Question
余裕資金の運用について(国債・純金積み立て)
年齢:20代
職業:学生
世帯年収:400万円未満
ペンネーム:MT
資産を分散して保有する際、「使うお金」、「守るお金」、「増やすお金」の3種類に分けると管理がしやすいとされます。
「使うお金」は生活費の3〜6カ月分程度を預貯金で保有しておき、怪我をしたときなど、日常のトラブルに対応できるための予算として確保しておくものです。
「守るお金」は10年以内に使う予定があり減らしたくない予算を配分します。保険や個人向け国債などで保有するケースが多く、MTさんが検討されている商品に通ずるものがありますね。一般的には安全性が高い商品が向いています。
「増やすお金」は10年超使う予定がない予算を充てます。利殖性が高いとされる株式や投資信託で保有することなどが選択肢になります。
MTさんが検討されている純金積立については、安全資産と表現されることもあるため、守るお金にあたりそうですが、実際には価格変動があり、保険や個人向け国債と同程度に安全性が高いとはいえません。例えば9月の月初と月末を比べると3%程度の下落、10月の月初と月末を比べると5%程度の上昇などがあり、ある程度のアップダウンを繰り返します。
増やすお金の一部として、株式や投資信託とは異なる値動きをする資産の形としての保有という捉え方が、実際に近いかもしれません。そのため、①のご質問については、元本割れの可能性がある商品として、資産への組み入れを検討するべき商品といえます。
元本が割れる可能性のある商品については、「使うお金」の予算を確保した上で、保有している資産全体の5%程度からスタートすると冷静な判断がしやすいと考えられます。例えば資産が500万円ある場合、その5%の25万円を投資に充てたとしても残り475万円が確保できるため、もし何か日常のトラブルが起こったり、現金が必要となるチャレンジ(就職活動や資格取得、留学など)を試みる場合でも、概ね対応ができそうです。
そのため、②のご質問への回答としては、月々の積立額を続けていって、資産全体の5%程度になる水準というのが1つの目安になります。
そして、この水準の金額の場合、投資対象は必ずしも純金積立でなくてもよい、あるいは、組み合わせても良いかも知れません。③のご質問としては、安全性の高い他の資産運用の選択肢ということでしたが、純金積立同様、価格変動があり、元本が割れる可能性もあるものの、長く続けることで増えたり資産が保全される可能性がある対象として、つみたてNISA口座内での投資信託の積立も選択肢になります。純金積立とつみたてNISA、合計して資産全体の5%程度で推移する水準からスタートすることで、元本が割れることもある金融商品と冷静に付き合っていくトレーニングにもなります。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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