Question
育児休暇、期間の延長は可能?受け取れる手当金はいくら?
※相談者プロフィール
年齢:30代
未既婚:既婚
子ども:なし
住居:賃貸マンション
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
会社員の方が子どもを出産する際には、決められた休みや手当を受けることができます。
■産休
出産予定日の6週間前から取得でき、出産の翌日から8週間は就業できない(6週間経過後本人が希望すれば就業可能)ことになっています。
「出産手当金(健康保険)」
会社から給与が支払われない場合、それまでの収入の約2/3にあたる日当が給付されます。
■育休
通常は1年、保育園に入れない場合などは1歳半まで延長することができます。
現在、最長2年まで延長できるようにする案が17年度中施行を目指し審議されています。(※2017年10月施行予定)
「育児休業給付(雇用保険)」
会社から給与が支払われない場合には、当初6ヶ月間はそれまでの収入の約67%、以降は約50%の日当が受給できます。会社からも給与の支払いがある場合、育児休業給付金と合わせてそれまでの収入の約80%を超える金額について調整・減額があります。
また、産休中、育休中は健康保険、厚生年金などの社会保険料の支払いが免除されます。産休中・育休中の手当や社会保険料の免除など、手続きは基本的に会社経由で行います。
1年以上勤務しているなど要件を満たす場合、パート・派遣・契約の形態で働く人も、同様の制度を利用することができます。
育休期間のために加入する保険は、通常必要ないと考えられますが、収入減の期間や出産に備えて100万円程度の貯蓄があると心強いでしょう。
出産にまつわる入院費用などは、健康保険から給付される出産育児一時金(42万円)で、多くをまかなうことができます。病院に支払う合計額が47万円程度で自己負担額が約5万円という平均値もありますが、豪華な病院に入院した場合数十万円以上の負担になることもあります。
会社員の場合、健康保険や雇用保険で手厚い給付が受けられます。会社で独自の手当を行うケースもあるため、総務部門などに確認すると心強いでしょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。
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育児休暇取得に際しての手続きの流れ
育児休暇を取得するにあたって、基本的な流れがあります。会社に妊娠の報告をするのは安定期に入ってからが一般的です。妊娠の報告をすると、会社から産前産後休業や育児休業に関して案内があります。この時に、会社によっては申請書類を渡されることもあります。産前休業は出産予定日から数えて6週間前より取得できるため、その1ヶ月前までに必要書類を会社に提出します。産前休業から続けて育児休暇に入る場合は、同時に「育児休業等取得者申出書」を申請しなくてはなりません。また、出産育児一時金の申請もこのタイミングで行います。産前休業が開始されるのはおよそ妊娠8ヶ月ごろからで、産後8週間までは出産・産後休業の期間です。条件によっては産後に出産手当金の申請を行うこともできます。産後9週目からは育休期間となり、育休中に社会保険料免除の手続きや育児休業給付金の申請を行います。
関連リンク
産休や育休中に貰える給付金は主に3種類あります。それぞれ、国民健康保険保持者限定、雇用保険保持者限定など条件が設定されているため、十分に確認が必要です。また、育児休業給付金は退職予定の時期によって給付の可否が決まります。
産休は産前・産後休業を指し、育休は1歳未満の子どもを持つ夫婦に適用される育児休業を指します。産前・産後の手当金は3種類あるため、申請忘れに注意が必要です。同時に子供の教育費を学資保険やジュニアNISAなどで用意するなど検討していきましょう。