Question
不動産投資をするか迷っています
年齢:40代
職業:会社員
世帯年収:1,200万円~1,500万円未満
ペンネーム:ひーこ
不動産投資と一口に言っても、選ぶ物件の種類によって、期待される効能が異なります。
一般的には地方、アパート、築年数が経った物件などに期待することは高い利回りなどで、中長期で安心をして保有をするというよりも、手元にある資金を早く増やすなどの目的に向いています。ただし、市況や物件の価値を自分で目利きする力を、より問われる上級者向けの投資スタイルになります。
都心、マンション、新築・築浅などの物件に対しては利回りの高さは期待しづらく、長期で安定した家賃収入やローンを組んで保有することによる保険効果などを期待して購入する人が多いです。
20年後の老後の家賃収入というフレーズがあることを考えると、ひーこさんは後者の投資スタイルを検討されているのかもしれませんね。
長期で安定した家賃収入を期待した投資スタイルを選択する場合、購入しようとしている物件が、人気ランキングになったときに、どのくらい勝ち残れる物件なのかを意識する必要があります。勝ち残りやすい物件であれば、中長期で考えて家賃が全くなくなるという心配が少なくなるからです。そして、勝ち残る要素としては、最寄り駅やその駅からの距離、平米数などと併せて家賃も含まれます。
どれだけ人気のエリアでも、高い家賃を受け取らないと運用を続けられないような物件価格で取得してしまうと、物件の競争力としては弱くなります。
購入しようとしている物件が、いくらくらいの家賃なら納得できるのか、借り手の気持ちになって考えてみて、その家賃の上限・下限で貸す場合に、その部屋のオーナーとしてメリットがあり続けるかを意識するのが良いでしょう。
中長期で行う不動産投資において一般的に挙げられるメリットとしては、ローンを使って投資を行うことができるため、万が一の場合にローンが完済され物件が残る保険効果や、比較的準備する資金が少なく私的年金が作れる可能性があげられます。月々数万円の収入は家賃収入をベースにするならば算段がつきやすいですが、金融商品の分配金や配当金で準備をしようとすると、先に数千万円の資金を準備する必要があるため、そういった意味では時間的なメリットがあります。
一方で、計画を立てる前提となる家賃や、ローン返済中の金利については変動要素があるため、家賃がどれくらい下がりうるか、金利がとても上がった場合に繰上返済など自分でとれる対応があるのか、といった最悪ケースの想定が不可欠です。周辺の類似物件について、築20年や30年でいくらくらいの家賃になっているのかも確認したいですね。自分がオーナーとなり、不動産という1つの事業を回そうとしているという感覚を持つことも重要になります。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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