Question

住宅ローンの借り換えは本当に得をするの?

4年前に子供が生まれたタイミングでマンションを購入しました。住宅ローンについては不動産会社から紹介された大手銀行数社に審査の依頼をして、OKだったところで決めました。でも最近、借り換えたほうが安く済む、というCMを目にすることもあり、今のまま借り続けていては損をするのではないかと不安になっています。35年ローンで頭金は300万円、借入は3,500万円、変動金利で借りています。

年齢:40代
未既婚:既婚
子ども:あり
住居:持ちマンション(自己)
職業:パート・アルバイト
世帯年収:500万円~600万円未満
借入有無:あり
ペンネーム:沼ジロウ

 

Answer

住宅ローンを借り換える場合には事務手数料や抵当権の変更をするための費用など、諸費用がかかります。3,000万円くらいの借り換えだと諸費用は100万円近くです。
そのため、諸費用も加味して住宅ローンを借り換える場合にメリットが出やすい条件として「ローン残高1,000万円以上」、「ローン返済年数10年以上」、「借り換え前後の金利差1%」という目安があります。沼ジロウさんのケースだと、残高や返済年数は該当しそうですが、金利差が1%までは出ない可能性はありますね。

 

ただし、3つすべての要件を必ずしも満たさなくてもメリットが出る場合もあります。
例えば、4年前(48ヶ月前)、3,500万円、金利0.9%で借りている場合、今後の総返済額は約3,615万円です。今、金利0.6%に借り換えることに成功すれば、以降の総返済額は約3,457万円となり、差額は約158万円です。諸費用を差し引いても約60万円、返済額を減らすことができます。

 

金利の水準は4年前と今ではあまり変わっていませんが、勤続年数が長くなったり、貯蓄額が増えているなど、沼ジロウさん自身の背景に、金融機関がプラスに審査する変化がある場合、当時は選べなかった金融機関を選択できる可能性もあります。

 

一方で借り換えには再度審査が必要で、公的書類をそろえたり、金融機関の手続きを経るなど、金額だけでなく手間がかかる側面もあります。借り換えだけではなく、繰り上げ返済を行うことでも返済額を減らすこともできるため併せて検討しても良いですね。

 

また、返済額を減らす目的ではなく、金利の心配をしなくて良くするために変動金利から固定金利に借り換えるという判断もあります。変動金利の低い利率で返済をどんどん進めて、少なくなったローン残高を固定金利に借り換え、以降は安心を得るというのも一つの戦略ですね。

回答者:フィナンシャルプランナー 風呂内 亜矢さん

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。

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