Question
マンション購入について
※相談者プロフィール
年齢:30代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:賃貸マンション
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:とっとりんこ
マンション購入を考える時、どうして購入したいのかを細分化すると、より理想の物件を絞り込みやすくなります。
例えば、居住性の向上を願うのであれば広さや設備の充実などを重視したくなりますが、将来貸せる物件を考えると広さより立地、低い賃料で貸しても損しない価格などを重視する必要があります。狭くても好立地なら貸しやすいですが、売却を考えるのであれば50平米以上(チラシ表記だと53平米程度超)の物件が売りやすいといった違いもあります。地域によっても都心だと駅近、地方だと駐車場必須など違いますね。
すべてを満たす物件を手に入れられると理想的ですが、無理なく支払いができる予算もあります。自分がより何を優先するのか、整理してから物件を探し始めると選びやすくなります。
購入できる予算の目安としてはローンを収入の5倍程度に抑えるというものがあります。とっとりんこさんの場合、年収500万円なので、2,500万円までのローンであれば、概ね返済しやすいと考えられます。ただし、あくまで目安であって、現在の貯蓄ペースや年齢、退職金の有無などによって判断は分かれていきます。
仮に、2500万円のローンを金利1.5%、35年返済で借りた場合、月々の返済額は76,546円です。ローンの残高はとっとりんこさんが60歳になる時で約1千万円、65歳になる時で約6百万円となります。ローン残高に加えて管理費や修繕積立金(一般的に5年に1度のペースで金額アップ)、固定資産税を加味すると、平均的には月2~3万円程度支払いが増えることを想定しましょう。
月々の支払で10万円弱(76,546円+2~3万円)、それとは別に60歳までに1千万円か65歳までに6百万円を貯めることが、今の生活から想像できそうであれば、無理なく購入できることになります。例えば現時点で家賃が10万円を超えていて、年間貯蓄額も50万円(1千万円÷23年)以上はできている場合、概ね返済できそうと算段できます(セカンドライフ資金は別途必要)。
ちなみに、2,500万円を、繰上返済なく60歳で終わらせようと23年で借りた場合、月々の返済額は107,157円、65歳で終わらせようと28年で借りた場合は91,166円です。月々としてはこれに2~3万円上乗せすることになりますね。退職までの残高と毎月の支払額を無理しない範囲で、借入期間を吟味することも大切です。
先にモデルルームや物件内覧に出かけてしまうと気持ちに引きずられて予算が上がりがちです。いくらくらいの物件であれば無理がないのか、住宅ローンシミュレーションサイトなどで試算して大枠の予算を決めてから探し始めるのがおすすめです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。