Question
資産形成の仕方
※相談者プロフィール
年齢:20代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:賃貸マンション
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:Kim
お金について少し長い期間を考えてみます。
例えば働ける期間が22歳から60歳と仮定すると38年、60歳から90歳まで生きたとすると30年あります。38年稼いで貯蓄・投資をし、30年は公的年金と自分の財産でまかなうと仮定した場合、今の収入を今すべて使うと困りそうなことがわかります。公的年金で受け取ることができる総額が、働いている期間の収入の半分(2/4)と仮定した場合、働いている間の1/4を将来に回せば、収入の3/4程度の消費をコンスタントに続けられることになります。
稼げる期間に収入の25%(1/4)程度の貯蓄を備えたい場合、貯めやすい時期と貯めにくい時期を意識しておくと財産形成に取り組みやすくなります。人生において貯めやすい時期は1.独身時代、2.共働き時代、3.子どもが独立してから退職するまでの3度と言われています。結婚、出産が遅めだと、3番目の貯め期がないこともあります。
貯めやすい時期には収入の20~30%程度貯蓄をし、子どもが小さい時や大学などで教育費がかさむ時期は収入の5~10%程度の貯蓄を目指すなど、強弱をつけられると無理が起こりにくいです。
冒頭の例だと22歳から60歳の間働き貯め、60歳から90歳までは貯蓄を使うことを想定しましたが、実際にはもっと長く働くこともできます。Kimさんの今からの生活で考えると、30~65歳まで35年間働き貯蓄・投資をし、65~90歳まで25年間使う生活をすることや、40年働き20年使う生活をすることも選択肢といえます。
このように考えると、必ずしも投資を行うことだけが資産形成の方法ではなく、働く期間、決めた割合を別の口座によけ貯蓄を積み重ねていくことでも、将来の生活を支えることができそうなことがわかります。
今は定期預金が普通預金に比べてさほど利率が高くありません。貯蓄専用口座を開設し、普段の生活費と区別して貯めていくことはお勧めですが、無理に定期預金にする必要もないでしょう。
ある程度貯蓄ができ、個人型確定拠出年金の上限額(会社員の場合月1.2万円、2万円、2.3万円のいずれか)を60歳まで続けられそうな算段がついたら、個人型確定拠出年金にも挑戦してみてもいいですね。
30歳前後は社会人としての過ごし方のスタイルが確立し、お金の習慣を構築し始めるのに充分早い年齢です。貯金用の口座を作り、給与が入ったら一定額その口座によける”先取り貯金”などを行い、強い家計を作っていけると理想的ですね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。