Question
マイホームは増税前に購入すべきでしょうか?
年齢:30代
未既婚:既婚
子ども:あり
職業:パート・アルバイト
世帯年収:600万円~800万円未満
ペンネーム:のんこ
大きな買い物をするにあたって、8%から10%と消費税率の2%の違いは気になるところかもしれません。ただし、結論からお伝えすると、消費税を気にしすぎない方が良さそうです。
まず、住宅購入のうち、消費税の影響を受けるのは、建物部分や、リフォームなどをする場合、その材料費や工賃となります。見落としがちですが、土地には消費税はかかりません。仮に物件価格4,000万円のマンションで、土地部分が2,000万円にあたるマンションを購入した場合、消費税前後での価格差は40万円です。
また、消費税が5%から8%になる際は、駆け込み需要が高まり、5%で購入できるリミットが近づくにつれ、物件価格が上がり、8%になってから物件価格が下がったといった事例もありました。本体の価格自体が変動する影響も大きいため、消費税率だけに気をとらわれない方がよさそうです。
また、消費税や、価格の変動など、自分の手に負えない要素は「外的要素」と言えますが、自分の健康状態、結婚してから10年経った、間取りを小さめにする、エリアを選定する、といったポイントは自分が判断できる「内的要素」といえます。いくらお買い得な物件があったとしても、転職直後だとローンが組みにくいことや、貯蓄習慣が身についていないうちに買うことなどは別のリスクがあるため、内的要素が整っているかに重きを置いて検討するのが良いでしょう。
一生のうち、いつかは買うということが決まっているのであれば、早くに買うことで年齢に対して返済額は進みます。そうした意味では早めに買うという判断はあるかもしれません。
それでも消費税は8%の適用が良い、と考える場合、1つ注意点があります。通常、消費税は物件の引き渡しを受けるタイミングの税率が適用されます。現在の予定通りに2019年10月に消費税率が10%になったとしたら、以降に引き渡される物件に課税される消費税は10%です。
ただし、例えばリフォームや、注文住宅など、工事の工程が半年以上かかるなど長期にわたる場合、半年前の2019年3月末までに契約していた内容であれば、引き渡しを受けるのが2019年10月を超えた場合でも、適用される消費税率は8%となります。大きなリフォームや注文住宅を検討している場合は、2019年3月末より前に判断をできるよう、情報収集だけは早めに行った方が良いかもしれませんね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。