Question
老後の資産形成
※相談者プロフィール
年齢:20代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:賃貸マンション
職業:会社員
世帯年収:600万円~800万円未満
借入有無:なし
確定拠出年金も資産運用の1つです。イメージ的には資産運用をする”場所”として確定拠出年金を選ぶかどうか、と考えるとわかりやすいでしょう。
資産運用する場所は現在大きく3つあります。
1つ目は一般的な証券口座、2つ目はNISA口座、3つ目は確定拠出年金用の口座です。
一般的な証券口座では個人向け国債や株、投資信託など多くのバリエーションの金融商品を購入することができます。投資での利益には課税がされ、損失が出た場合は別の商品の利益と相殺ができます。売り買いや現金として引き出すタイミングは自由です。
NISA口座と一般的な証券口座の違いは、利益が出た時に課税されない点です。利益に課税もされませんが、損失が出た時、他の利益と相殺することもできません。年間120万円までの取引が可能で、売り買いや現金として引き出すタイミングは自由です。
確定拠出年金は原則60歳まで引き出しができない点が、一般的な証券口座やNISA口座とは大きく違います。購入できる商品は定期預金、保険、投資信託が主なもので個別の株式銘柄などは購入できません。積み立てる金額すべてが所得控除されるため、減税効果は高いです。類似の投資信託商品を購入する場合、確定拠出年金で購入する方が各種手数料が安いことも多いです。
NISA口座では、いざという時に現金を引き出せるという利点があるため、60歳より前に使うかもしれないお金を運用するのに向いています。
確定拠出年金では60歳前には引き出せないという強制力が、老後資金を死守するためには助けになる仕組みです。
資産運用がまったく初めてで、まず試してみたいという状況の場合は、NISA口座で慣らしてみて、感覚がつかめたら確定拠出年金を検討しても良いでしょう。
また、確定拠出年金ではリスク商品だけでなく定期預金なども購入することができます。60歳まで拠出し続けられる無理のない金額であれば、老後まで絶対に手をつけないお金だと決め、積立て習慣を始めるのも良い選択肢といえます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。