ライフイベント
Question
投資へのリスクばかり考えてしまい手が出せません
友人との会話で「今の時代、貯金は新NISAが主流だよね」と挙がり、自分も普通に貯金するよりお金が増える可能性があるのであれば新NISAやiDeCoを始めてみたいと思っています。しかし、投資=リスクがあるという心配が頭をよぎり、なかなか踏み出せずにいます。安心して始められるように、準備や事前に必要な知識を教えてください。
ぴーすさん
質問者年齢 | 30代 |
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職業 | 会社員 |
世帯年収 | 600万円〜800万円未満 |
Answer
この記事を書いた人
1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP認定者
風呂内亜矢
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
ポイント!
生活のイレギュラーを支える預貯金は確保して
投資への期待値を適切に下げた上で検討を
ぴーすさんのご心配どおり、投資は貯金のように元本を保証してくれるものではなく、預貯金の利息のように着実にお金が増えるものでもないという点は、意識しておく必要があります。そのため、病気をしたり転職を考えたり、引っ越しをしたりといった、日常生活のちょっとしたイレギュラーに対応するための資金については、投資に充てることは適当ではありません。
こうしたイレギュラーに備えるための資金としては、独身の場合は生活費の3〜6カ月分、子育て世帯の場合は生活費の半年〜1年分程度は最低限確保しておきたいところです。毎月生活費を20万円程度使う人の場合は、120万円前後(20万円×6カ月分)は手元に確保した上で検討することになります。心配性の人はこの金額を多めに見積もっても良いでしょう。
預貯金が500万円程度あると、少し大きなライフイベントに対応できるため、心配性の人ならば、預貯金が500万円程度貯まるまで投資を保留にしても大丈夫です。500万円を上回る部分については、それまでより投資を検討しやすくなるでしょう。
手持ち資金の5〜10%程度(500万円貯蓄がある人の場合、25〜50万円程度)を投資に充てることを目安にしてスタートし、慣れてきたら少しずつ投資する額や割合を増やしても良いでしょう。
投資に期待する適切な温度感は、資産の「価値」を維持することです。月々の収支で残すことに成功した「資産」を、ほとんど増えない預貯金の形で持っていた場合、物やサービスが値上がりした際に、購入できる品数が減ることになります。一方で、資産の一部を物価や景気に連動する投資商品で保有していたら、物価上昇時には値上がりが期待され、同じ数だけ物やサービスを買える可能性が出てきます。逆に物やサービスが値下がりしている時には投資商品も値下がりする可能性がありますが、大枠としては買える数はあまり変わらないだろう、という考え方をすると、値下がり時の捉え方も冷静になれます。
元本が割れるかもしれないにも関わらず、資産の形にわざわざ投資を組み込むのは、10年後、20年後の未来に、同じくらいの物やサービスを買うための1つの備えの形です。今、楽になるためのものや足りないことが見えている金額を補填するためのものではありません。投資の効果を割り引いて考え、期待値を適切に下げて取り組むと、ちょうど良いバランスが見つかるのではないでしょうか。
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