Question
退職金の使い方として資産運用を考えていますがオススメの方法は?
※相談者プロフィール
年齢:60代
未既婚:夫婦
子ども:あり
住居:持ち戸建(家族)
職業:専業主婦
世帯年収:1,000万円~1,200万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:きらきら
お子様も独立され、住宅ローンも完済されているとのこと。素晴らしいですね。
セカンドライフの資金を考える場合、退職金を必ず資産運用しなければいけないわけではありません。例えば「退職金の5%までしか投資には回さない」など、予算を決めて検討するのが良いでしょう。退職金を一気に特定の商品に預けることはリスクが高すぎるのでお薦めできませんが、数十万円の株式をいくつか購入し、優待や配当を楽しまれている方のお話は良く耳にします。
ちなみに、資産運用を検討するより前に、まずは簡単でもいいのでライフプランシミュレーションをしてみることがお薦めです。
例えば、生活費に月々35万円かかり、受給できる年金が30万円の場合、ひと月の赤字は5万円になります。小さな金額に見えますが、仮に65歳から85歳まで21年間積み上げると1,260万円を貯蓄や退職金から補填することになります。
退職が60歳で、年金受給の65歳まで収入が途絶える場合、5年間の生活費は2,100万円と、普通の暮らしに意外とお金がかかることがわかります。
現在の生活費と、ねんきん定期便や各地の年金事務所で年金受給額を確認し、貯蓄残高がどのような推移になるか、一度整理をしてみると安心です。現役時代に収入が高かった人ほど、受給年金額が想像より少なく感じる人が多いようです。
加えて、お子様のマイホーム購入の支援や、ご自宅のリフォームの可能性、時間にゆとりができる分検討したいご旅行など、お金を使いそうなイベントも書き出してみます。資産運用は、そうした生活費やイベントを整理しても10年以上手をつけなくても済みそうな金額の範囲で検討するのが安心でしょう。
なお、足りない分を資産運用でカバーしようとしてはいけません。足りない場合は、少しずつでもいいので継続して働く方法を検討したり、生活費を抑えられないか考えて、余力が生まれるならば、投資を検討するという順番が良いでしょう。
現時点である程度貯蓄があるようであれば、個人型確定拠出年金(iDeCo)であと3年間、節税をしながら資産運用を検討するのも1つの方法です。3年で資産運用することに慣れたなら、定年退職以降も少額で取り組める金融商品を複数試してみるのもいいですね。大きな金額を投じすぎないようにだけ、気を付けてください。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。