Question
税金の仕組みが知りたい
※相談者プロフィール
年齢:20代
未既婚:既婚
子ども:あり
住居:持ち戸建(自己)
職業:会社員
世帯年収:800万円未満
借入有無:なし
所得税や住民税を計算する際、給与などの収入から必要「経費」を差し引き、所得を出します。会社員の場合は、給与所得控除という自動計算される「経費」のようなものが差し引かれて計算されています。
給与所得控除後の所得から、基礎控除などの「控除」を差し引いた、課税所得に税率をかけ、所得税・住民税の計算を行います。所得から差し引くことができる「控除(所得控除)」が多いほど、課税所得が少なくなるため、所得税・住民税を抑えることができます。
また、税額が確定した後に、「税額控除」が受けられる費目もあります。税額から直接減額されるため、所得控除よりさらに減税効果が高いといえます。
「所得控除」と「税額控除」をいかに正しく受けるかが、節税対策の基本的な考え方といえます。
会社勤めの人ができる節税対策としては、確定拠出年金、生命保険料控除、医療費控除、住宅ローン減税、ふるさと納税、寄附控除、特定支出控除などが身近です。
確定拠出年金では、掛け金(拠出額)が全額「所得控除」の対象となります。毎月2万円、将来受け取るためのお金を拠出することで、年間24万円の所得控除が受けられます。所得が高く、税率が高い人ほどメリットが大きいでしょう。
例えば年収1,400万円・独身で所得税率が33%、住民税率が10%(住民税率は収入に関係なく一律)の場合で考えてみます。このとき、所得から24万円差し引かれることで所得税が約7.92万円(24万円×33%)、住民税が約2.4万円(24万円×10%)の合計10.32万円が減税されます。
住宅ローンを借りて自宅を取得した場合、住宅ローン減税が受けられます。平成33年12月末までの一般的な住宅購入では、年末のローン残高(上限4,000万円)の1%が「税額控除(上限40万円)」の対象となります。
年収1,400万円の独身者の場合、所得税が約300万円超になりますが、年末の住宅ローン残高が4,000万円以上ある場合、税額控除の上限である40万円がそのまま減税されることになります。
この他、「会社員でもできる確定申告」というキーワードで検索すると、減税が受けられる制度が色々なサイトで紹介されています。所得控除なのか、税額控除なのかが理解できると実際の減税額の概算もしやすくなります。
ご自身が使える制度がないか、チェックしてみてください。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。