,000円/人、第3子以降:月15,000円/人
・中学生 一律月額10,000円/人
所得制限は、例えば子3人などの3人扶養家族がいる場合で年収960万円、妻と子3人で4人扶養家族がいる場合で年収1002.1万円が目安となっていて、これを超える場合、所得制限の額(月額5,000円)になります。
夫婦共に「育休」をとり、保育園に預けられないなどの事情があれば、最長2年間「パパママ育休プラス」という制度でお休みすることができます。この時受給できる「育児休業給付」はお給料の概ね67%(育休開始6ヶ月以降は概ね50%)。子どもが1人の時と変わりません。
保育料については、第二子が半額、第三子が無料になります。ベビーシッターを利用する場合、対象事業者であれば1人なら2,200円のところ、3子以上いる場合18,000円の割引を受けることができます(「ベビーシッター派遣事業」)。東京都では別途、条件を満たせば1時間250円でベビーシッターを月160時間まで利用できる「ベビーシッター利用支援事業」もスタートしています。
制度があっても、3人のお子さんを育てることは大変かとおもいますが、少しでも支援を活用し、紅葉さんのご負担が軽減されたらと願っております。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。