Question
老後資金3,000万円の貯め方について教えてほしい
老後資金を貯める計画を立てる際には、これから貯めるべき金額と、既に準備中の金額を確認するのがお薦めです。
会社の退職金制度の確認や、既に加入している個人年金保険、現在決めた金額の貯蓄をしているようであればそれを続けた場合の金額も計算してみましょう。
これらの既に準備している金額を差し引いても足りない部分が今後上乗せして準備していく金額の対象となります。
上乗せして準備していく対象の金額がわかったら60歳または65歳までに残された年数・月数で割り、ひと月あたりの目標金額を決めます。
現在35歳の方が65歳までに足りないとわかった1500万円を貯めようとする場合、毎月の積立金額は4万円強です。新しい銀行口座を開設し3万円はその専用の口座に積立て1万円は投資信託などで積み立てていくのも良いかもしれません。
また、必要なお金が本当に3,000万円なのか確認することも大切です。例えば60歳、65歳以降も収入を得る方法があれば一度に3,000万円を準備する必要はありません。
60歳以降、毎月2万円でも稼げれば80歳までに合計480万円の収入を得ることになり目標金額を少し緩めることもできるかもしれません。稼ぐ他には毎月の支出額を毎月2万円抑えることができれば同様に480万円、目標金額が下がります。
こうした意味ではセカンドライフでも長く働くことができる方法を探したり生活費を抑える節約技を身に着けることも家計防衛になります。
老後資金を考える時、既に準備できているお金を忘れてしまうことは多いです。また、老後資金の合計額は特定の年に一気に使う金額ではありません。長く稼ぐこと、節約をすることなどでもまとまった成果が得られます。赤字に転落するポイントが生まれないように調整していくと考えるともう少し気持ちがラクになるかもしれません。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。