Question
個人型確定拠出年金は利用するべきでしょうか
2017年から制度改正があり、企業年金のある会社員や専業主婦も個人型の確定拠出年金(以下DC)に加入できるようになります。
公的年金や、確定給付型の企業年金のように国や会社に掛け金の運用を任せるのではなく、自分が運用方針を決定することがDCの特徴です。 給付される金額ではなく、拠出(掛け金)金額が確定していて給付(受け取る)金額は自分の運用成果次第ということで確定「拠出」年金と呼ばれています。
DCには、拠出時(払込時)、運用中、給付時(受取時)それぞれに税制優遇があります。セカンドライフ資金として準備する予定である金額ならDCを使うのが有利とも言えます。
一方で、原則60歳以降にしか払い戻しができない点や優遇があるとはいえ受取時には自分が積み立てた金額に課税の可能性がある点、さらに個人型DCについては口座を維持するために手数料がかかるといった注意点もあります。
夫の勤務先に企業型DCが導入されているようであれば、その運用内容の見直しや、会社の拠出金額に自分のお金を上乗せできる「マッチング拠出」ができないか確認することを優先した方が有利な可能性もあります。
また現時点で既に資産運用を実施している人の場合運用場所として個人型DCは選択肢に入りやすいでしょう。
どちらにしても準備をするセカンドライフ資金を形成するためには有利な側面もありますが、直近で必要なお金まで拠出し過ぎてしまわないようにすることなど注意点にも気をつけながら利用したいですね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。