Question
老後資金の効率的な貯め方は?どれくらい貯めるべき?
※相談者プロフィール
年齢:30代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:持ち戸建(家族)
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:money
仮に65歳までは仕事を続けて、貯蓄に手をつけずに済むとした場合で考えてみます。
総務省の家計調査によると、現在の単身・65歳以上の女性の1ヶ月の消費支出は約15万円。moneyさんの収入水準がずっと変わらないとして、受給できる公的年金は13万円程度と考えられます。
日本人女性の平均寿命は87歳ですが、65歳まで生きることができた人の平均余命は24年。この場合、89歳まで生きるのは至って平均的と考えられます。90歳や100歳まで生きることは大げさとは言えないでしょう。
65歳から90歳までの25年間、毎月2万円が足りないとするとまず600万円(2万円×25年)は必要という計算になります。
統計局の消費支出約15万円のうち、住居費は1.2万円となっています。moneyさんが実家を相続し、そのまま住み続けられる場合は近い金額になるかもしれません。
実家がマンションの場合は修繕積立金などは金額が上がるため、月2~3万円は必要です。戸建ての場合でも、数百万円など、どこかでリフォーム費用が必要な可能性はありますね。住居費が毎月2万円多くかかりそうあれば、あと600万円の上乗せが必要です。
65歳まで収入が変わらず過ごせるとこの計算になりますが、60~65歳の収入が下がったり、早くに仕事を辞めてしまうなどすると少し大変です。公的年金がまだ出ずに月の15万円だけを使うことになるため、5年間でも900万円必要という計算になります。
65歳まで働く想定であれば、最低限必要な金額は1200万円程度と言えそうです。ここに、年に1度は旅行に行きたい、週に1度は外食をしたい、といった、希望を頻度と予算で上乗せして考えると、セカンドライフも少し楽しみになりそうです。
効率的な貯め方は、お給料口座や生活費を支払う口座とは別に、貯蓄用の口座を作り、先に貯蓄分はよけ、残った金額で生活をする「先取り貯金」です。
先取り貯金は、貯金専用口座を作って毎月定額移す方法もありますし、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)も強制力のある先取り貯金といえます。iDeCoの場合、60歳まで引き出しができないため、絶対にセカンドライフのための資金にしたい、と考えている予算であれば、制度の性質とも合っています。iDeCo口座を持つこと自身に手数料(初回2,777円~、年間2,004円~)はかかりますが、iDeCoに積み立てた金額は、所得控除され減税につながるメリットもあります。
今から65歳までの27年間で1200万円貯めるとしたら、毎月3.7万円を貯めることで達成できます。累積した大きな金額だけでなく、月割りするといくらになるかという金額を計算して、少しずつ積み上げていけると心強いでしょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。